イベントの告知から参加者の管理、終了後の分析まで効率化するイベント管理システム(セミナー管理システム)。多くの作業が発生するイベントやセミナーをサポートしてくれる利便性の高さから、ニーズは多く、システムのリリース数も増えています。ここでは、イベント管理システムの比較ポイント、導入時の注意点を解説します。
また、導入実績の多い代表的なイベント管理システム(セミナー管理システム)をご紹介します。実際に利用する企業の活用事例も交えながら、サービスの強みや特徴の解説を行います。自社の課題や目的に照らし、適切なサービスを見つけてください。
イベント管理システムの比較方法・選び方
イベント管理システムを比較選定する際のポイント
イベント管理システムを選定する際は、次の5つのポイントをチェックしましょう。
■導入形態は自社に適しているか
イベント管理システムの導入形態には、クラウド型とオンプレミス型があります。
●クラウド型
インターネット上のアプリケーションにアクセスするタイプです。初期費用はほとんどかからず、月額の定額制または従量制となっているため、低コストでの導入が可能です。また、すぐに利用を開始できるというメリットもあります。一方で、カスタマイズ性が低い点がデメリットになります。
●オンプレミス型
自社サーバーにアプリケーションをインストールするタイプです。導入費用が高額で、スタートまでに時間を要する点がデメリットですが、自社内で管理するためセキュリティ面を維持しやすいという特徴があります。また、カスタマイズ性が高く、社内ですでに活用している業務システムと連携しやすい点がメリットです。
現在はクラウド型のほうが多くリリースされています。ただし、自社の業務内容によって、どちらが適しているかは変わります。双方の特徴を理解したうえで、自社に合ったものを選びましょう。
必要な機能を備えているか
イベント管理システムには、特定の機能に特化したものからオールインワンタイプまで、さまざまなものが提供されています。自社が利用したい機能を明確にしたうえで、マッチするシステムを選びましょう。
イベント管理システムの機能を大まかに分類すると、以下の5つに分かれます。
- イベント告知機能(告知ページ作成機能)
- 予約・アンケート機能
- 参加者管理機能
- 受付補助機能(QRコード、バーコード)
- 成果分析機能
上記の機能すべてを満たすツールもあれば、たとえば、受付機能だけを提供しているもの、逆に受付機能はないもののチケット販売を強化できるシステムなど、提供元によって機能に大きな幅があります。自社が何を実現したいのか、効率化したい業務は何かを明確にしたうえで選択することがポイントです。
■料金体系とプラン内容は自社に合っているか
クラウド型のイベント管理システムは、ほとんどが定額制または従量制です。自社の使い方によってコスト効率が変わるので、事前にしっかり確認しましょう。料金の比較では、以下7つの要素を確認してください。
- 料金体系(定額制 or 従量制)
- 初期費用の有無
- 最低利用期間
- 同時作成できるイベント数
- 予約受付期間(参加予約を受付できる期間)
- 月間メール配信数の上限
- ストレージ容量
定額制のシステムでは、プランごとに作成可能イベント数や予約受付期間などが異なります。自社のニーズとプラン内容を照らし合わせたうえで選定しましょう。
従量制システムの導入を検討するなら、従量課金の発生条件をチェックします。イベント管理システムの中には、完全成果報酬制(基本料金無料、利用状況に応じて課金される制度)を採用するものもあります。
なお、オンプレミス型の場合は一般に月額利用料はかかりませんが、ライセンス費用や保守・サポート費用、カスタマイズなどのオプション費用が発生することがあります。
■セキュリティ性は十分か
イベント管理システムの選定において、必ずチェックしたいのがセキュリティ性です。セキュリティが脆弱なシステムを導入すると、情報漏洩のリスクを背負うことになります。
クラウド型のイベント管理システムを導入する場合は、システム提供元のWebサイトにて、セキュリティに関する取り組みを確認してください。『プライバシーマーク』や『ISMS』を取得している企業であれば、提供しているシステムのセキュリティ性も高いと判断できます。
オンプレミス型のイベント管理システムを導入する場合は、自社でセキュリティ対策を行うことになります。具体的な対策方法や費用は、システム提供元に問い合わせてください。
■お試し利用で操作性を確認できるか
自社にマッチしそうなイベント管理システムが見つかったら、試用期間を利用して操作性を確認してみるのも良い方法です。操作のしやすいシステムであれば、導入後すぐに使いこなせるため、業務効率化に大きく貢献します。
イベント管理システムの試用期間は、おおむね14〜30日程度です。試用中は、なるべく多くの社員がシステムに触れられるよう配慮しましょう。
イベント管理システムの向き・不向き
イベント管理システムの選択は、自社の抱える課題を考慮して行う必要があります。次の表を参考に、自社に向くシステムのタイプを絞り込んでみてください。
課題 |
向き・不向きの傾向 |
---|---|
社員がシステムを使いこなせるか不安 |
・操作がシンプルなシステムが適している ・サポート体制が充実しているシステムが適している ・試用期間が設けられているものであれば、操作性を確認後に導入できる |
イベント集客に不安がある/顧客情報に乏しい |
・Eチケット発行機能やチケット再販機能を搭載しているツールが適している ・SNSと連携できるシステムであれば集客力に貢献してくれる ・イベント告知のページ作成時に、タグを埋め込んでSEO対策がとれるシステムも提供されている |
イベント運営の経験が少ない |
・イベント運営のサポートを提供しているサービスが向いている |
イベントをマーケティング活動に役立てたい |
・来場者データをMA(マーケティングオートメーション)やCRM(顧客関係管理)など他のシステムと連携できるものが向いている |
イベント開催頻度が低い |
・初期費用が安価または無料のシステムが向いている ・月額料金無料、参加者の人数に応じて費用が発生する完全成果報酬型のシステムもおすすめ |
電話や口頭でのイベント申し込みが多い |
・管理者による代理登録が可能なシステムが向いている ・電話番号による参加者検索に対応していると便利 |
自社のセキュリティポリシーが厳しい / 顧客情報をクラウド環境に預けられない |
・プライバシーマークやISMSを取得しているサービスがおすすめ ・オンプレミス型のシステムを検討する |
導入時に注意すべき点
イベント管理システムを導入する際は、コストの観点が重要です。システムを導入すれば、これまでかかっていた人的リソースを大きく削減できるため、コストの削減につながります。しかし、イベントの開催頻度や規模とツールの導入コストが見合わなければ、費用対効果として合格とはいえません。
イベント管理システムは、機能の充実度によって費用に大きな幅があります。自社に必要な機能とコスト効率を見極めたうえで選ぶことが重要です。
イベント管理システムの選定はニーズの明確化から始める
イベント管理システムの選定は、ニーズを明確にしたうえで進めることが肝要です。まずは、効率化したいイベント業務を特定しましょう。続いて、課題解決に必要な機能を検討します。求める機能が定まったら、コスト回収を意識して仮予算を組んでください。ここまで進んだら、後はニーズにマッチするシステムを探すだけです。
イベント管理システム 9選「特徴」と「活用事例」
1. EventHub
(参照元:https://eventhub.jp/)
サービス名 |
EventHub |
キャッチフレーズ |
シェアNo1イベント管理プラットフォーム |
サービス概要 |
EventHubは、シェアNo1のイベント管理プラットフォームです。データを一元管理・分析する事によりイベントの成果を最大化します。オンライン・ハイブリッド・オフラインを問わず、イベントの準備・開催・管理・分析を効率化します。 |
向いてる形態 |
BtoB |
導入社数 |
約 300 社 (2022年08月31日時点) |
導入企業の傾向 |
ITスタートアップ |
価格 |
・価格はお問合せください |
運営企業 |
|
サービス詳細 |
2. イーベ!
(参照元:https://www.event-form.jp/)
サービス名 |
イーベ! |
キャッチフレーズ |
セミナー・イベント管理をクラウドで |
サービス概要 |
ネコの手も借りたい忙しい主催者さんへ。 |
向いてる形態 |
BtoB/BtoC |
機能一覧 |
・イベント告知ページ 簡単作成 |
価格 |
・パーソナル 5,500円 / 月額 |
運営企業 |
|
サービス詳細 |
3. Q-PASS
(参照元:https://www.e-uketsuke.jp/q-pass-lp/)
サービス名 |
Q-PASS |
キャッチフレーズ |
イベント来場者管理ソリューション |
サービス概要 |
【特徴】 |
向いてる形態 |
BtoB/BtoC |
機能一覧 |
・事前申込み登録 |
価格 |
・価格はお問合せください |
運営企業 |
|
サービス詳細 |
4. EventRegist
(参照元:https://eventregist.com/)
サービス名 |
EventRegist |
キャッチフレーズ |
イベントはもっと楽になる。 |
サービス概要 |
EventRegistは、誰でもカンタンに、イベントの告知・事前集金の決済・参加者管理など、 |
向いてる形態 |
BtoB/BtoC |
機能一覧 |
・イベントページ作成 |
価格 |
・無料 0円 / +決済手数料8% |
運営企業 |
|
サービス詳細 |
5. Event Cloud Mix
(参照元:https://eventcloudmix.com/)
サービス名 |
Event Cloud Mix |
キャッチフレーズ |
すべてのイベントが成功する。 |
サービス概要 |
Event Cloud Mix には、事前、当日、事後にいたるまで、イベントに使える機能が全て入っています。 |
向いてる形態 |
BtoB/BtoC |
機能一覧 |
・登録者管理 |
価格 |
・プラン SS 9,800円 / 月 |
運営企業 |
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サービス詳細 |
6. CMC solutions セミナーシステム
(参照元:https://www.cmc-solutions.co.jp/seminar-yoyaku-cloud/)
サービス名 |
CMC solutions セミナーシステム |
キャッチフレーズ |
セミナー向けクラウド型予約システム |
サービス概要 |
商品研修や技能研修といった様々なセミナーのメルマガによる告知、教材(マニュアル・画像)配信、予約受付、申込者管理、受講票発行、会場管理、講師管理、アンケートなどをネット上で手軽に一括管理できます。 |
向いてる形態 |
BtoB/BtoC |
機能一覧 |
・顧客(会員)管理 |
価格 |
・ライト(初期費用) 10,000円 / 初期費用 |
運営企業 |
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サービス詳細 |
7. Doorkeeper (ドアキーパー)
(参照元:https://www.doorkeeper.jp/)
サービス名 |
Doorkeeper (ドアキーパー) |
キャッチフレーズ |
新しいコミュニティ、新しい仲間をみつけよう。 |
サービス概要 |
人生初のイベント運営から多くのメンバーが集う人気コミュニティの管理に至るまで、Doorkeeperは主催者をサポートし続けます。 |
向いてる形態 |
BtoC |
機能一覧 |
・前払いイベントで出席率を上げる |
価格 |
・スターター 1,500円 / 月 |
運営企業 |
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サービス詳細 |
8. こくちーずプロ
(参照元:https://www.kokuchpro.com/)
サービス名 |
こくちーずプロ |
キャッチフレーズ |
驚くほど簡単で安全なイベント集客ができます |
サービス概要 |
こくちーずプロならリアルなイベントと同じように参加者をスムーズに誘導できる「オンラインイベント会場」があるので安心して始められます。 |
向いてる形態 |
BtoB/BtoC |
機能一覧 |
・イベント管理 |
価格 |
・イベント参加費・無料 0円 / 利用料 |
運営企業 |
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サービス詳細 |
9. Peatix (ピーティックス)
(参照元:https://peatix.com/)
サービス名 |
Peatix (ピーティックス) |
キャッチフレーズ |
オンラインでつながろう |
サービス概要 |
Peatixは460万人以上が利用するイベント管理&グループ運営サービス。 |
向いてる形態 |
BtoB/BtoC |
機能一覧 |
・オンラインイベント対応 |
価格 |
・価格はお問合せください |
運営企業 |
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サービス詳細 |