取引先から送付される請求書の受領や会計・支払処理をデジタル化する「請求書受取電子化サービス(受取請求書)」。定型的な経理業務を効率化・自動化するニーズの高まりに伴って、現在では多彩なサービスが開発・提供されています。
本記事では、請求書受取電子化サービスを比較検討するポイントや導入時の注意点について解説します。

また、導入実績の多い代表的な請求書受取電子化をご紹介します。自社の課題や目的に照らし、適切なサービスを見つけてください。

請求書受取電子化の比較方法・選び方

請求書受取電子化サービスを比較選定する際のポイント

請求書受取電子化サービスを比較選定する際のポイント

 

請求書受取電子化サービスを選定する際、特にチェックしておきたい比較ポイントは以下の5点です。

 

  • 機能の範囲
  • 連携可能なシステム
  • データ化の精度・時間
  • セキュリティ
  • 料金体系

 

各項目を詳しく見ていきます。

 

■機能の範囲

請求書受取電子化サービスには、「請求書の受領代行・データ化に特化したもの」と、データ化に加えて「会計仕訳や振込データ生成まで自動化できるもの」に大別されます。どちらが自社に適しているか検討し、必要な機能が備わっているものを選んでください。

 

■連携可能なシステム

多くの請求書受取電子化サービスでは会計システムとの連携が可能ですが、どのシステムに対応しているかはそれぞれ異なります。API連携できるものであれば、より業務の効率化が図れます。受取頻度が少ない場合は、CSVファイルでの対応でも十分といえるでしょう。検討時は、自社の会計システムと連携できるか確認しておく必要があります。

 

■データ化の精度・時間

請求書受取電子化サービスでは、主にAI-OCRで請求書の情報を読み取って電子化します。入力オペレーターを併用しているところもあり、データ化の精度・スピードはサービスによって異なります。例えば、オペレーターによる確認・補正工程がある場合、精度は高まりますが時間がかかります。

 

精度とスピードのどちらを優先させるかを検討し、データ化の精度や所要時間、データ補正工程の有無などを確認して選定しましょう。

 

■セキュリティ

請求書受取電子化サービスでは重要な取引情報を取り扱うため、選定時はセキュリティ面もチェックしておく必要があります。

 

主な確認項目には以下のものが挙げられます。

 

  • 受領した請求書の管理方法
  • データのバックアップ体制
  • ユーザー管理機能や二段階認証などのセキュリティ機能
  • プライバシーマークやISMSなどのセキュリティ認証の取得状況

 

適切なセキュリティ対策が講じられていれば、情報漏えいや不正アクセスなどのリスクを低減できます。

 

■料金体系

請求書受取電子化サービスの料金体系は月額制が多くなっており、受領する請求書の枚数によって料金プランが分かれています。また、プランごとに利用可能なユーザー数や機能が変わるものや、別途初期費用がかかるものもあります。毎月の受取請求書の枚数や予算をふまえて選定してください。

課題・ニーズ別に見た請求書受取電子化サービスの向き・不向きの傾向

課題・ニーズ別に見た請求書受取電子化サービスの向き・不向きの傾向

 

どのような請求書受取電子化サービスを選ぶべきかは、自社の課題によっても変わってきます。以下に課題・ニーズ別の向き・不向きの傾向をまとめました。

 

課題・ニーズ

向き・不向きの傾向

送付方法が異なる請求書の受領・取りまとめに時間がかかる

郵送による紙の請求書のほか、メール添付のPDFやシステムからのダウンロードで受け取る請求書の受領も代行してくれるサービスが向いている

受取請求書の仕訳・振込処理を効率化したい

請求書のデータを元に仕訳・振込データを自動作成できる請求書受取電子化サービスであれば、経理業務の工数を削減できる

請求書の処理状況を把握しづらい/請求書処理の承認回覧に日数を要する

ステータス管理やワークフロー管理の機能が強化されているサービスが適している

請求書受取電子化サービスを自社で使いこなせるか不安/どのように運用するのかイメージしづらい

導入前・運用時に適切なサポートが受けられるサービスが向いている。また、無料トライアルが利用できるサービスであれば、導入前に機能や操作方法を試すことができる

請求書受取電子化サービスの導入時に注意すべき点

請求書受取電子化サービスの導入時に注意すべき点

 

請求書受取電子化サービスを導入すると、受取請求書の処理業務フローが変わります。請求書の処理では営業・経理など部門をまたいだ連携が必要になることが多いため、関係者の理解が不足していると混乱をきたす可能性があります。

 

あらかじめ、導入後のフローや運用ルール、操作マニュアルなどを整理し、関係者に周知しておくことが大切です。

最適な請求書受取電子化サービスを見極めよう

請求書受取電子化サービスを選定する際は、必要な機能の範囲や自社の会計システムに連携できるかを確認しましょう。さらに、請求書をデータ化する精度・スピードや、セキュリティ体制、料金体系を比較検討すれば有力候補を見極めやすくなります。

 

紹介したポイントを参考に、最適な請求書受取電子化サービスを見つけてください。

請求書受取電子化 7選

1.BtoBプラットフォーム 請求書

(参照元:https://www.infomart.co.jp/seikyu/index.asp)

サービス名

BtoBプラットフォーム 請求書

キャッチフレーズ

請求書の受取・発行を電子化できるWeb請求書

サービス概要

「BtoBプラットフォーム 請求書」は、企業間で発生する請求書の受け渡し業務すべてを、ひとつのWeb(クラウド)システム上で行うことができるサービスです。
請求書の発行だけでなく受取も電子化できます。発行業務では、請求書の印刷・封入・郵送などの経費を大幅に削減でき、入金消込・督促まで一元管理できます。受取業務では、仕訳作業の大幅削減と社内承認の時短により、月次決算の早期化を実現します。取引先への支払通知書の一括送信も可能です。
請求書の電子データ化で、時間・コスト・手間のかかる経理業務を大きく改善し、テレワークなどの多様な働き方をサポートします。

運営企業

株式会社インフォマート

サービス詳細

BtoBプラットフォーム 請求書の詳細を見る

サービス資料

 

導入した企業の声

株式会社サイバーエージェント 経営システム室様:

導入目的は、保管・管理の負荷が大きい紙の請求書の電子化に踏み切るため。BtoBプラットフォーム 請求書を活用することで、請求書のリードタイムが大幅に短縮され、月次の決算作業がスピードアップしました。

 

2.Bank Invoice

(参照元:https://www.bankinvoice.com/Service/ja/)

サービス名

Bank Invoice

キャッチフレーズ

企業間取引データ共有サービス

サービス概要

Bank Invoiceを使うと、世界中の取引先とつながります。 請求書原本そのものを電子化し双方向にメールのように送受信できます。あらゆる会社との取引データは統合され、一元管理できるので経理の負荷をなくせます。電子帳簿保存法に対応し、紙やPDFによる請求書の管理や保存はもう不要。すぐに、カンタンにペーパーレス化できます。
【できること】
・企業間取引データ共有サービス
・直観的操作、マニュアルレス

(参照元:Bank Invoice株式会社 ホームページ)

向いてる形態

BtoB

機能一覧

・請求書データを作成
・1分で登録(無料)
・登録は送り手だけ
・受領もできて完全ペーパーレス化
・紙請求書のみの相手へも
・直感的・マニュアルレス
・一元管理
・紛失なし
・送信する
・コピー
・データダウンロード
・データアップロード
・社外連絡
・メモ
・全履歴
・ファイル添付
・検索、フィルタ、ソート
・無制限、工夫できる
・送信前の社外連絡
・柔軟なカスタマイズ(オプション)

価格

・価格はお問合せください

運営企業

Bank Invoice株式会社

サービス詳細

Bank Invoiceの詳細を見る

 

3.Concur Invoice

(参照元:https://www.concur.co.jp/invoice-management)

サービス名

Concur Invoice

キャッチフレーズ

請求書業務をペーパーレスに

サービス概要

Concur Invoiceは請求書の受取から入力、承認、支払までをデジタル化します。
紙の請求書の電子化およびデジタル請求書の受領により、ペーパーレスと入力自動化を実現。

【特長】
・パートナーサービス連携により、PDF・紙の請求書をAI-OCRでデジタル化
・ネットワーク化された電子取引先とはデジタルで直接連携
・請求書データをクラウド上に一元管理、PCやモバイルで、自宅や外出先から承認

(参照元:株式会社コンカーホームページ)

向いてる形態

BtoB

導入社数

約 46000 社

(2021年02月26日時点)

機能一覧

・システム連携
・柔軟なワークフロー
・発注書との照合
・軽減税率対応
・グローバル対応
・レポート

価格

・価格はお問合せください

運営企業

株式会社コンカー

サービス詳細

Concur Invoiceの詳細を見る

 

4.nakao-san

(参照元:https://www.nakao-san.com/)

サービス名

nakao-san

キャッチフレーズ

見積書、請求書の作成・受取り管理サービス

サービス概要

見積書、発注書、請求書の作成から受取りまで全部をかんたんに。

【4つの特長】
・かんたん作成:事前に登録した宛先・商品から、複製から、簡単に作成できます。定期発行も可能です。
・かんたん共有:簡単操作でPDF化・社内外への共有が可能です。郵送代行機能もあります。
・かんたん管理:書類は一覧表示。検索・並び替えも簡単にできます。タグ・検索・メモなどの管理機能も充実しています。
・かんたん変換:見積書からクリックひとつで請求書に変換することができます。

(参照元:株式会社イマココ ホームページ)

向いてる形態

BtoB/BtoC

機能一覧

・作成
・定期発行
・受取
・管理
・送信
・やりとり
・登録
・ワークフロー
・チーム共有

価格

・個人プラン  0円 / 1アカウント・月額
・ベーシックプラン  4,980円 / 4アカウント・月額
・ビジネスプラン  価格はお問合せください

運営企業

株式会社イマココ

サービス詳細

nakao-sanの詳細を見る

 

5.CPQ Cloud

(参照元:https://www.oracle.com/jp/cx/sales/cpq/)

サービス名

CPQ Cloud

キャッチフレーズ

収益と利益を増やし、営業業務を合理化しましょう

サービス概要

収益と利益を増やし、営業業務を合理化しましょう。Oracle CPQを使用してビジネスルール、製品データ、価格情報、値引き管理、契約、更新を一元化することで、営業業務を加速し、ビジネス結果を改善します。しかも、適切な製品を適切な価格で自動的に提供し、承認プロセスを自動化してセールスサイクルを短縮できます。
(参照元:日本オラクル株式会社ホームページ)

向いてる形態

BtoB

機能一覧

・自動構成
・リアルタイムの価格設定
・便利な見積もり
・エンド・ツー・エンドの統合

価格

・価格はお問合せください

運営企業

日本オラクル株式会社

サービス詳細

CPQ Cloudの詳細を見る

 

6.バクラク請求書

(参照元:https://bakuraku.jp/invoice)

サービス名

バクラク請求書

キャッチフレーズ

請求書処理を、手入力ゼロに。処理時間を70%削減

サービス概要

煩雑な請求書処理に課題を感じていませんか?
バクラク請求書はAIにより請求書受取業務のプロセスを圧倒的に効率化します。サービスの特徴は以下の3点。
⑴AI-OCRが請求書を5秒でデータ化
様々なフォーマットの請求書を5秒で高精度のデータ化が可能。10枚以上の請求書を同時アップロードしても一瞬で各項目の読み取りを実現。
⑵仕訳データを自動学習、 手入力ゼロへ​
一度登録されたデータを学習し仕訳を自動生成。様々な会計システムのフォーマットに対応。源泉税レポートや月次の支払レポートも作成。
⑶改正電子帳簿保存法に対応
バクラク請求書は改正電子帳簿保存法のシステム要件に対応。

向いてる形態

BtoB/BtoC

導入企業の傾向

会計ソフトを活用している企業

機能一覧

・AI-OCRによる自動読み取り機能

価格

・スターター  価格はお問合せください / 月

運営企業

株式会社LayerX

サービス詳細

バクラク請求書の詳細を見る

サービス資料

 

導入した企業の声

ファインディ株式会社 管理部 小林孝宏様:

導入目的は、事業の成長に伴い支払先が増加して、請求書の整理と仕訳の入力にかなりの時間がかかっていたため。バクラク請求書を活用することで、請求書の処理時間が、半分程度になったと感じております。

 

7.インボイス

(参照元:https://gi.invoice.ne.jp/)

サービス名

インボイス

キャッチフレーズ

インボイスは、通信費目の専門家。

サービス概要

請求書は、宝の山。読み解くことで、経営上の課題が見えてきます。
インボイスは、バラバラに届く通信費の請求書を1本化・見える化することで、
「コスト削減」と「経理業務の効率化」の両面から、貴社の経営改善に貢献します。

【特長】
・経営改善
・コスト削減
・経理業務の効率化

(参照元:株式会社インボイスホームページ)

向いてる形態

BtoB

導入社数

約 17128 社

(2020年03月31日時点)

価格

・価格はお問合せください

運営企業

株式会社インボイス

サービス詳細

インボイスの詳細を見る