従業員満足度調査ツール(組織診断サーベイ)は、従業員のリアルな声や評価を収集して組織改善や定着率の向上に役立てられるツールです。多様な機能を備えたタイプが提供されているため、選定する際は自社にマッチするサービスを見極めることが重要です。ここでは、従業員満足度調査ツールを選ぶ際の比較ポイントと導入時の注意点を解説します。
また、導入実績の多い代表的な従業員満足度調査ツールをご紹介します。自社の課題や目的に照らし、適切なサービスを見つけてください。
従業員満足度調査ツールの比較方法・選び方
従業員満足度調査ツールを比較選定する際のポイント
従業員満足度調査ツールを選ぶ際の比較ポイントは、次の5つです。
- ツールのタイプは自社に合っているか
- 特色が自社のニーズにマッチしているか
- 効率的にアンケートを実施できるか
- サポートサービスは充実しているか
- 料金体系は自社に合っているか
■ツールのタイプは自社に合っているか
従業員満足度(ES)を測定できるツールは、従業員満足度調査ツールのほか、サーベイ機能を備えた人事系システムやアンケートツールがあります。それぞれに特徴や利点が異なるため、自社の導入目的に応じて選ぶ必要があります。
人事・労務管理システムやタレントマネジメントシステムなどの人事系システムは、人事関連業務の一環として組織サーベイ(組織診断 サーベイ)を行う機能を備えたものが提供されています。アンケートツールの場合は、従業員満足度にくわえ、CS(顧客満足度)に関する調査も行えるなど、多様なアンケートを作成できるという特徴があります。
従業員満足度調査専用のツールは、従業員満足度(ES)を組織改善に活かすための機能に特化しているのが特徴です。たとえば、組織診断や分析・レポート機能が充実しているといった独自の強みがあります。定期的に従業員満足度を計測して組織力向上に役立てたいという場合は、専用ツールを選択することをおすすめします。
なお、本記事での解説は従業員満足度調査に特化したツールに的を絞って進めます。
■特色が自社のニーズにマッチしているか
従業員満足度調査ツールは多様なタイプが提供されているため、まずはツールごとの特色をチェックしましょう。次のような特色・特徴を比較して、自社のニーズにマッチするサービスを検討してください。
- 離職理由の調査に力を入れている
- 同業他社とのデータ比較ができる
- ベンダーによる従業員インタビューを行っている
- 特定業種に特化している
上記のような特色のほか、どういったコンセプトでサービスを提供しているのか、ES調査の設問はどのように設計しているのかといった点もチェックしておきましょう。自社の経営方針や考え方とマッチするかという観点から比較することで、導入の失敗を避けることができます。
■効率的にアンケートを実施できるか
従業員満足度調査ツールの利点の1つに、アンケート実施および結果分析の手軽さがあげられます。ただし、このメリットを享受するには自社に必要な機能を搭載しているツールを選定しなければなりません。機能面の主な比較ポイントには、次の5点があげられます。
- アンケートを定期的に自動配信できるか
- 業務で利用しているツール(メール・チャットなど)で各種通知を送信できるか
- ダッシュボードは見やすく設計されているか
- アンケートの回答状況や集計結果をリアルタイムでチェックできるか
- アンケート結果の自動分析やクロス分析は可能か
上記のほか、外部システムとの連携機能や管理者向けの機能、セキュリティ機能なども比較しておきましょう。また、分析データのエクスポート機能や多言語表示機能なども必要に応じてチェックしてください。
■サポートサービスは充実しているか
従業員満足度調査ツールを有効活用するには、ベンダーによるサポートが欠かせません。サービス選定ではオプションやサポートサービスの充実度を比較し、自社で活用しやすいツールを選定しましょう。従業員満足度調査ツールのオプション・サポートには、次のようなものがあげられます。
- サポートスタッフによるツール活用支援
- 手動での結果分析・詳細レポート作成
- 専門家によるコンサルティング・アクションプラン提案
- 管理職向けのセミナー・ワークショップ
上記のほか、産業医の紹介や動画教材の提供といった独自のサービスを提供しているベンダーもあります。自社にはどのようなサポートが必要かを検討した上で、適切なサービスを選定しましょう。
■料金体系は自社に合っているか
従業員満足度調査ツールの料金体系は、利用者1人あたりの料金が設定されている従量制と、一定人数まで同額で使える定額制の2種類が多くなっています。また、定額制のサービスの中にも、利用者数上限の異なるプランを複数用意しているタイプ、一定人数以上の利用に追加料金を要するタイプが見られます。
上記のような料金体系の違いは、ツールの利用コストを左右する重要な要素です。サービス選定時に大まかな費用を試算して、料金が割高にならないか確認しておきましょう。
なお、従業員満足度調査ツールの料金相場は、利用者1人あたり300〜800円程度です。料金比較を行う際は、基本料金に含まれるサービス内容のほか、オプション料金、初期費用の有無などもチェックしてください。
課題・ニーズ別に見た従業員満足度調査ツールの向き・不向きの傾向
自社が抱える課題や要望によって、利用に向く従業員満足度調査ツールのタイプが変わります。次の表を参考にして、どのようなタイプのツールが自社に適するか検討してください。
課題・ニーズ |
向き・不向きの傾向 |
---|---|
時期により従業員数が変動する / 従業員数が数名〜数十名と少ない / 一部の部署やチームで利用したい |
・利用者1名あたりの料金が設定されている従量課金制ツールは時期に応じて費用を調整しやすく、少人数で利用したい場合も無駄が少ない ・人数単位に余裕があり、割高感のないツールを検討する |
スモールスタートしたい / 試しに使ってみたい |
・初期費用無料、最低利用期間がない、無料期間があるなどの特徴を備えたツールを試用し、自社に合っている場合は本格導入するとよい |
人事担当者が少ない / サーベイ担当チームを組める人的リソースがない |
・導入支援や運用支援などのサポートサービスが充実しているツール |
テレワーク中のサーベイに適するツールを探している |
・従業員が自身の分析結果を閲覧できるツールは、出社せずに分析結果をセルフチェックできる ・閲覧権限の設定自由度が高いツールはテレワークの管理者が部下の分析結果を閲覧しやすい ・レスポンシブデザインに対応するツールはテレワークやリモートワークでスマホやタブレットを使っている場合にも回答しやすい |
従業員満足度調査ツールの導入時に注意すべき点
従業員満足度調査ツールは組織改善に役立つ反面、使い方によっては従業員にストレスを与えてしまう可能性がある点に注意が必要です。ツールの導入および運用は、次のポイントを意識して進めるようにしましょう。
- 調査目的や活用方法を従業員に周知し理解を得ておく
- 業務に支障が出ないようにサーベイの実施頻度や設問数を調整する
- 従業員へのフィードバックを怠らない
調査目的や活用方法を明示せずにサーベイを実施すると、人事評価への影響を懸念されるなど、従業員から本音を引き出せない可能性が生じます。また、サーベイの実施頻度が高すぎると、従業員が負担に感じてしまうため要注意です。
サーベイ実施後のフィードバックを怠った場合は、「何のために回答したのかわからない」「形だけの調査なのでは?」といった懸念を従業員に持たれる可能性があります。組織サーベイの実施により従業員満足度が下がっては本末転倒です。従業員満足度調査ツールを利用する際は、従業員の心理と負荷に気を配り、次のアクションプランにつなげることを心がけましょう。
従業員満足度調査ツール活用に動き出そう
従業員満足度調査ツールの導入を成功させるには、まず特徴や機能などを比較して自社のニーズに合うツールを選定することが肝要です。ツール導入やサーベイ実施に際しては、従業員からの協力を得られるように配慮しましょう。以上を踏まえて、具体的なサービス選定へ進んでください。
従業員満足度調査ツール 12選
1.ハタラクカルテ
(参照元:https://hataraku-karte.jp/)
[service_id:2054]
2.Geppo
(参照元:https://www.geppo.jp/)
サービス名 |
Geppo |
キャッチフレーズ |
個人と組織の課題を 見える化する |
サービス概要 |
「個人サーベイ」と「組織サーベイ」を低コストで。 |
向いてる形態 |
BtoB/BtoC |
機能一覧 |
・個人サーベイ |
価格 |
・〜25人 20,000円 / 月額 |
運営企業 |
|
サービス詳細 |
3.組織感情診断
(参照元:https://www.j-feel.jp/program/dn4qbpc7z)
サービス名 |
組織感情診断 |
キャッチフレーズ |
職場毎の組織感情状態の見える化 |
サービス概要 |
組織感情診断は、職場を対象にした組織診断ツールです。業績が上がっていても、メンバーが負の感情のサイクルに入っていたら、成果は持続しません。組織の感情状態を適正化するための仕組みが必要です。 |
向いてる形態 |
BtoB/BtoC |
価格 |
・職場レポート 50,000円 / 職場毎 |
運営企業 |
|
サービス詳細 |
4.ラフールサーベイ
(参照元:https://survey.lafool.jp/)
サービス名 |
ラフールサーベイ |
キャッチフレーズ |
組織を良くするのならまずは従業員の心身の健康把握を |
サービス概要 |
ラフールサーベイでできること |
向いてる形態 |
BtoB/BtoC |
導入社数 |
約 550 社 (2021年02月21日時点) |
機能一覧 |
・ショートサーベイ |
価格 |
・初期費用 100,000円 / 初期費用 |
運営企業 |
|
サービス詳細 |
5.スマレビ for ES
(参照元:https://www.hrm-service.net/organizationsurvey/)
サービス名 |
スマレビ for ES |
キャッチフレーズ |
組織を可視化する決定版 |
サービス概要 |
【特徴】 |
向いてる形態 |
BtoB/BtoC |
機能一覧 |
・必要な項目で自由に設定できるフォーム形式 |
価格 |
・基本料金 180,000円 / 回答者100人まで含む |
運営企業 |
|
サービス詳細 |
6.wevox
(参照元:https://get.wevox.io/)
サービス名 |
wevox |
キャッチフレーズ |
すべてはエンゲージメントと向き合うために。 |
サービス概要 |
wevoxは、ワークエンゲージメント・従業員エンゲージメントの可視化から |
向いてる形態 |
BtoB/BtoC |
機能一覧 |
・かんたん配信 |
価格 |
・Basic Plan 300円 / 月額(ユーザー) |
運営企業 |
|
サービス詳細 |
7.HR Ring(HRリング)
(参照元:https://www.kakehashi-skysol.co.jp/hr-ring_lp/)
サービス名 |
HR Ring(HRリング) |
キャッチフレーズ |
社員の不調と離職の兆しをキャッチする。 |
サービス概要 |
「HR Ring」は 3000社の人材コンサルティング経験のもと、 |
向いてる形態 |
BtoB/BtoC |
機能一覧 |
・パルス |
価格 |
・ライセンス価格 960,000円 / ライセンス |
運営企業 |
|
サービス詳細 |
8.組織サーベイ・従業員意識調査(VOISE)
(参照元:https://www.vector-up.com/service/analyze_strategy/survey-2)
サービス名 |
組織サーベイ・従業員意識調査(VOISE) |
キャッチフレーズ |
組織サーベイ・従業員満足度調査 |
サービス概要 |
【特徴】 |
向いてる形態 |
BtoB/BtoC |
機能一覧 |
・多面的な分析の切り口 |
価格 |
・価格はお問合せください |
運営企業 |
|
サービス詳細 |
9.モチベーションクラウド
(参照元:https://www.motivation-cloud.com/)
サービス名 |
モチベーションクラウド |
キャッチフレーズ |
組織の課題が一目瞭然 |
サービス概要 |
モチベーションクラウドは、 |
向いてる形態 |
BtoB/BtoC |
導入社数 |
約 6620 社 (2021年02月21日時点) |
機能一覧 |
・アンケートを実施 回答に必要なのはたったの20分 |
価格 |
・価格はお問合せください |
運営企業 |
|
サービス詳細 |
10.リアルワン
(参照元:https://www.realone-inc.com/)
サービス名 |
リアルワン |
キャッチフレーズ |
成長する組織の健康診断 |
サービス概要 |
科学的根拠に基づく信頼性の高い調査を行い、 |
向いてる形態 |
BtoB/BtoC |
機能一覧 |
・リアルワンの従業員満足度調査(ES調査) |
価格 |
・価格はお問合せください |
運営企業 |
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サービス詳細 |
11.MSQ組織分析
(参照元:https://hr.jtbcom.co.jp/program/msq_motivation_shindan-2/)
サービス名 |
MSQ組織分析 |
キャッチフレーズ |
やる気分析システム |
サービス概要 |
【特徴】 |
向いてる形態 |
BtoB/BtoC |
価格 |
・価格はお問合せください |
運営企業 |
|
サービス詳細 |
12.Motify HR
(参照元:https://motifyhr.jp/)
サービス名 |
Motify HR |
キャッチフレーズ |
従業員のエンゲージメントを最大限に引き出す |
サービス概要 |
MotifyHR(モティファイ エイチアール)は、従業員同士のコミュニケーションや上司・部下、その両方へのフィードバックを自動化し、パフォーマンスの高い企業文化の創造を支援します。 |
向いてる形態 |
BtoB/BtoC |
機能一覧 |
・トーク |
価格 |
・初期費用 300,000円 / から(社) |
運営企業 |
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サービス詳細 |