社内に散在するナレッジの共有を促し、暗黙知から形式知へと進化させるナレッジマネジメントツール。業務プロセスの改善にくわえ、能力開発や意思決定スピードの向上など、さまざまな場面で役立つツールです。ここでは、ナレッジマネジメントツールの機能と実現できること、導入メリットを説明します。

ナレッジマネジメントツールの導入を検討している方は以下の記事も参考にしてください。

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ナレッジマネジメントツールとは

ナレッジマネジメントツールとは

 

ナレッジマネジメントとは、社員が持つ知識やノウハウを収集・共有し、事業運営に役立てることをいいます。ナレッジマネジメントに役立つツール全般を、ナレッジマネジメントツール(ナレッジマネジメントシステム)と呼びます。

 

どのような職種にも、社員が独自の経験から得た暗黙知があるものです。ベテラン社員が身に付けた有効な作業手順や営業手法などがこれにあたります。継承されないままとなっている暗黙知を形式知に変換し、社内での共有を促進することがナレッジマネジメントの目的です。

 

ナレッジマネジメントに役立つツールは多種類あり、オンラインストレージや社内SNSのほか、営業プロセスを可視化するSFA、顧客情報を管理するCRMもナレッジマネジメントツールに数えられます。ここでは、ナレッジマネジメントツールの定義を「ナレッジ共有に特化したツール」に絞って、解説を進めます。

ナレッジマネジメントツールで実現できること

ナレッジマネジメントツールで実現できること

 

ナレッジマネジメントツールの導入により実現できることは、以下の4つです。

暗黙知を手早く文書化

ナレッジマネジメントツールには、手軽に使える文書作成機能が備わっています。社員の暗黙知を手早く文書化して、ツール上に公開することが可能です。

 

  • 装飾や画像の入ったドキュメントを簡単に作成
  • テンプレートを使った統一感ある文書作成も可能
  • 書き途中の文書やメモを投稿して、共同編集やブラッシュアップすることも可能

素早く効率的な情報共有

ナレッジマネジメントツールで作成した文書は、チームで素早く共有できます。検索機能が備わっているため、欲しい情報へのアクセスも簡単です。

 

  • 新規投稿をチームメンバーに通知
  • 一部文書の社外公開も可能
  • キーワード・タグ・カテゴリなどの要素から手早く情報検索

チームのコミュニケーションを活性化

ナレッジマネジメントツールには、コミュニケーション機能が備わっています。ツール上でフィードバックや議論を行い、情報をブラッシュアップすることが可能です。

 

  • ドキュメントにコメントを入力
  • メンション機能で特定メンバーにコメントを通知
  • リアクション機能による手軽なコミュニケーション

連携機能による業務効率化

ナレッジマネジメントツールには、外部サービスとの連携機能が備わっています。常用しているサービスと連携させて、業務を効率化させることが可能です。

 

  • チャットツールやタスク管理ツールと連携
  • アクティビティ(文書投稿やコメントなど)をチャットツールに通知

ナレッジマネジメントツールの導入で得られる効果

ナレッジマネジメントツールの導入で得られる効果

 

ナレッジマネジメントツールの導入により期待されるメリットには、以下の4点が挙げられます。

業務の属人化を解消

個々の社員が持つ知恵やノウハウを共有することが、属人化解消への第一歩です。一歩を踏み出すには、ナレッジ共有の媒介となる文書作成のハードルを下げなければなりません。

 

ナレッジマネジメントツールには、手軽に文書作成・公開を行うための工夫がなされています。マークダウン記法や書きかけの文書を共有する機能の採用など、工夫の仕方はツールによりさまざまです。

 

文書作成のハードルが下がれば、社員がナレッジ共有に参加しやすくなり、自ずと属人化の解消が進みます。

業務効率化と生産性向上

ナレッジマネジメントツールによる知識の共有が進むと、情報確認に割く時間が短縮されます。各社員が自力で情報検索できるようになれば、問い合わせを受ける側の社員の負担も減少します。結果的に業務効率化が進み、ひいては生産性向上につながります。

社員教育を効率化

ナレッジマネジメントツールは、新入社員の教育にも役立ちます。自社の規則や基本的な業務の進め方などをツールに投稿しておくことにより、新入社員向けの自習環境をつくることが可能です。社員教育を効率化し、通常業務と社員指導のバランスを取りやすくなります。

社員のコミュニケーションを促進

ナレッジマネジメントツールの使い方は自由です。ナレッジ共有だけでなく、社員のコミュニケーション促進に活用している企業も少なくありません。ゆるい内容の投稿を行ったり、ライフハックを紹介したりと、ツールの使い方は企業によってさまざまです。

 

上記のような使い方は、ナレッジマネジメントツールの特色である文書作成の手軽さを活かしたものです。社内Wikiでも情報共有は可能ですが、コミュニケーションツールという役割においては不向きといえるでしょう。

 

ナレッジマネジメントツールでの気軽な意思疎通が議論に発展し、新たなナレッジを生み出すケースも少なくありません。手軽に文書を作成し、コメントやリアクションを行える利便性が、企業にメリットをもたらします。

ナレッジマネジメントツールの機能一覧

ナレッジマネジメントツールの機能一覧

 

ナレッジマネジメントツールの主要機能を表にまとめました。

 

機能

特徴

文書作成機能

・テンプレートを使った文書作成

・マークダウン記法による文書作成

・画像や動画を簡単に挿入

・複数ユーザーで同時編集

ナレッジ共有機能

・社内全体でナレッジ共有

・グループ内でナレッジ共有

・一部ナレッジを外部に公開

コミュニケーション機能

・投稿にコメントを記入

・投稿にリアクション

通知機能

・新規投稿を通知

・特定メンバーにコメントを通知(メンション機能)

検索機能

・キーワード検索

・タグ検索

・グループ検索

・メンバー検索

・絞り込み検索

セキュリティ機能

・SSL暗号化通信

・アクセス制限(ツールにアクセスできるIPアドレスを制限)

管理機能

・ユーザーアカウント管理

・グループ管理

・アクセス解析(文書の閲覧状況確認に使用)

・外部データをインポート

・文書をエクスポート

連携機能

・外部ツール(チャットツール、タスク管理ツールなど)と連携

・API連携

ナレッジマネジメントツールの選定を始めよう

ナレッジマネジメントツールの導入により、社内における知識・ノウハウの共有を促進できます。ひいては業務の属人化を解消することが可能です。社員のコミュニケーション促進にも、ナレッジマネジメントツールは役立ちます。ただし、ツールの選定では、自社の導入目的に照らし合わせて機能を吟味することが肝要です。

 

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