リード獲得からナーチャリング、商談化までの業務効率化に役立つインサイドセールスツール。一般的にはMAツールやSFA、CRMなどを指すことが多く、施策の自動化や顧客情報の一元管理を実現化します。本記事では、インサイドセールスツールで実現できることや機能一覧、導入するメリット・効果を紹介します。
インサイドセールスツールの導入を検討している方は以下の記事も参考にしてください。
インサイドセールスツール 49選|比較・選定ポイントとおすすめ「インサイドセールスツール」の特徴
インサイドセールスツールとは
インサイドセールスとは、メールや電話、Web会議ツールなどを用いて顧客にアプローチをする内勤型の営業スタイルです。
一般的には、見込み顧客(リード)の課題・ニーズのヒアリングからナーチャリング、商談のアポイント獲得までを担い、提案・クロージングはフィールドセールス(外勤営業)に引き継ぐ分業型をとるケースが多くなっています。ただし、現在では非対面営業スタイルが広がり、インサイドセールスでクロージングまで行うケースも増えつつあります。
インサイドセールスツールとは、インサイドセールスを円滑に行うための各種ツールの総称で、主に以下のものが挙げられます。
- MA(Marketing Automation)ツール
- SFA(営業支援ツール:Sales Force Automation)
- CRM(顧客管理ツール:Customer Relationship Management)
- Web会議システム
インサイドセールスの活動は、緻密なプロセス管理が求められるため煩雑になりがちです。インサイドセールスツールを活用すれば、様々なリード情報の一元管理やマーケティング施策の自動化などを実現でき、一連の営業プロセスがスムーズになります。
インサイドセールスツールで実現できること
MAツールやCRM、SFAといったインサイドセールスツールには、マーケティングや営業活動を効率化する様々な機能が備わっています。また、Web会議システムは非対面営業に必須のツールです。代表的な4つのツールで実現できることを紹介します。
MAツール:マーケティング施策の自動化・最適化
MAツールは、見込み顧客(リード)の獲得・育成にまつわる施策を自動化できるツールです。あらかじめ施策実行のシナリオを設定することで、リードの行動や検討状況に合わせて施策を自動化・最適化できます。また、行動履歴などでスコアリングし、検討度合いが高いリードを選別することも可能です。
SFA:案件・商談の進捗管理
SFAは、営業活動や顧客情報の管理を行う営業支援ツールです。案件の進捗状況やリードの属性情報、アポイント数、商談内容などを一元管理する機能が備わっています。インサイドセールスとフィールドセールスの担当者・上司とリアルタイムに情報共有することができます。
CRM:顧客データの管理・分析
CRMは、様々な顧客情報を統合・管理し、顧客との良好な関係性構築のために活用するマネジメントツールです。顧客の属性情報だけではなく、問い合わせ・面談などの対応履歴や購買履歴なども蓄積することが可能です。収集した顧客データを分析することで、検討度合いの高いリードを抽出し、適切なアプローチ・提案につなげます。
また、多くのCRMにはメール配信機能やSNS連携機能などマーケティングを支援する機能も備わっています。
Web会議システム:対面と遜色のない遠隔コミュニケーション
Web会議システムは、オンラインでコミュニケーションや情報共有を行うツールです。インターネット回線を通じて遠隔にいる相手と映像・音声を結ぶことができ、複数人での打ち合わせ・商談も可能です。また、画面上で資料等を共有できるため、対面と遜色のないアプローチが実現できます。
インサイドセールスツールの導入で得られる効果
インサイドセールスツールを導入することで、以下の効果・メリットが期待できます。
営業プロセスの可視化・属人化防止
従来、営業活動は個々の担当者に一任されていたため、プロセスがブラックボックス化しやすく、顧客情報やノウハウも属人化していました。SFAやCRMといったインサイドセールスツールを導入すれば、リード・顧客情報や案件の進捗状況を可視化・共有することができ、業務の属人化を防ぐことができます。
One to Oneマーケティングを実現
ニーズが多様化している市場環境では、リード・顧客一人ひとりに最適なアプローチを行うことが重要です。MAツールを用いれば、リードをセグメントし、メール配信などの施策やアプローチをパーソナライズ化させることができます。
業務効率化・コスト削減
Excelなどで顧客情報や案件の進捗状況を管理している場合、運用が煩雑になりやすく、ヒューマンエラーも起こりがちです。インサイドセールスの活動にSFAやCRMを導入すれば、リード情報や日々の活動状況を一元管理してリアルタイムに共有できます。
また、訪問ベースの営業活動では多くの案件に対応することが難しく、移動や宿泊にかかるコストが膨らみがちです。Web会議システムであれば、遠方の見込み顧客にもアプローチしやすく、商談数アップを図りやすくなります。移動・出張に伴う交通費や人件費も削減できます。
インサイドセールスツールの機能一覧
代表的なインサイドセールスツールの機能例をツール別にまとめました。ただし、どの機能が搭載されているかはツールによって異なります。選択の際は注意しましょう。
<MAツール>
機能 |
内容 |
---|---|
見込み客の管理 |
見込み客の属性や行動履歴など顧客に関する情報を一元管理する。オフラインで獲得した顧客情報を蓄積することも可能 |
スコアリング |
蓄積した情報や行動履歴から見込み度を数値化してスコアリングする。BtoBの場合は、法人ごとにスコアリングすることも可能 |
シナリオ作成 |
見込み客がある行動を取ったら次にこのアクションを実行するというように、自動化のシナリオを作成する |
メールマーケティング |
設定したシナリオに基づいてメールを配信する。ステップメールやHTMLメール、レコメンドメールなど、さまざまな種類のアプローチが可能。顧客別の出し分け、ABテストなどもできる |
他の機能もチェックしたい場合は、以下の記事をご参照ください。
MAツールとは|マーケティングオートメーションツールの実現できること・機能一覧・導入のメリット
<SFA>
機能 |
内容 |
---|---|
案件管理 |
案件ごとの進捗状況を管理する。主な項目は提案商品・サービス、進捗状況、受注確度、受注見込み額など |
商談管理 |
商談履歴や先方の担当者、提案内容、課題などを集約し、進捗状況を管理する |
活動管理 |
営業担当者の活動状況(アポイント数や訪問数、提案商材数、成約数など)を数値化し、時系列で管理する |
予実管理 |
営業担当別・顧客別・期間別・商材別など各種別における予実管理をする。各案件の受注見込み額を積み上げて売上予測を立てることが可能 |
顧客情報管理 |
顧客の社名や所在地、従業員数、連絡先、担当者、決裁者などの基本情報を管理する |
他の機能もチェックしたい場合は、以下の記事をご参照ください。
SFA(営業支援システム)とは|営業支援ツールの機能一覧・導入メリット・実現できること
<CRM>
機能 |
内容 |
---|---|
顧客情報管理 |
会社名、氏名、所在地、電話番号、メールアドレスなどの属性情報を管理する |
問い合わせ情報管理 |
顧客からの問い合わせ日時・内容や対応内容を管理する |
顧客分析 |
顧客を属性や取引額などで分類し顧客理解を深める。デシル分析やREM分析などさまざまな分析手法がある |
メール自動配信 |
見込み客や既存顧客にメールを自動配信する。同じメールを顧客全員に一斉送信できるほか、対象者を絞ってステップメールやフォローメールを送信することも可能 |
他の機能もチェックしたい場合は、以下の記事をご参照ください。
CRMとは|CRMツール・システムの機能一覧・導入メリット・実現できること
<Web会議システム>
機能 |
内容 |
---|---|
会議・コミュニケーション機能 |
・カメラ映像と音声を会議参加者で共有 ・会議の進行に合わせて画面レイアウトを変更 ・チャット機能(会議参加者間でテキスト会話) ・メッセージ機能(特定参加者へメッセージを送信) ・アンケート機能(投票・ヒアリングなどに活用) |
情報共有機能 |
・各種資料(Excel、PDF、PowerPointなど)を共有 ・ホワイトボード機能(フリーハンドの書き込みができる資料画像を表示) ・発表者のデスクトップ画面を共有 ・共有中の画面にポインターを表示 ・参加者のPCを遠隔操作 ・メディアファイル(映像・音声)を会議参加者へ配信 |
記録機能 |
・会議中の画面と音声を記録 ・資料編集履歴を保存 ・個人メモを保存 |
他の機能もチェックしたい場合は、以下の記事をご参照ください。
Web会議システム・オンライン会議アプリとは|機能一覧・導入のメリット・実現できること
インサイドセールスツールで営業活動を効率化
インサイドセールスの活動をサポートするツールは多岐にわたり、代表的なものにはMAツールやSFA、CRM、Web会議システムなどがあります。インサイドセールスツールを活用すれば、煩雑な営業プロセスが可視化され、関係者とリアルタイムに情報共有をしながら効率的・戦略的にアプローチできるようになります。
インサイドセールスツールの導入を検討している方は以下の記事も参考にしてください。
インサイドセールスツール 49選|比較・選定ポイントとおすすめ「インサイドセールスツール」の特徴