営業プロセスや顧客情報の一元管理により、営業活動の効率化・最適化を実現するSFA(営業支援システム)。属人化を防ぎ、組織全体の営業力を強化できるツールとして注目が高まっています。記事では、SFAの導入によって実現できることや期待できる効果、主な機能を紹介します。
SFAの導入を検討している方は以下の記事も参考にしてください。
SFA(営業支援システム) 43選|比較・選定ポイントとおすすめ「営業支援ツール」の特徴や活用事例
SFAとは
SFAとは、営業活動や顧客情報の管理を行う営業支援ツールです。Sales Force Automationの略語で、SFAツールやSFAシステムとも呼ばれています。
SFAは1990年代に米国で登場しました。属人化することが多い営業活動を仕組み化することで、組織全体の営業力強化につながるとして日本でも普及が進みました。
SFAはCRM(顧客管理システム)と混同されることがありますが、CRMは顧客情報をベースとするシステムです。顧客にかかわる情報を一元管理することで、営業・マーケティング・サポート業務などの各部門において、質の高い提案や対応につなげることが主目的です。
一方、SFAは営業活動をベースにするシステムです。営業プロセスを可視化・分析し、生産性や効率性を高めることが主目的となります。ただし、顧客情報を管理するという点で共通することから、現在ではSFAとCRMの機能を融合したサービスが多く提供されています。
SFAで実現できること
SFAの導入により実現できることは、以下の4つです。
営業活動の管理
SFAには、営業活動を管理する機能が備わっています。アポイント、商談、受注といった各プロセスを可視化し、効率的な営業活動を支援します。たとえば、優先すべき顧客への訪問ができていない、提案商材に偏りがあるといった問題を客観的に把握できるため、より生産性の高い営業活動へとチューニングすることが可能です。
また、SFAにはスケジュールやタスク管理、日報・週報などの報告業務を支援する機能が搭載されています。報告・連絡・相談をシステム上でできるため、営業担当・マネジメント層ともに、これまでかかっていた手間や時間を軽減することができます。ログが残るため、コミュニケーションロスによる人的ミスの防止につながります。
案件・案件の管理
SFAでは、営業担当が抱えている案件・商談の進捗管理ができます。提案商材、商談のフェーズ、見込み角度、見込み金額などの情報が集約されるため、進捗に停滞がないか、次に取るべきアクションは何かといったことを客観的に把握することが可能です。問題点があれば、すぐに改善策を打てるため、着実に業績向上へとつなげられます。
顧客情報の管理
SFAでは、顧客の属性情報や売上推移、商談履歴など、さまざまな顧客情報を一元管理できます。これらのデータから見込み度や優先度を分析し、戦略的な営業活動に活かすことが可能です。
予実管理
SFAには予実管理ができる機能が備わっています。営業担当別・顧客別・商材別などでデータ抽出することが可能です。見込み受注額を入力すれば、リアルタイムで売上予測もできます。
SFAの導入で得られる効果
営業活動の可視化
従来、顧客情報や案件・商談情報の管理は個々の営業担当者に任されていることが多く、営業プロセスはブラックボックス化していました。
SFAを導入することで顧客情報や営業プロセスが可視化されるため、顧客の状態や商談の進捗状況を一目で把握できるようになります。プロセスにおける問題点も早期に発見できるため、顧客視点に立った合理的な営業活動を実現できます。
営業活動の効率化
SFAを導入することで、日々の営業活動をリアルタイムで反映・共有できるようになり、営業担当・マネジメント層ともに、報告・確認・相談にかかる時間・労力を減らすことができます。
また、モバイル端末対応のシステムであれば、外出先から商談情報や顧客の要望・課題などを入力することも可能。上司やチームメンバーとスピーディーに情報を共有できます。蓄積されたデータはSFAで自動集計・グラフ化されるため、資料作成の手間も省けます。
顧客満足度の向上/クレーム防止
顧客情報や商談情報が適切に管理・共有されていないと、営業担当者の異動や退職時に情報がうまく引き継がれず、クレームにつながることがあります。SFAを活用すれば、商談の進捗状況や顧客の要望を他のメンバーも閲覧できるため、担当者が不在でも適切に対応できます。
また、SFAによって営業活動が効率化すれば、顧客とのコミュニケーションや提案業務などのコア業務に時間を費やせるようになります。対応や提案の質が向上することで、顧客満足度の向上が期待できます。
営業活動の標準化
営業活動におけるナレッジ・ノウハウは個人に属するケースが多く、個々の業績差を大きくする要因となっています。とくに、属人化が見られる営業組織において、その傾向は顕著です。
SFAを活用すれば営業活動を客観的に分析できるため、ベストプラクティスの仕組み化・共有が可能です。蓄積された情報は資産となり、自社の競争優位性を生み出します。また、人材育成のスピード向上やコスト削減にも貢献します。
SFAの機能一覧
SFAの主な機能を以下にまとめました。
機能 |
内容 |
---|---|
案件管理 |
案件ごとの進捗状況を管理する。主な項目は提案商品・サービス、進捗状況、受注確度、受注見込み額など |
商談管理 |
商談履歴や先方の担当者、提案内容、課題などを集約し、進捗状況を管理する |
営業プロセス管理 |
営業担当者の活動状況(アポイント数や訪問数、提案商材数、成約数など)を数値化し、時系列で管理する |
予実管理・売上予測 |
営業担当別・顧客別・期間別・商材別など各種別における予実管理をする。各案件の受注見込み額を積み上げて売上予測を立てることが可能 |
顧客情報管理 |
顧客の社名や所在地、従業員数、連絡先、担当者、決裁者などの基本情報を管理する |
名刺管理 |
名刺データを一括管理する。スキャニングするとエクセルやCSVファイルに名刺情報が自動入力されるツールもある |
スケジュール管理 |
各担当者の行動予定を管理する |
タスク・ToDo管理 |
案件を進める際にやるべきタスクをリスト化する |
アラート機能 |
活動が滞り、放置されている案件を通知する |
見積書の作成・承認申請 |
見積書のテンプレートの作成・登録や、上司への承認申請を行える |
集計・分析機能 |
売上実績や見込み額、予算比などを自動的に集計・レポート化する。営業担当者別、案件別、商材別など条件別にデータを抽出することも可能 |
外部システムとの連携 |
MA、CRMツール、メーラーなど他のシステムと連携できる |
どの機能が搭載されているかはツールによって異なります。SFAツールを選択する際は、必要な機能が備わっているかチェックしましょう。
SFAで営業力を高めよう
SFAを導入すれば、営業プロセスや顧客情報をチーム・部署内で共有でき、営業活動の効率化を促進できます。情報共有はクレーム防止や顧客満足度の向上につながり、成果アップも見込めます。適切なSFAツールを採用し、自社の営業力を高めましょう。
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