IP電話(IP電話アプリ)は、インターネット回線を使って通話できる電話です。PCやスマホでも使え、ビジネス通話における利便性やコスト面に優れています。ただし、種類が多いため選定する際は知識を要します。ここでは、IP電話を導入する際の比較選定ポイントと、課題別に見る向き不向きの傾向、サービス利用時の注意点を解説します。

また、導入実績の多い代表的なIP電話をご紹介します。自社の課題や目的に照らし、適切なサービスを見つけてください。

IP電話の比較方法・選び方

IP電話を選ぶときのポイント

IP電話を選ぶときのポイント

 

IP電話を導入する際に押さえておきたい選定ポイントを以下にまとめました。

 

■要件を整理する

IP電話には種類が複数あり、使い方やメリット、導入にかかるコストなどがそれぞれに異なります。サービス選定を行う際は、以下を参考に自社にはどのようなIP電話が必要なのかを明確にしましょう。

 

  • サービスのタイプ(050の番号を使うIP電話、光電話、IP電話アプリ)
  • 回線の種類(ADSL、光回線、モバイル回線)
  • 電話番号の種類(0A0型、0AB-J型)
  • 電話機の種類(ビジネスフォン、PC、スマートフォン)

 

050の電話番号(0A0型)を用いるIP電話は、プロバイダやソフトウェア会社などが提供しています。同じプロバイダの電話同士は通話料がかからないなど、費用面でメリットが大きいサービスです。

 

光電話(回線事業者のIP電話サービス)は、加入電話と同じ0AB-J型番号を使用できるため、固定電話番号を引き継ぐことができるというメリットがあります。IP電話の中でも通話品質が高く、また、緊急通報やフリーダイヤルの発信も可能です。

 

IP電話アプリは、LINEやSkypeなど通話機能があるアプリです。アプリをインストールするだけで使用できる手軽さと、通話料金を抑えられる点がメリットです。ただし、通話品質の安定性は弱い傾向にあります。

 

それぞれの特徴を踏まえた上で、自社が求めるIP電話の要件を整理した上で選定しましょう。

 

■機能性をチェックする

法人向けIP電話は、機能がシンプルなタイプと多機能なタイプがあります。自社のニーズに応じて、機能に過不足のないサービスを選定しましょう。

 

IP電話の中でも、光電話は機能が比較的シンプルです。次のような機能を光電話で利用したい場合は、クラウドPBXとの併用ができるサービスを選ぶとよいでしょう。

 

  • クラウド上のPBXで複数回線を管理
  • PC・スマホを内線電話化
  • 多拠点を内線接続
  • クラウド電話帳で番号管理
  • SFA(営業支援システム)やCRM(顧客関係管理)などの外部ツールと連携

 

IP電話には多機能なものも多く、一部サービスでは上記と同様の機能(クラウドPBXの機能)を利用できます。加えて、コールセンター向けの機能(文字起こし、着信振り分けなど)を使えるサービスもあるので、必要に応じて情報をチェックしてみてください。

 

■コストを比較する

初期費用と利用コストで重点的に比較したいポイントには、次の6つがあげられます。

 

  • 導入費用(工事費・機器調達費など)
  • 1番号あたりの基本料金と追加料金
  • 1チャネルあたりの基本料金と追加料金
  • 付加サービス・オプションの料金
  • 通話料
  • 無料通話できる通話先

 

「チャネル」は同時通話数を指します。IP電話では1つの回線(番号)を複数チャネルで利用できます。サービス選定では、番号あたりの料金よりも、チャネルあたりの料金を重点的に比較したほうがよいでしょう。

 

通話料の相場は、国内加入電話への通話料が6.6〜8.8円/3分、国内携帯電話への通話料は16〜17.6円前後/1分となっています。サービスごとの料金差が小さいため、通話料を大きく抑えたい場合は、無料通話できる通話先を詳しく比較するとよいでしょう。

課題・ニーズ別に見たIP電話の向き・不向きの傾向

自社が抱える課題や要望によって、利用に向くIP電話のタイプが変わります。次の表を参考にして、自社にはどのようなIP電話が適するか検討してください。

 

課題・要望

向き・不向きの傾向

BYODの推進にIP電話を活用したい / 低コストでBYODを推進したい

・IP電話アプリは社員のスマホに業務用の電話番号を追加できる

・クラウドPBXを兼ねるIP電話サービスであれば社員のスマホを内線電話化して業務利用できる

・光電話の場合、スマホの内線電話化にはクラウドPBXの契約が別途必要になる

社員が転勤してもスマホで同じ電話番号を使えるようにしたい

・050で始まる0A0型の電話番号を使うIP電話アプリはプロバイダを変えないかぎり全国どこでも利用できる

・クラウドPBXを兼ねるIP電話は、転勤すればスマホで使う内線番号も変わることが一般的なため注意が必要

なるべく低コストで社内電話をIP電話に刷新したい

・クラウドPBXを兼ねるIP電話やソフトフォン(PCを電話端末にするIP電話)を視野に入れて検討するとよい

IP電話の利用時に注意すべき点

IP電話の利用時に注意すべき点

 

IP電話を導入する際は以下の点に留意しましょう。

 

■緊急通報の方法を決めておく

0A0型(050型)の電話番号を使用するIP電話は、110番や119番などの緊急通報用電話番号への発信ができません。このタイプのIP電話を利用する場合は、緊急時の対応方法を決めて社員に周知する必要があります。具体的には、次のような通報方法を決めておくとよいでしょう。

 

  • 最寄りの警察署や消防署に直接電話する
  • 携帯電話・スマホのモバイル回線で通報する

 

なお、0AB-J型の電話番号が使えるIP電話(主に光電話)は、緊急通報用電話番号に発信できます。

 

■停電対策を行う

IP電話はインターネット回線を利用する電話のため、停電により接続機器への電力供給が止まると使用できなくなります。外線電話を使えなくなると業務に支障が出るため、IP電話の導入に際しては次のような停電対策を行ったほうがよいでしょう。

 

  • 停電・故障時に多拠点へ自動転送されるように設定しておく
  • スマホで代表番号の発着信ができるようにクラウドPBXを設定しておく
  • UPS(無停電電源装置)を設置する

 

IP電話の種類を問わず有効な停電対策としては、UPSの設置があげられます。UPSにはさまざまな規格・性能のものがあるので、自社に導入する場合はメーカーや販売会社に製品選びの相談を行ってください。

IP電話の選定・導入に動き出そう

IP電話には多様な種類があるため、サービス選定をスムーズに進めるには要件をしっかり整理することが肝要です。また、サービス導入に際しては、IP電話のデメリット(0A0型では緊急通報できない、停電時に使えない)の対策も必ず行いましょう。

IP電話 1選

1.Basix

(参照元:https://basix.jp/pages/jpn/home/index.html)

サービス名

Basix

キャッチフレーズ

Basix+Zendeskが、全ての課題を解決

サービス概要

通常のビジネスフォンのように高額な交換機の購入や工事等は必要なく、電話機をLANに繋げてWeb上で設定を行うだけ。
インターネット環境さえあれば安価・短期間で誰でも簡単に導入できます。
【できること】
・画面に発信者番号や予め登録された顧客名が表示される。
・自動で通話録音。番号や内容で瞬時に検索し、再生可能。
・レポート機能や通話履歴でパフォーマンスを詳しく確認。
・通話転送と同時に画面も転送。
・特定の電話番号を予め設定した専用チームへ優先的に分配。
・インターネット接続さえあればOK。
(参照元:ブラステル株式会社HP)

向いてる形態

BtoB/BtoC

導入社数

約 4000 社

(2021年02月18日時点)

機能一覧

・基本機能
・オプション機能

価格

・価格はお問合せください

運営企業

ブラステル株式会社

サービス詳細

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