チャットボットとは、「対話(チャット)するロボット」という意味の造語で、自動会話プログラムのことです。企業とユーザーとの新たなコミュニケーション方法として、さまざまな業種において広がりを見せています。ここでは、チャットボットの導入によって実現できることやビジネス上のメリット、機能一覧を紹介します。

チャットボットの導入を検討している方は以下の記事も参考にしてください。

チャットボット25選|比較・選定ポイントとおすすめ「AIチャットボット」の特徴

チャットボットとは

 チャットボットとは

 

チャットボットとは、人間が入力する文字や音声に対して、自動で適切な返答をするプログラムのことを指します。人間が会話するように、リアルタイムでコミュニケーションできる技術です。身近にイメージしやすいチャットボットの例では、iOSのSiriや、Googleアシスタントなどがあります。

 

チャットボットは大きく、AI搭載型と非搭載型に分けられます。AI搭載型は自動学習機能を備え、非搭載型はあらかじめプログラムした情報に沿った回答を返します。アルゴリズムを分類すると、以下の4つに分類されます。

 

●ログタイプ

会話のログを蓄積し、過去の似た例にならって自然な会話のやり取りをできるようにする

 

●選択肢タイプ

あらかじめ用意した選択肢に沿って、ユーザーに適切な返答を行う

 

●辞書タイプ

あらかじめ単語を登録しておいて、テンプレートで返答を行う

 例)「おはよう」とユーザーが入力した場合、「おはようございます。ご用件はなんですか?」と返答する

 

●Eliza(イライザ)タイプ

ユーザーの問いかけに対して、相槌を打ったり質問を返したりする

 例)「元気?」とユーザーが入力した場合、「私は元気です!」と返答する 

チャットボットで実現できること

 チャットボットで実現できること

 

チャットボットを導入することでどんなことを実現できるのか、以下に整理しました。

24時間365日の自動対応が可能

チャットボットを設置することで、24時間365日の対応が可能になります。疑問を解消したいユーザーの取りこぼしをなくすなど、機会損失を防ぐことができます。また、電話対応とは違い、同時に多くのユーザーへの対応が可能になります。」

適切なコミュニケーションをとれる

ユーザーの質問に対し、適切な回答を返すことができます。AIを搭載しているタイプであれば、学習機能によって、より自然なコミュニケーションや回答の精度を高めることが可能です。

オペレーターとの連携によるCS業務の効率化

よくある質問にはチャットボットが対応し、イレギュラーな質問はオペレーターにつなぐといった複合的な使い方も可能です。カスタマーサポート業務の効率化やコスト削減に貢献します。

外部システムとの連携による効率化

チャットボットを勤怠管理や在庫管理システムなど他のツールと連携できるサービスも提供されています。社内の業務負荷を減らし、効率的な事業運営をサポートします。

チャットボットの導入で得られる効果

チャットボットの導入で得られる効果 

 

チャットボットを導入するビジネス上のメリットは、以下の3つが挙げられます。

顧客対応の効率化

従来、顧客からの問い合わせは電話やメールがメインでした。チャットボットを導入することで、人の手を介さずに問い合わせ対応が可能になります。また、総務や経理、人事といった社内の問い合わせ窓口としてチャットボットを設置すれば、担当者の業務負荷を軽減できるというメリットがあります。

顧客接点の増加

チャットボットを設置することで、質問や問い合わせに対する心理的なハードルが下がるため、顧客接点の増加が期待できます。また、実店舗と同じような会話をすることで、商品・サービスの理解を深めることも可能です。見込み客を獲得したりファンを増やしたりといったメリットも期待できます。

顧客満足度の向上

チャットボットはカスタマーサービスの面でも利用されています。従来はQ&Aページをクリックしていき、適切な回答にたどり着くまでユーザーが試行錯誤する必要がありました。しかし、チャットボットでは疑問点に対して自動で適切な返信が行われます。ユーザーの負担は大きく減り、疑問を簡単に解決できるようになるため、顧客満足度の改善が見込めるのです。

チャットボットの機能一覧 

チャットボットの機能一覧 

 

チャットボットには、主に以下のような機能があります。

 

機能

特徴

選択肢の提示と返答

・ユーザーが何を知りたいかを絞り込める選択肢を提示する

・選択を複数回してもらうことでユーザーが知りたい内容を確定させ、チャットボットに適切な返答を行わせることができる

自由入力に対する応答

・ユーザーが入力したテキストや音声情報をもとに、回答を自動で表示

・対話の積み重ねでAIが学習し、より自然な返答ができるように進化していく

ユーザー辞書

・何通りもある言い回しやあいさつを1つの語として定義

・例えば「YES」「そう」を「はい」という単語と同値として扱うなどの登録が行える

音声認識/音声返答

・ユーザーがボイス入力した情報を文字情報として処理し、合成音声などで返答を行う

オペレーター呼び出し

・チャットボットでは対応しきれないイレギュラーな選択肢が出た場合などにコールセンターへと誘導する

テンプレート/編集

・テンプレートからデザインを選べる

・チャットボットを表示した際のメッセージや応答メッセージを編集できる

管理機能

・データの参照回数問い合わせ数や回答率などのデータを取得できる

・どのような質問が多く寄せられるのかをチェックすることが可能

・データをレポート表示できる

NGワード管理

・不適切な単語での検索を無効にする

・ログに無関係な質問や悪質ないたずらが多数含まれることを防ぐ

翻訳

多言語に対応する

他システムとの連携

・在庫管理システムや人事関連システム、SNSなどとの連携が可能

 

機能は提供サービスによって異なります。導入に際しては、事前に確認してください。

チャットボットを有効活用しよう

ユーザーは24時間インターネットにアクセスできるため、チャットボットを導入することでフォローできる範囲は広がります。また、人材不足からオペレーターを十分に配置できないといったときにも効果を発揮してくれます。業務効率化を図りながら顧客満足度や売上アップに貢献するチャットボットは、ますます期待が広がるツールといえるでしょう。

 

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