従業員満足度調査ツールとは、会社・組織に対する従業員満足度やリアルな声を調査できるツールのことです。組織力を向上する上で有益な情報を得ることができます。ここでは、従業員満足度調査ツールの機能と導入により実現できること、導入のメリットについて解説します。
従業員満足度調査ツールの導入を検討している方は以下の記事も参考にしてください。
従業員満足度調査ツール 12選|比較・選定ポイントとおすすめ「組織診断サーベイ」の特徴
従業員満足度調査ツールとは
従業員満足度調査ツールとは、自社に対する従業員の声や評価を調査できるツールです。職場環境や待遇、経営方針、業務内容などについてアンケートを行い、集計結果は自社の課題把握や改善などに役立てることができます。
人材の流動化が進む昨今は、経営における従業員満足度(ES)の重要性が高まっています。しかしながら、管理者が従業員の本音を知ることは難しく、ES向上に有効な施策を打てずにいる企業も少なくありません。
近年は組織サーベイ(組織診断 サーベイ)に取り組む企業が増えており、その実施手段として従業員満足度調査ツールが活用されています。従業員満足度調査ツールでサーベイ(包括的な調査)を行うことにより、従業員に心理的負担をかけることなく、ES向上に役立つ情報を得ることができます。
従業員満足度調査ツールで実現できること
近年は従業員満足度調査を行えるツールが増えており、一部のタレントマネジメントシステムや労務管理システムでもESに関する調査ができるようになっています。ここでは、従業員満足度調査に特化したツールに的を絞って解説しますが、その他の人事系システムでも同様の調査を行える場合があります。
アンケートを効率的に実施
従業員満足度調査ツールの機能を活用すれば、従業員向けのアンケートを効率的に実施できます。アンケートはWebで行えるため、回答する従業員に大きな負担がかかりません。
- テンプレートやアンケート作成機能を利用してアンケートを準備
- ベンダーが提供する標準設問を利用できる
- 仕事の満足度や納得感、職場環境などを調査
- オリジナルの設問を作ることも可能
- メールやチャットでアンケートページのURLを送信
- PCのほかモバイル端末(スマートフォン・タブレット)で回答できる
アンケート分析とフィードバック
従業員満足度調査ツールには、従業員向けアンケートの結果を分析する機能が備わっています。また、フィードバックコメントを自動表示できるものが多く、アンケートの分析結果から組織改善のヒントを得られます。
- アンケート結果を自動集計して分析
- エンゲージメントや離職リスクなどを数値化
- ダッシュボードに分析データを表示
- 部署や年齢などの属性でクロス分析できる
- 分析結果に基づくフィードバックコメントを表示
- コンサルタントが改善策を提案(一部ツールのサービス)
社内資料用データを出力
従業員満足度調査ツールで作成した分析データは外部出力できます。任意の形式でデータを出力して、独自の切り口での分析や、社内資料の作成などに活用できます。
- Excel、CSV、PDFなどの形式で分析データを出力
従業員満足度調査ツールの導入で得られるメリット・効果
従業員満足度調査ツールを導入することで、以下のメリット・効果が期待できます。
組織の課題・問題点を早期発見
従業員満足度調査ツールを組織 診断 ツールとして活用することにより、以下のような組織や業務上の課題や問題点を早期発見できます。
- 担当業務にやりがいを感じられない
- 上司を信頼できない
- 部署内の人間関係が悪い
- 設備や環境に不満がある
- ハラスメントを受けている
- 自身の成長を実感できない
- 会社の将来性に不安がある
上記のような問題を発見するには、従業員の本音を知る必要があります。とはいえ、上司による面談では、従業員は本心を語りにくいものです。従業員満足度調査ツールによるアンケートは匿名での回答も可能なため、上司や周囲の目を気にせずに本音で答えやすくなります。
エンゲージメント向上と離職防止
アンケートで明らかになった問題点を解消することで、自社に対する従業員の愛着心や信頼感(=エンゲージメント)を高め、離職リスクを低下させることが可能です。
従来、企業と従業員との結びつきを強めるには、待遇への満足度や自社へのロイヤルティ(忠誠心)を高めることが重要とされていました。しかしながら、成果主義を採用する企業が増え、人材の流動化が進む昨今では、旧来の価値観に基づく施策で人材流出を防ぐことが難しくなっています。
こうした時代において離職を抑止するには、従業員が理念やビジョンに共感でき、かつ働きやすく成長を実感できる組織づくりに努めることが肝要です。従業員満足度調査ツールにより、従業員の声や社内のリスクを可視化することは、自社の組織改善の第一歩となります。
組織改善による業績アップ
従業員満足度調査ツールで自社の組織改善を進めることにより、従業員のモチベーションが向上します。ひいては組織のパフォーマンスがアップし、生産性向上や業績拡大につながります。
ES(従業員満足度)の低い企業は、CS(顧客満足度)と業績も低下しがちです。「満足のピラミッド」と呼ばれるES、CS、業績の3指標は密接に関連しており、いずれか1つが低下すれば、ほかの2つも低下してしまいます。ESが低くなれば生産性も下がるため、自ずとCSや業績もダウンしてしまうのです。
逆にいえば、ESを向上させればCSと業績もアップするということです。従業員満足度調査ツールを活用して、組織改善とES向上を実現すれば、自社発展につながるチャンスも生まれるといえるでしょう。
従業員満足度調査ツールの機能一覧
従業員満足度調査ツールの代表的な機能を以下にまとめました。ただし、搭載されている機能はツールごとに異なるため、導入の際は事前に確認してください。
機能 |
特徴 |
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アンケート機能(サーベイ機能) |
・仕事満足度、人間関係、健康状態などを調査 ・ベンダー提供の標準設問を利用 ・オリジナル設問の作成も可能 ・自由記述のコメント欄を設定できる ・メールまたはチャットツールで回答用URLを送信 ・PC、スマホ、タブレットなどで回答できる ・回答期間を設定できる |
通知機能 |
・未回答者にリマインド通知を送信(メールまたはチャットツールで送信) |
ダッシュボード機能 |
・ダッシュボードにアンケート集計結果を表示 ・リアルタイムで集計データや分析データを確認できる |
アンケート分析機能 |
・アンケート結果を自動分析 ・エンゲージメント、離職リスク、仕事満足度などをスコアリング ・部署や属性でスコアをクロス分析 ・分析結果に対するコメントを表示 ・分析結果をエクスポートできる(Excel・PDF・CSVなどの形式) |
従業員情報登録・管理機能 |
・手動で従業員情報を入力 ・人事系システムから従業員情報をインポート(労務管理システム・タレントマネジメントシステムなどからインポート) ・部署や属性などのグループを設定できる |
従業員満足度調査ツールを組織改善に活用しよう
組織内の問題発見や従業員エンゲージメント向上、離職の抑止など、従業員満足度調査ツールが企業にもたらすメリットは多数あります。人材定着率の低さや生産性低下などに課題がある企業にとって、従業員満足度調査ツールを導入する価値は大きいでしょう。ただし、サービス選定は慎重に行ってください。機能や料金などを比較して、自社に適する従業員満足度調査ツールを選ぶことが肝要です。
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