採用候補者の経歴や前職での仕事ぶり・人柄を調査するのが「リファレンスチェックサービス」です。近年は採用プロセスにリファレンスチェックを取り入れる企業が増えており、サービスの提供数も増えています。本記事では、リファレンスチェックサービスを比較選定するポイントや導入時の注意点を説明します。
リファレンスチェックサービスを比較選定する際のポイント
リファレンスチェックサービスを比較選定する際にチェックしたいポイントは、以下の4点です。
- リファレンス先への質問方法
- バックグラウンド調査の有無
- 回答者の本人確認の有無
- 導入実績・事例
各項目を詳しく見ていきます。
リファレンス先への質問方法
リファレンス先への質問項目の設定方法は、サービスによって異なります。テンプレートがある場合は、自社が聞きたい項目がカバーされているかを確認しましょう。サービスによっては、職種別に質問項目が用意されていて便利です。
なお、一般的な質問項目は以下です。
- 勤務実績(在籍期間、職務経歴など)
- 人物像(勤務態度、人間関係、仕事に対する価値観など)
- 職務能力(実績や成果、業務上の強みや弱みなど)
自社で質問を設定したい場合は、質問作成やカスタマイズがしやすい仕様のものを選びましょう。
バックグラウンド調査の有無
サービスによっては、履歴書に記載されている経歴や資格に相違がないか、反社会勢力との関わりや犯罪歴はないか、といった調査を実施してくれるところもあります。採用候補者のバックグラウンドについてチェックを強化したい場合は、どのような情報源・メディアで調査を行うか確認しておきましょう。
回答者の本人確認の有無
採用候補者が上司や同僚になりすまして回答することがないよう、リファレンス先に本人確認を行っているサービスもあります。身分証明書を提示してもらう、回答者本人だけが回答できる仕組みになっているなど、適切な対策が講じられているところを選びましょう。
導入実績・事例
サービスの質や効果を見極めるには、導入実績や事例が参考になります。どのような規模・業種で活用されているかを把握できるので、自社に適しているか判断しやすくなります。自社と同じ業種・採用領域での実績が多いサービスであれば、効果的に運用できる可能性が高いといえるでしょう。
課題・ニーズ別に見たリファレンスチェックサービスの向き・不向きの傾向
どのようなリファレンスチェックサービスを選ぶべきかは、自社の課題によっても変わってきます。以下に課題・ニーズ別の向き・不向きの傾向をまとめました。
課題・ニーズ |
向き・不向きの傾向 |
---|---|
リファレンスチェックのノウハウがない/リファレンス先にどのような質問をすればいいかわからない |
一般的なリファレンスチェックの質問を網羅したテンプレートが用意されているサービスが適している |
業務委託の採用でもリファレンスチェックを実施したいが、適切な質問が思いつかない |
新卒・中途・派遣社員など、採用領域別にテンプレートが分かれているサービスが向いている |
コンプライアンスの観点でリスクのある人物の採用を控えたい |
経歴調査や反社チェック、SNS調査などを強化しているサービスが適している |
外国人の採用候補者にもリファレンスチェックを実施したい |
英語や中国語など多言語に対応しているリファレンスチェックサービスを選ぶ |
リファレンスチェックサービスに興味はあるが、どのようなものかわからないので導入を迷っている |
無料トライアルが利用できるサービスであれば、契約前にリファレンスチェックの流れや操作性を確認できる |
リファレンスチェックサービスを導入する際の注意点
リファレンスチェックサービスを導入する際は、以下の2点に留意しましょう。
採用候補者の同意が必要
採用候補者の同意を得ずにリファレンスチェックを行うと、個人情報保護法に抵触してしまいます。導入の際は、リファレンスチェックを実施する目的や、候補者・リファレンス先の個人情報を取り扱うことについて本人に説明し、同意を得るようにしましょう。
リファレンスチェックサービスが両者から同意を得る仕組みになっているかどうかも確認しておきましょう。
利用期間を明確にしておく
リファレンスチェックサービスの料金体系は、採用人数で変動する従量課金制や月額制が多くなっています。例えば月額制の場合、採用活動の時期が確定していない状態で契約すると、無駄なコストがかかる可能性があるため注意が必要です。活動期間が定まっていない場合は、その点も含めて提供会社に相談しながら適切な料金体系を選んでください。
最適なリファレンスチェックサービスを見つけよう
リファレンスチェックサービスを選定する際は、「リファレンス先への質問が設定しやすいか」「自社が必要とするバックグラウンド調査に対応しているか」「本人確認が適切に行われているか」といった観点で検討しましょう。実績・事例も参考にしながら、自社に合ったサービスを見つけてください。