自社で保有するハードウェアやソフトウェアなどのIT資産を一元管理できる「IT資産管理ツール」。煩雑になりがちなIT資産の管理業務を効率化でき、情報セキュリティ対策の強化にも効果的です。本記事では、IT資産管理ツールで実現できることや機能一覧、導入するメリット・効果を紹介します。

IT資産管理ツールの導入を検討している方は以下の記事も参考にしてください。
IT資産管理ツール 28選|比較・選定ポイントとおすすめ「統合管理システム」の特徴

IT資産管理ツールとは

IT資産管理ツールとは

 

IT資産とは、パソコンやサーバー、ネットワーク機器、アプリケーションのライセンスなどIT関連のあらゆる資産のことです。IT資産管理ツールは企業等が保有するIT資産を一元管理するツールで、効率的かつ適正な運用をサポートします。

 

ビジネスのデジタル化推進に伴って企業内のIT資産は増えており、会計上の資産管理をはじめ、情報セキュリティ対策やコンプライアンスの観点からも適切な管理が求められています。

 

IT資産管理ツールを用いれば、IT資産の使用状況が可視化され、不正アクセスや内部不正による情報漏えいなどのリスクを低減できます。

IT資産管理ツールで実現できること

IT資産管理ツールで実現できること

 

IT資産管理ツールを導入すると、以下の3点を実現できます。

社内のIT資産情報を自動取集・台帳作成

IT資産管理ツールには「インベントリ管理」という機能が備わっており、ネットワークに接続されたハードウェア(PC、サーバー、ネットワーク機器など)やソフトウェアの情報を管理サーバーに自動収集することができます。

 

自動収集可能な情報には以下のものがあります。

 

<ハードウェア情報>

  • コンピューター名
  • 製品名・型番
  • OSバージョン
  • シリアル
  • メモリ容量
  • ディスク容量
  • IPアドレス

 

<ソフトウェア情報>

  • 製品名
  • バージョン
  • アップデートの適用状況
  • ベンダー名

 

収集したIT資産情報は管理台帳に登録され、一元管理できるようになります。上記以外にも、導入部門やユーザーにまつわる情報を手動で入力することも可能です。

ソフトウェアのライセンスの使用状況を可視化

業務のデジタル化が進む企業では様々なソフトウェアを使用しており、適切なライセンス管理が必要です。IT資産管理ツールでは、ライセンスの数量や仕様、使用期限などを登録して管理台帳を作成することができます。これにより、部門単位でのライセンスの過不足や使用状況を把握しやすくなります。

IT資産のセキュリティ管理

IT資産管理ツールには、操作ログの管理や操作権限を制限する機能があり、不正な挙動を検知するとアラートが通知されます。また、登録しているIT機器に脆弱性がある場合は自動的に修正プログラムが適用されます。

 

  • ログ管理
  • アラート機能
  • レポート機能
  • 操作権限設定
  • セキュリティパッチ

IT資産管理ツールの導入で得られる効果・メリット

IT資産管理ツールの導入で得られる効果・メリット

 

次の3つの効果・メリットが期待できます。

IT資産管理の効率化・コスト削減

IT端末やソフトウェアの基本情報・使用状況をシステム上に集約して一元管理できるようになるため、IT資産の管理工数を大幅に抑えることが可能です。使われていない端末やライセンス切れのソフトウェアの把握も容易になり、適切なタイミングでアップデートやメンテナンスを実施できます。それにより、不要な端末を購入してしまう過剰投資も防げます。

ソフトウェアの管理・更新の効率化

定期的にアップデートが必要なOSやアプリケーションの管理には多くのマンパワーを要します。IT資産管理ツールであれば、ソフトウェアのアップデートやセキュリティパッチの適用を自動化することができ、端末ごとに更新作業を行う必要がなくなります。作業漏れなどの人為的なミスも防止でき、担当者に負荷をかけずにソフトウェアを常に最新の状態に保つことができます。

セキュリティ対策・内部統制の強化

IT資産管理が適切に行われていないと、紛失・盗難や不正アクセスによる情報漏えいのリスクが高まります。

 

IT資産管理ツールではIT機器の配備状況が可視化されるため、盗難などによる損害を防げます。また、ログ管理やアラート機能などのセキュリティ機能が強化されているものが多く、不正インストールや不正アクセスを検知・ブロックしてくれます。操作状況が記録されるため、内部統制の強化にも効果的です。

IT資産管理ツールの機能一覧

IT資産管理ツールの機能一覧

 

IT資産管理ツールの主な機能を以下にまとめました。

 

機能

内容

台帳作成・管理

IT資産の基本情報やユーザー情報をまとめた管理台帳を作成・管理。

<管理対象となるIT資産の例>

●ハードウェア(PC、モバイル端末、周辺機器、記録媒体など)

●ソフトウェア(OS、アプリケーションなど)

●ソフトウェアのライセンス

インベントリ管理           

ハードウェアやソフトウェアに関する情報を自動収集

ライセンス管理

各ソフトウェアのライセンス情報を登録・管理

ログ管理

アプリケーションの使用状況やファイルの操作状況など、あらゆる操作履歴を記録

アラート機能

不正操作やネットワーク上の異常を検知した場合に、管理者やユーザーにアラートメールを自動送信

レポート機能

サーバーやファイルへのアクセス状況などをレポーティング

セキュリティパッチ

自社で使用しているOS・ソフトウェアにセキュリティ上の脆弱性が見つかった場合にセキュリティパッチ(脆弱性に対処する修正プログラム)を自動的に適用

 

どの機能が搭載されているかはツールによって異なります。選択の際は注意しましょう。

情報セキュリティ対策にも有効なIT資産管理ツール

IT資産管理ツールを導入すれば、社内の様々なIT端末やソフトウェアの管理業務を効率化でき、担当者の業務負担を軽減できます。また、運用状況が可視化されることで、不正アクセスや情報漏えいなどの抑止にもつながります。IT資産の管理運用に課題を感じている場合は、導入を検討してみてはいかがでしょうか。

 

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