製造工程において、製品や部品の外観を検査する「外観検査装置」。微細なキズ・汚れや変形などの欠陥を自動検知することができ、検査精度・スピードの向上を図れます。本記事では、外観検査装置で実現できることや機能一覧、導入するメリット・効果を紹介します。
外観検査装置の導入を検討している方は以下の記事も参考にしてください。
外観検査装置 1選|比較・選定ポイントとおすすめ「AI外観検査装置」の特徴
外観検査装置とは
外観検査とは、製品や部品の表面に付いたキズ・汚れや変形などを確認するための品質検査のことです。外観検査を自動的に行う装置・システムを外観検査装置といい、製造ラインまたは製造ラインとは別の場所に設置して使用します。
多くの外観検査装置は画像処理装置とソフトウェアで構成されており、検査対象物の画像データを処理して欠陥の有無を判定します。最近では、人工知能を活用したAI外観検査装置も増えています。
外観検査装置は金属部品や食品容器・包装、電子デバイス、樹脂成形品など幅広い部品・製品の製造現場に導入されています。
外観検査装置で実現できること
外観検査装置を導入すると、以下の2点を実現できるようになります。
様々な欠陥を自動検知
目視による外観検査では、人間の目で部品や製品を一つずつチェックして欠陥の有無を判定します。外観検査装置では、画像処理装置で対象物を撮影し、ソフトウェアで画像データを分類・処理することで欠陥の有無を判定します。
外観検査装置の用途・検査項目は製品によって異なりますが、以下のような欠陥を検出することが可能です。
- キズ・汚れ・変形
- 位置・角度のズレ
- 色ムラ
- 異物混入
- 部品の欠損
- ラベル不良
インラインでの全数検査
全数検査(※)を効率的に行うには、生産ラインに外観検査を組み込むインライン検査が適していますが、目視によるインライン検査には限界があります。外観検査装置を活用すれば、インラインでもスムーズにキズや異物を検知することができるため、効率的な全数検査を実現できます。
※製造ロットのすべての部品・製品を検査すること
外観検査装置の導入で得られる効果
外観検査装置の導入により、次のような効果・メリットが期待できます。
検査精度の向上
目視による外観検査は属人化しやすく、検査員によって不良品の判定基準にバラつきが出てしまうことがあります。検査数が多い場合は疲労による精度低下も懸念されます。外観検査装置では、設定したプログラムに従って欠陥を自動検知するため、均一かつ高い精度で検査を実施できます。大量・長時間の検査でも、検査装置であれば精度が落ちることはありません。
検査のスピード向上/生産効率の向上
外観検査装置は一台で複数の検査項目に対応でき、スピーディに良否を判定することができるため、目視検査より多くの検査数を処理できます。また、長時間休むことなく安定した検査品質で稼働し続けることも可能なので、生産効率が向上します。
人手不足の解消/人材育成コストの削減
製造業界は人手不足が慢性化しており、生産現場でも人材確保が大きな課題となっています。外観検査装置を導入すれば、検査工程のマンパワーを削減することができるため、人手不足の課題解消につながります。また、外観検査が自動化されることで、検査員を育成する時間・コストも削減できます。
外観検査装置の機能一覧
外観検査装置の主な機能を以下にまとめました。ただし、搭載機能は製品によって異なります。
機能 |
内容 |
---|---|
良品データ・検査項目の登録 |
良品の形状や画像を複数登録し、検査対象となる範囲や欠陥と判定する基準値を設定する |
検査対象物の感知・撮影 |
センサーやカメラで検査対象物を感知・撮影する |
画像処理・良否判定 |
検査対象の画像データを処理し、合格基準と照らし合わせて欠陥を検知して良否を判定する |
検査ログ・レポート機能 |
検査の進捗状況や検査結果を表示する |
外観検査装置で検査精度を高めよう
外観検査装置を導入すれば、スピーディかつ高精度に欠陥を検知でき、生産効率を高めることができます。目視による外観検査は目を酷使する重労働であるうえ、精神的なプレッシャーもかかります。検査を自動化すればマンパワーを減らすことができ、検査員の負担軽減にもつながります。
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