顧客データを収集・統合・分析してOne to oneのアプローチを実現するCDP。ビジネスにおけるデータ活用の重要性が高まるなか、CDPの提供数も増えており、自社に合ったツールの見極めが難しいといった声も聞かれます。本記事では、CDPを選定する際の比較ポイントや導入時の注意点を解説します。
また、導入実績の多い代表的なCDPをご紹介します。自社の課題や目的に照らし、適切なサービスを見つけてください。
CDPの比較方法・選び方
CDPを比較選定する際のポイント
CDPを選定する際、特にチェックしておきたいポイントは以下の4点です。
- 連携性
- セキュリティ対策
- 操作の容易さ
- サポート体制
各項目を詳しく見ていきます。
■連携性
CDPでは様々なシステムと連携して顧客データを収集・統合・活用できますが、どのようなデータソースや分析・施策ツールに対応しているかは製品によって異なります。
選定時は、オンライン・オフライン含めて活用したいデータソースやツール等を洗い出し、それらと連携可能なものを選定しましょう。
参考として、連携先の一例を以下に挙げます。
- アクセス解析ツール
- CRM(顧客管理システム)
- ソーシャルメディア(Facebook、Twitter、Instagramなど)
- メール配信ツール
- ECツール
- Web接客ツール
- レコメンドエンジン
- MA(マーケティングオートメーション)
- BI(ビジネスインテリジェンス)
- IoT(モノのインターネット)
- ローデータ(Excel、CSV、Google Driveなど)
■セキュリティ対策
CDPでは顧客一人ひとりのパーソナルデータを取り扱うため、ベンダーのセキュリティ対策をよく確認しておく必要があります。以下のような項目について問い合わせをし、安全に運用できる製品を選びましょう。
- ネットワークの監視体制
- データセンターの安全性
- アクセス管理・権限設定
- 情報セキュリティ認証やプライバシーマークの取得状況
■操作の容易さ
CDPのユーザビリティはツールによって異なり、なかにはプログラミング言語を書かないと使用できないものもあります。操作性が自社の運用担当者のリテラシーに合っていない場合、導入しても効果的に使いこなすのは困難です。選定時は、デモ画面などで使い方や画面の視認性を確認し、自社で運用しやすいものを見極めてください。
■サポート体制
CDPは柔軟性・自由度の高いツールであるため、初期設定や施策設計などでつまずいてしまうことがあります。以下の項目についてベンダーに問い合わせをし、導入時・運用時やトラブル発生時に必要なサポートが受けられるか確認しておきましょう。
- 問い合わせ方法(メール、電話、Webなど)
- 導入サポート・個別トレーニングの有無
- 運用コンサルティングやデータ分析支援の有無
- 不具合が発生した際のサポート内容
- サポート料金の有無
課題・ニーズ別に見たCDPの向き・不向きの傾向
どのようなCDPを選ぶべきかは、自社の課題によっても変わってきます。以下に課題・ニーズ別の向き・不向きの傾向をまとめました。
課題・ニーズ |
向き・不向きの傾向 |
---|---|
統合した顧客データの補正作業にマンパワーを割きたくない |
データクレンジング機能や名寄せ機能が強化されている製品であれば、データ補正や重複データの判別を効率化できる |
メール配信を顧客ごとにカスタマイズしたい |
MAツールやCRMツール、メール配信ツールと連携できる製品が適している |
自社サイト・アプリ内でユーザー別におすすめのコンテンツを出し分けたい |
Webサイト・アプリやECツール、Web接客ツールと連携可能な製品であれば、レコメンド配信を実現しやすい |
CDPを自社で使いこなせるか不安がある |
デモ版や無料トライアルが利用可能な製品が適している。導入・運用時に適切なサポートが受けられるものであれば、効果的な運用やデータ活用がしやすい |
CDPの導入時に注意すべき点
CDPを導入する際は、以下の2点に留意しましょう。
■データ統合・活用の目的を明確にする
CDPを導入しても、「統合したデータを元にどのような施策を展開するのか」といった目的が不明瞭だと、顧客データの有効活用が進みません。運用効果を高めるには、まず顧客データを集めて実現したい施策・アクションを洗い出し、データの活用方法を具体化しておくことが大切です。
■社内の運用体制を構築する
CDPでは、営業部門やマーケティング部門、カスタマーサポート部門、実店舗など様々な部署・拠点の顧客データを集約するため、部署をまたいだ協力体制の構築が不可欠です。導入する際は全社横断のプロジェクトチームを立ち上げ、シームレスに運用できる体制を構築しましょう。
最適なCDPでデータ活用を推進
CDPは顧客データの活用を推進できる利便性の高いツールですが、自社の目的に合った仕様でなければ導入効果が低下してしまいます。選定する際は、連携させたいデータベースや施策ツールに対応し、狙いどおりの施策を展開できるかを確認しましょう。さらに、セキュリティ対策や操作性、サポート体制を比較検討すれば最適なツールを絞り込みやすくなります。
CDP 3選
1.Oracle BlueKai
(参照元:https://www.oracle.com/jp/cx/marketing/data-management-platform/)
サービス名 |
Oracle BlueKai |
キャッチフレーズ |
マーケティング・キャンペーンをパーソナライズ |
サービス概要 |
BlueKai は業界をリードするクラウドベースのビッグデータ・プラットフォーム。マーケティング組織は、ターゲット・オーディエンスに関するリッチで実践的な情報を基に、オンライン、オフライン、モバイルのマーケティング・キャンペーンをパーソナライズすることができます。 |
向いてる形態 |
BtoB/BtoC |
機能一覧 |
・クロスデバイス |
運営企業 |
|
サービス詳細 |
2.INTEGRAL-CORE
(参照元:https://www.ever-rise.co.jp/integral-core/)
サービス名 |
INTEGRAL-CORE |
キャッチフレーズ |
企業内の顧客データを1つに統合・活用・分析 |
サービス概要 |
企業内のバラバラになっている顧客データを、実在する顧客個人に紐づけてデータを1つにまとめて管理できるプラットフォーム。よりスピーディーに、より深く、顧客を理解できます。 |
向いてる形態 |
BtoB/BtoC |
運営企業 |
|
サービス詳細 |
3.Rtoaster insight+(インサイトプラス)
(参照元:https://www.brainpad.co.jp/rtoaster/)
サービス名 |
Rtoaster insight+(インサイトプラス) |
キャッチフレーズ |
柔軟なカスタマーデータプラットフォーム(CDP) |
サービス概要 |
データを統合し、データから価値を引き出す柔軟なCDP。それが「Rtoaster insight+」です。 |
向いてる形態 |
BtoB/BtoC |
機能一覧 |
・データ収集 |
運営企業 |
|
サービス詳細 |