DMPは、データ収集や分析、広告配信の最適化など、さまざまな場面でマーケティング活動を支えます。メリットが多いツールですが、有効に活用するには注意すべき点があります。ここでは、DMPの導入を検討している方に向けて、選び方と導入時の注意点を解説します。
また、導入実績の多い代表的なDMPをご紹介します。実際に利用する企業の活用事例も交えながら、サービスの強みや特徴の解説を行います。自社の課題や目的に照らし、適切なサービスを見つけてください。
DMPの比較方法・選び方
DMPを比較するときのポイント
DMPを選定する際は、次の4つの点を確認しましょう。
■目的に応じたタイプを選ぶ
DMPは、社内外に散在する膨大なデータの収集と一元管理を実現し、精度の高い分析やマーケティング施策を可能にするツールです。DMPを選定する上で、必ず意識したいのが導入目的です。
DMPは「プライベートDMP」と「オープンDMP」とに大別され、導入目的によって選ぶべきタイプが異なります。
●オープンDMP
第三者機関が提供するオーディエンスデータ(サイト訪問者の属性や行動履歴、嗜好性など)を一元管理するプラットフォームです。自社が持っていないデータを活用できる点が特徴であり、主に新規顧客の開拓や広告配信に活用されています。
●プライベートDMP
自社で保有するデータを一元管理するプラットフォームです。既存顧客へのリテンションをメインとし、LTV向上やWebサイト改善などに強みを発揮します。最近では、プライベートDMPとオープンDMPを組み合わせて、より効果的な広告配信やマーケティング施策を目指す企業も増えています。
どのような成果を得たいのかを明確にし、自社に適したものを選択しましょう。
■自社が重視する機能を明確にする
DMPに備わる機能は、システムごとに異なります。まずはDMPで何を実現するかを明確にしたうえで、重視する機能を絞り込むとよいでしょう。
たとえば、広告配信に活用したい場合は、配信システムとの連携がスムーズにできるか確認する必要があります。また、DMPのなかには、MAツールの機能やフォーム作成などができるCMS機能を備えているものもあり、選択の幅が広くなっています。費用対効果の観点も踏まえて、必要な機能を見極めてください。
■連携機能を確認する
DMPはデータ収集と分析に力を発揮するツールですが、本質的な目的は、いかにマーケティング施策に生かせるかという点です。そのためDMPの選定では、他ツールとの連携によるシームレスな運用が可能かどうか、よく確認しておく必要があります。
多くのDMPは、CRMやMAツール、LPOツール、レコメンドエンジンなど各種ツールとの連携に対応しています。ただし、POSとの連携はできないなど、システムによって対応できるものが変わるケースもあります。既存のシステムと連携できるかどうかは提供元に問い合わせてください。
■予算に合うシステムを探す
DMPの導入・運用に要する費用は、システムにより大きく異なります。安価なオープンDPMでも月額十数万円程度から、高額なものでは数十万円以上になります。プライベートDMPのほうが高額な傾向にありますが、最近では利用しやすい価格のものも登場しています。
実際にかかる導入費用・運用費用は、システムの規模や構成によっても変動するため、見積もりをとって検討することをおすすめします。
DMPの向き・不向き
自社が抱える課題によって、選択すべきDMPは異なります。次の表を参考に、自社に向くシステムの種類を検討してください。
課題 |
向き・不向きの傾向 |
---|---|
分析の精度を高めたい |
・独自のテキストマイニングや自由度の高いセグメントができるなど、高度な分析機能を搭載しているタイプが適している ・1stパーティデータと3rdパーティデータのほか、2ndパーティデータを扱うものもある |
広告配信の投資対効果を上げたい/ 新規顧客を獲得したい |
・3rdパーティーデータを活用できるオープンDPMが必要 ・1rdパーティーデータとオープンDPMを組み合わせることで、より詳細なセグメンテーションと効果的なアプローチが可能になる ・アドネットワークとの連携ができるか確認 ・オーディエンス拡張機能が充実しているか確認 |
データをマーケティング施策につなげられていない |
・MAツールやLPOツール、レコメンドエンジンなど各種ツールと連携できるタイプが向いている。 ・あらかじめMAやCRM、レコメンドエンジン機能などを搭載しているものもおすすめ |
システムを使いこなせる自信がない |
・導入・運用に際して手厚いサポートを受けられるサービスが向いている ・データ活用のコンサルタントを行っているサービスもある |
導入時に注意すべき点
DMPの導入に際して注意すべき、2つの点をまとめました。
■導入する前にデータを整理する
DMPの導入に際しては、自社が持っているデータを整理して移管する作業が発生します。各部署にデータが散在する場合や、データごとに定義がばらばらというときは、思っている以上のパワーを要することがあります。余裕をもって取り組むことが重要です。
■導入環境は整っているか
DMPの導入に際して、ネックとなりやすいのが社内の環境づくりです。各部署が保有するデータの整理やセキュリティ面の確保など、DMPの運用には組織全体での取り組みが必要です。事前に社内の合意を得て、スムーズに導入できる体制を作る必要があります。
DMP導入に焦りは禁物
DMPの導入は、目的を明確化し、かつ社内の理解を得た上で進めなければなりません。目標の決定や予算の策定と、やるべきことは多数あります。とはいえ、システムの導入に焦りは禁物です。各過程を着実にクリアして、ツールの選定へと進んでください。
DMP 3選「特徴」と「活用事例」
1.Oracle BlueKai
(参照元:https://www.oracle.com/jp/cx/marketing/data-management-platform/)
サービス名 |
Oracle BlueKai |
キャッチフレーズ |
マーケティング・キャンペーンをパーソナライズ |
サービス概要 |
BlueKai は業界をリードするクラウドベースのビッグデータ・プラットフォーム。マーケティング組織は、ターゲット・オーディエンスに関するリッチで実践的な情報を基に、オンライン、オフライン、モバイルのマーケティング・キャンペーンをパーソナライズすることができます。 |
向いてる形態 |
BtoB/BtoC |
機能一覧 |
・クロスデバイス |
運営企業 |
|
サービス詳細 |
2.INTEGRAL-CORE
(参照元:https://www.ever-rise.co.jp/integral-core/)
サービス名 |
INTEGRAL-CORE |
キャッチフレーズ |
企業内の顧客データを1つに統合・活用・分析 |
サービス概要 |
企業内のバラバラになっている顧客データを、実在する顧客個人に紐づけてデータを1つにまとめて管理できるプラットフォーム。よりスピーディーに、より深く、顧客を理解できます。 |
向いてる形態 |
BtoB/BtoC |
運営企業 |
|
サービス詳細 |
3.Rtoaster insight+(インサイトプラス)
(参照元:https://www.brainpad.co.jp/rtoaster/)
サービス名 |
Rtoaster insight+(インサイトプラス) |
キャッチフレーズ |
柔軟なカスタマーデータプラットフォーム(CDP) |
サービス概要 |
データを統合し、データから価値を引き出す柔軟なCDP。それが「Rtoaster insight+」です。 |
向いてる形態 |
BtoB/BtoC |
機能一覧 |
・データ収集 |
運営企業 |
|
サービス詳細 |