取引先の倒産などによって未払いになった売掛件を、保証会社が代わりに支払ってくれるサービスが「売掛保証」です。ビジネスの先行きを見通しにくくなっている昨今、売掛保証のニーズは高まっており、現在ではさまざまな売掛保証サービスが提供されています。ここでは、売掛保証を比較選定する際のポイントや利用時の注意点を説明します。
また、導入実績の多い代表的な売掛保証サービスをご紹介します。実際に利用する企業の活用事例も交えながら、サービスの強みや特徴の解説を行います。自社の課題や目的に照らし、適切なサービスを見つけてください。
売掛保証の比較方法
売掛保証を比較選定する際のポイント
売掛保証サービスを比較選定する際、とくにチェックしておきたいのは以下の4つのポイントです。
- 自社の売上規模・取引規模に対応しているか
- 保証内容が自社のニーズに合っているか
- 保証体制は万全か
- 料金体系は予算に合っているか
各項目を詳しく見ていきます。
■自社の売上規模・取引規模に対応しているか
売掛保証サービスの検討にあたって、まず確認しておきたいのは「自社の売上規模や取引規模にマッチしているか」という点です。サービスによっては「年商10億円以下」など中小企業に特化したものもあります。また、保証をかけられる取引社数や保証額に制限が設けられている場合もあるので、自社の取引規模にマッチしているかも確認しておきましょう。
■保証範囲が自社のニーズに合っているか
どのようなケースが売掛保証の対象となるかは売掛保証サービスによって異なります。例えば、保証対象を「新規顧客が倒産した場合」に限定しているところもあれば、「支払いの遅延」や「既存顧客との取引」を保証してもらえるサービスもあります。自社の事情やニーズに合ったサービスを選択しましょう。
■保証体制は万全か
売掛金を確実に回収するには、保証会社の保証体制が万全であることが前提条件となります。そのため選定の際は、保証会社が経営破綻した場合でも保証してもらえる体制が整っているか確認しておきましょう。銀行や保険会社と提携していて、売掛債権に保険をかけているサービスが安心です。
■料金体系は予算に合っているか
売掛保証サービスの料金体系は以下の2パターンに大別されます。
- 定額の月額料金を支払うパターン
- 取引ごとに保証料を支払うパターン
月額制では、保証額の合計や1社あたりの保証額などに応じてプランが分かれている場合があるため、予算や取引規模を鑑みて検討しましょう。取引ごとに保証料を支払うパターンでは、請求金額の〇%のように保証料率が設定されています。保証料率は取引先によって変動する場合があるため、保証会社に確認しておきましょう。
課題・ニーズ別に見た売掛保証の向き・不向きの傾向
どのような売掛保証を選ぶべきかは、自社の課題によっても変わってきます。以下に課題・ニーズ別の向き・不向きの傾向をまとめたので、検討時の参考にしてください。
課題・ニーズ |
向き・不向きの傾向 |
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スピーディに導入・利用できる売掛保証を探している |
ネット上で手続きが完結し、取引先の審査をスピーディに行う売掛保証サービスがおすすめ。3営業日以内で審査結果が出るところもある |
支払い遅延による未入金が多い |
倒産だけではなく業績悪化による支払い遅延も保証対象となっている売掛保証が適している |
1社あたりの取引額は小口だが、取引社数が多いため効率的に売掛保証をかけたい |
取引社数に制限が設けられておらず、保証枠内であれば月額料金だけで何社でも売掛保証をかけられるサービスがおすすめ |
取引規模が小さい/売掛金額が少額でも保証してもらいたい |
最低保証額が設定されていない売掛保証であれば、個々の取引規模が小さい場合でも利用しやすい |
どのように保証をかければよいかわからない/売掛保証を初めて利用する |
専任の担当者がつき、自社に適した保証内容についてアドバイスがもらえる売掛保証が向いている |
売掛保証を利用する際に注意すべき点
売掛保証を利用する際は、以下の2点に留意しましょう。
■売掛保証をかけられるかは審査しだい
売掛保証を利用するためには事前審査に通過する必要があります。審査では取引先の信用力や支払い能力(経営状況)などがチェックされ、リスクが大きいと判断されれば売掛保証を利用できないこともあります。申し込めば必ず保証されるとは限らないので注意しましょう。
■すでに回収が遅延している売掛債権は保証されない
多くの売掛保証では支払いの遅延による未回収も保証の対象となっていますが、申し込み時点ですでに回収が遅れている債権については対象外となるケースがほとんどです。また、サービスによっては貸付金やリース債権なども保証の対象にはならないため、利用時は注意が必要です。保証の対象範囲については保証会社によく確認しておきましょう。
安心できる売掛保証を選定しよう
売掛保証は取引のリスクを軽減できる心強いサービスですが、保証内容が自社の事情に合っていなければ十分な保証が得られない可能性があります。選定の際は、自社の売上規模・取引規模や保証ニーズにマッチし、万全な保証体制でサポートしてもらえるところを選定しましょう。
ここで紹介した選定ポイントを参考に、安心してビジネスを進められる最適な売掛保証を見つけてください。
代表的な売掛保証 2選
1. ネット完結型の売掛保証「URIHO(ウリホ)」
(参照元:https://uriho.jp/)
サービス名 |
ネット完結型の売掛保証「URIHO(ウリホ)」 |
キャッチフレーズ |
取引のリスクをゼロにして、倒産・未入金の問題を解決 |
サービス概要 |
URIHOは、取引代金の未入金時に代わりにお支払いする定額制の売掛保証サービスです。未入金リスクの解消だけでなく、売上拡大・業務効率化も後押しします。また、取引先の登録や保証金の請求などはすべてネット上で行えるため、手間なくスピーディにサービスを利用できます。 |
向いてる形態 |
BtoB |
導入社数 |
約 1000 社 (2020年04月01日時点) |
導入企業の傾向 |
未入金リスクに悩みを抱えている中小企業 |
価格 |
・Aプラン 9,800円 / 社 |
運営企業 |
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サービス詳細 |
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サービス資料 |
導入した企業の声
横浜消火器株式会社 特販営業部 石井 圭様:
導入目的は、掛売りを希望する法人のお客様に対応するため。URIHOを活用することで、新規のお客様に対しても積極的に掛売りをご案内できるようになったため需要にしっかりと応える事が可能になりました。
2. GMO BtoB売掛保証
(参照元:https://www.gmo-pg.com/lpc/urikake/)
サービス名 |
GMO BtoB売掛保証 |
キャッチフレーズ |
GMO BtoB売掛保証で安心のお取引を |
サービス概要 |
取引先の倒産・支払遅延が起きた際に、当社が保証金をお支払いすることで、貴社の売掛金の未回収リスクを軽減するサービスです。 |
向いてる形態 |
BtoB |
運営企業 |
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サービス詳細 |
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サービス資料 |
導入した企業の声
有限会社もくもくダイニング 代表取締役社長 中村雅子様:
導入目的は、コロナ禍で飲食業界の景況感が不安定となり、売掛金の回収ができない不安が大きくなったため。GMO BtoB売掛保証を活用することで、入金の不安を払拭することができました。