送受信メールを長期保存し、情報セキュリティ対策や内部統制に役立つ「メールアーカイブ」。ビジネスで取り扱う電子データを適切に管理する重要性が高まっている昨今、メールアーカイブの需要も増加傾向にあり、多彩なサービスが提供されています。ここでは、メールアーカイブを比較検討するポイントや導入時の注意点を説明します。
また、導入実績の多い代表的なメールアーカイブをご紹介します。実際に利用する企業の活用事例も交えながら、サービスの強みや特徴の解説を行います。自社の課題や目的に照らし、適切なサービスを見つけてください。
メールアーカイブの比較方法・選び方
メールアーカイブを比較選定する際のポイント
メールアーカイブを選ぶ際、チェックしておきたい比較ポイントは以下の4点です。
- 提供形態は自社に合っているか
- 保存容量は導入規模に合っているか
- 適切なセキュリティ対策が取られているか
- 料金体系は予算に合っているか
各項目を詳しく見ていきます。
■提供形態は自社に合っているか
メールアーカイブの提供形態には「オンプレミス」「クラウド」「アプライアンス」の3タイプがあります。それぞれの特徴は以下の通りです。
オンプレミス型 |
・自社にメールアーカイブ用のシステム環境を構築するタイプ ・導入費用は高いがカスタマイズ性に優れている ・手元にデータを保存したい場合に選ばれる傾向 |
クラウド型 |
・インターネット上に提供されているメールアーカイブサービスを利用するタイプ ・初期コストを抑えて手軽に導入できる。ただし、ランニングコストは発生 ・手軽に導入したい場合やモバイル対応したい場合に選ばれる傾向 |
アプライアンス型 |
・メールアーカイブ機能がインストールされた専用機器を利用するタイプ ・ユーザー数の増減に対応しやすい ・導入や運用の負荷を下げたいときに選ばれる傾向 |
タイプによって使い勝手や費用感が変わるため、自社に合った提供形態のものを選択しましょう。
■保存容量は導入規模に合っているか
メールの保存容量はサービス提供会社によって異なるため、自社の導入規模に対応できるかもチェックしておきたいポイントです。自社の従業員数・メールアカウント数・メールの送受信量・メール容量などを考慮に入れ、適切な保存容量があるサービスを選びましょう。
■適切なセキュリティ対策が取られているか
ビジネスメールには自社や取引先の機密情報が含まれているため、メールアーカイブを選ぶ際はセキュリティ対策についてもよく確認する必要があります。セキュリティ強化につながる機能としては以下のものが挙げられます。
- アクセス権限の設定
- 検索・閲覧履歴の保存
- アーカイブデータの削除・改ざんの防止
- ログ情報のレポート
- データの暗号化
■料金体系は予算に合っているか
料金体系は、1ユーザーまたは1メールアドレスあたりの単価が設定された月額制を採用しているサービスが多くなっています。また、料金プランでは、メールの保存期間や保存容量によって段階的に料金が変わるケースもあります。
月額料金のほかに初期費用やサーバー利用料、オプション費用が必要なサービスもあるため事前にチェックしてください。自社の利用規模・利用期間をふまえて概算を出すか、提供会社から見積もりを取り、予算に合うか確認しましょう。
課題・ニーズ別に見たメールアーカイブの向き・不向きの傾向
どのようなメールアーカイブを選ぶべきかは、自社の課題によっても変わってきます。
以下に課題・ニーズ別の向き・不向きの傾向をまとめました。
課題・ニーズ |
向き・不向きの傾向 |
---|---|
手間をかけずにメールアーカイブを導入したい |
クラウド型のメールアーカイブは、既存のメールシステムに容易に導入しやすい |
保存するメールを選別したい |
特定のアドレスやドメインのみ保存対象として設定できるメールアーカイブが便利 |
過去のメールを簡単に検索したい/監査で特定メールデータの提出を求められることがあり、スムーズに対応したい |
検索機能が充実しているメールアーカイブであれば多彩な条件で絞り込めるので、スピーディに必要なメールデータを抽出できる |
コンプライアンスに違反したメールの送受信を防ぎたい |
コンプライアン上で問題のある文字列を検知し、アラートを通知する機能があるメールアーカイブが適している |
メールの誤送信による情報漏えいを防ぎたい |
フィルタリング機能が搭載されているメールアーカイブであればメールの送受信を制御できる。また、添付ファイルを暗号化できるタイプなら、誤った宛先にメールを送信しても送付先で開封できないため、情報漏えいを未然に防ぐことができる |
内部統制のためメール改ざんをできないようにしたい |
管理者であっても改ざん・削除できないように設定できるサービスが適している。改ざんチェック機能を備えているタイプが便利 |
メールアーカイブの導入時に注意すべき点
メールアーカイブを利用する際は、以下の2点に留意しましょう。
■契約前にデモ版を試してみる
メールアーカイブは、どのような検索機能・管理機能が備わっているかによって使い勝手が変わってきます。自社にとって使いにくいメールアーカイブを導入すると、メリットを享受できなくなってしまうため注意が必要です。提供会社によっては無料のデモ版を用意しているところもあるので、契約前に試用し、自社に合った運用ができるかチェックしましょう。
■サポート体制を確認しておく
機能が充実したメールアーカイブを導入すると、運用開始時点でユーザーや管理者がつまずいてしまうケースが見受けられます。メールアーカイブを利用する際は、導入・運用時にどのようなサポートしてもらえるか事前に確認しておきましょう。
自社に適したメールアーカイブを選択しよう
ビジネスで取り扱う電子データの適正管理やコンプライアンス対策の重要性は、今後ますます高まることが予想されます。多彩な選択肢から自社に適したメールアーカイブを見極めるには、提供形態・保存容量・セキュリティ対策・料金体系をチェックすることが大切です。ここで紹介した比較選定ポイントを参考に、最適なメールアーカイブを見つけてください。
メールアーカイブサービス2選
1.Barracuda Message Archiver
(参照元:https://www.barracuda.co.jp/products/email-protection/message-archiver/)
サービス名 |
Barracuda Message Archiver |
キャッチフレーズ |
クラウドサービスのアーカイブにも対応、高速な検索 |
サービス概要 |
メールアーカイブの用途は年々進化し、今ではSOX法、関税法などの各種コンプライアンス準拠から情報漏えい対策、メールバックアップ、そしてOffice365やGoogle Appsなどのクラウドメールへの移行に、メールアーカイブは必要不可欠です。オンプレミスだけでなく、クラウドメールのメールアーカイブを用途と導入形式に伴い、自由に選択ができるBarracuda Message Archiver。効率的なインデックスを作成し、すべてのメールの自動保存が可能し、検索・復元性に優れ、運用効率の向上と、規定コンプライアンスニーズを満たします。 |
運営企業 |
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サービス詳細 |
導入した企業の声
テクノプロ・ホールディングス株式会社 ITインフラ部 ITインフラ課 シニアマネージャー サルマ ビナヤ様:
導入目的は、メールをアーカイブから検索してリストアする時間が1〜2時間どころか、数日がかりということもあったため。Barracuda Message Archiverを活用することで、検索などがスムーズに実行できています。
2.WISE Audit
(参照元:https://www.air.co.jp/wau/)
サービス名 |
WISE Audit |
キャッチフレーズ |
メール監査にお悩みのみなさまへ |
サービス概要 |
メールアーカイブ・フィルタリングシステムとは、 |
向いてる形態 |
BtoB/BtoC |
機能一覧 |
・クラウドメールのバックアップに |
価格 |
・価格はお問合せください |
運営企業 |
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サービス詳細 |