採用にまつわる業務を一元管理できる採用管理システム(ATS)。煩雑になりがちな応募者情報・選考フローの管理を効率化できるため、採用活動に採用管理システムを活用する企業が増えています。記事では、採用管理システムで実現できることや機能一覧、期待できる効果を紹介します。
採用管理システム(ATS)の導入を検討している方は以下の記事も参考にしてください。
採用管理システム(ATS) 22選|比較・選定ポイントとおすすめ「採用管理ツール」の特徴や活用事例
採用管理システム(ATS)とは
ATSは「Applicant Tracking System」の略語で、企業の採用活動をサポートし、一元管理するシステムです。日本語では「採用管理システム」と訳されています。
採用活動における業務は、求人情報の作成から始まり、求人媒体への掲載、応募者の管理・各種連絡、選考の進行管理など多岐にわたります。従来、応募者情報や選考状況の管理はExcelなどで行われることが多く、煩雑になりがちでした。
採用管理システムには一連の採用業務をシステム上で管理・完結できる多彩な機能が備わっているため、人事担当者の業務効率化を図ることができます。
採用管理システム(ATS)で実現できること
採用管理システムは、募集から選考、採用に至るまでの業務プロセスの効率化に役立ちます。具体的には以下の4項目に対応しています。
求人情報の作成・掲載
採用管理システムでは、システム上で求人情報や採用ページを作成することができます。フォーマットに従ってテキストや画像を入力するだけなので、職種別に複数用意する必要があっても効率よく作成できます。作成した求人情報を、求人サイトと連携して自動掲載することも可能です。
応募者情報の管理
応募者数が多い場合や複数の求人サイトを利用している場合、選考をスムーズに進めるためには応募者にまつわる情報を適切に管理する必要があります。採用管理システムを用いれば、応募者ごとに応募経路や選考ステータスが一目でわかるようになります。履歴書などの提出資料やメールのやりとりの履歴もシステム上で管理できます。
面接・選考フローの管理
面接の日程調整や選考プロセスの管理も採用管理システムで行えるようになります。候補日程を選択し、面接予定者に送信するだけで連絡が完了するので、これまでのようにメールで個別管理する必要がなくなります。また、選考プロセス・評価項目の登録や、面接の評価入力・合否判定も採用管理システムで実施できます。
内定者の管理
採用管理システムでは、内定通知ができるほか、入社までのコミュニケーションを円滑に行う内定者フォローの機能を備えたものも提供されています。内定後の辞退を抑止するうえで役立つ機能です。
採用管理システム(ATS)の導入で得られる効果
採用管理システムの導入により得られるメリットは、大きく以下の3つです。
採用スピードの向上
従来の採用業務はメールやExcelを用いて進められることが多く、手間や時間がかかっていました。採用市場の競争が激化している現在、スピード感のない採用活動は、優秀な人材を逃してしまう可能性を高めてしまいます。
採用管理システムの導入により、募集から選考、採用までのプロセス管理・情報管理を効率化できます。応募者とのコミュニケーションもスムーズに行えるようになるため、スピーディーな採用活動を展開できます。
情報共有がしやすくなる
採用活動をスムーズに進めるには、担当者間で応募者情報や選考状況をきちんと共有することが大切です。しかし、採用業務が属人化していると効率的に情報共有ができず、合否の判断や選考の遅れにつながる可能性があります。採用管理システムを用いれば、応募者や選考にまつわる最新データを一元管理できるようになるため、リアルタイムな情報共有が可能になります。
人為的ミスの防止
Excelやメールで採用業務を行っていると、タスク漏れや応募者への連絡漏れなどのミスが発生することがあります。採用管理システムでは応募者ごとのステータスやメールの履歴などを一元管理できるため、ケアレスミスを防止しやすくなります。問い合わせ対応などのタスクを着実に実行することは、応募者との信頼関係の構築にも役立ちます。
採用管理システム(ATS)の機能一覧
採用管理システムの主な機能を以下にまとめました。
機能 |
内容 |
---|---|
求人情報の作成 |
募集要項やエントリーフォームの作成・カスタマイズ |
ホームページ用の採用ページ作成 |
自社ホームページに掲載する採用ページを作成。検索で上位表示させるためのSEO対策を行えるシステムもある |
求人サイトとの連携 |
連携する求人サイトに求人情報を自動掲載 |
応募者情報の管理 |
・外部の求人サイト経由の応募情報をシステムに取り込む ・応募者のステータス(面接予定、内定など)を管理 ・履歴書などのファイルやメールの履歴管理 |
応募者のスクリーニング |
保有資格や実務経験数などの採用条件に従って応募者をスクリーニングする |
選考フローの管理 |
・応募から内定までの選考フローの設定 ・選考の評価項目の設定 ・選考の進捗状況、フェーズごとの通過数を管理 |
面接日程の調整 |
カレンダー機能と連携し、面接に進んだ候補者に対して面接の候補日時を連絡する |
オンライン面接/動画面接 |
・オンラインで面接を行う ・あらかじめ面接官による質問をシステムに登録し、応募者は回答した様子を録画する |
自動メール送信/メール管理 |
・書類選考や面接の合否によって、あらかじめ登録したメールを自動送信 ・メールテンプレート作成 |
集計・分析 |
・応募者数や内定者数の推移を集計 ・媒体別の集計 ・グラフや表の作成、Excel出力 |
内定者管理 |
・内定の通知 ・内定後のフォロー |
タスク管理 |
・面接予定や新着メールの件数を一覧化 ・対応が遅れているタスクの通知 |
どの機能が搭載されているかは製品によって異なります。選択の際は注意しましょう。
採用管理システム(ATS)でスピーディーな採用活動を実現
採用管理システム(ATS)を導入すると、選考プロセスにまつわる一連の業務を効率化できるようになります。従来のようにExcelやメールで個別に情報を管理する必要がなくなり、採用担当者の負担軽減・採用活動のスピード向上につながります。自社に適したATSを導入し、採用活動を適切かつスピーディーに行いましょう。
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