Webサイトを訪問したユーザーに対し、適切な情報を提供するWeb接客ツール(オンライン接客ツール、CXプラットフォーム)。「流入はあるのにコンバージョン率が低い」「離脱率が高い」といった課題の解決に役立つツールとして導入されるケースが増えています。本記事では、Web接客ツールの効果や基本機能などの基礎知識を解説します。
Web接客ツールの導入を検討している方は以下の記事も参考にしてください。
Web接客ツール 14選|比較・選定ポイントとおすすめ「オンライン接客ツール」の特徴や活用事例
Web接客ツールとは
Web接客ツールとは、実店舗と同じような接客体験を提供するオンラインツールです。Webサイトを訪れたユーザーごとにリアルタイムで適切なコミュニケーションをとり、疑問を解消したり購買意欲を高めたりします。
Webサイトには、以下のようにさまざまなニーズを持ったユーザーが訪問します。
- 商品・サービスについて詳細情報が欲しい人
- リピート購入を考えている人
- 他社と比較検討中の人
必要な情報やニーズはユーザーによって異なり、各段階に見合った情報を得られなければ離脱される可能性が高まります。そこで役立つのがWeb接客ツールです。個別の疑問・不安に対して適切な情報を提供したり、最適なコンテンツを表示したりすることでユーザーの利便性を高め、購買行動を促進します。
Web接客ツールで実現できること
Web接客ツールを用いれば、有益な顧客体験の提供が可能になり、各ユーザーのニーズに合わせたアプローチができるようになります。
顧客体験の創出
商品・サービスの機能や価格による差別化が難しくなっている昨今、あらゆる顧客接点における「顧客体験(CX:Customer Experience)」の重要性が高まっています。
Web接客ツールは「チャット型」と「ポップアップ型」の2種類に大別され、異なる顧客体験を創出します。
ポップアップ型 |
ユーザー属性や購入・閲覧履歴、滞在時間などに応じて特定のバナー・メッセージ・動画などのコンテンツを表示(ポップアップ)させる |
チャット型 |
ユーザーの質問に対し、オペレーターや自動応対のチャットボットが、チャット機能を用いてリアルタイムで対応する |
情報提供のパターンに違いはあるものの、どちらもユーザーの興味・疑問・迷いに寄り添い、適切な情報を提供する点では同じです。
ニーズに合ったタイムリーな情報提供
従来のWebサイトは、ユーザーの状態やニーズに合わせた情報の出し分けはできません。そのため、一方的な情報提供にとどまり、直帰・離脱を招く要因となっていました。Web接客ツールを用いると、Webサイトを訪問したユーザーの属性や行動履歴を可視化できます。これに基づいて、必要な情報をタイムリーに提供する“One to One”の個別対応が可能になります。
Web接客ツールで提供できる情報の例として、以下のものがあります。
- テキストメッセージ
- キャンペーンバナー
- レコメンドバナー
- クーポン発行
- チャット機能
- 資料請求・登録フォームなどへの誘導
Web接客ツールの導入で得られる効果
ユーザー満足度の向上
流入数を増やすことだけに力点を置いて流入後のフォローがないWebサイトでは、訪問者のニーズを十分に満たせず、満足度を下げてしまう可能性があります。競合サイトがひしめく昨今、訪問者にとって魅力あるサイトを作ることは、差別化を図るうえで重要です。 Web接客ツールを導入すれば、広告や検索によって流入した多様なユーザーに効率的かつ適切な接客ができ、満足度の向上につながります。
直帰率・離脱率の低下
せっかくサイトに訪問してもらっても、商品・サービスの疑問が解消されなかったり、購買意欲を促す情報がなかったりした場合、直帰・離脱されてしまいます。 Web接客ツールを活用することで、「こんな情報が欲しい」と感じたユーザーに対し、ポップアップやチャットで適切なコミュニケーションをとることができます。直帰・離脱を減らすとともに、滞在時間や回遊率の向上も期待できます。
コンバージョン率の向上
最終的に「買いたい」と思ってもらうには、商品・サービスへの納得感の醸成が必要です。しかし、通常のWebサイトでは「最後のひと押し」が難しく、カートに商品が入っているのに購入に至らない「カゴ落ち」なども放置されがちです。 その点、Web接客ツールがあれば、購入を迷っているユーザーにクーポンを配布したり、よくある質問に誘導したりでき、購買につなげやすくなります。
マーケティングへの活用
Web接客ツールによって取得したユーザーの各種データは、その後のマーケティングにも活用できます。性別・年齢などの基本属性をはじめ、サイト内の回遊状況や購入経験の有無など、これまで判然としなかった顧客情報の見える化により、商品・サービスの企画・改善に役立てられます。
コミュニケーションを通してユーザーのニーズを把握しやすくなり、より精度の高いOne to Oneマーケティングの実現が可能になります。
Web接客ツールの機能一覧
Web接客ツールの主な機能を以下にまとめました。
機能 |
内容 |
---|---|
ユーザー情報の収集 |
サイトに埋め込んだタグにより、サイト訪問者の回遊状況や購入履歴などを自動収集する |
分類・ターゲティング |
適切な接客アクションを行うために、サイト訪問者の属性や興味関心に基づいて分類しターゲティングする |
Web接客 |
事前に定めたターゲットに対し、必要な情報・コンテンツを提示する |
接客サービスの最適化 |
・ AIがWeb接客のデータを解析し、改善方法を提案する ・ABテストによる自動最適化 |
効果検証 |
・売上やコンバージョン率などを算出する ・ABテストでWeb接客をした場合・しない場合の効果の差を検証する |
外部サービスとのデータ連携 |
CRM、DMPなどの外部サービスのデータとユーザー情報を連携する |
また、ポップアップ型とチャット型の主な機能は以下の通りです。
ポップアップ型
ターゲティング |
適切な情報を提供するために、ユーザーを属性や閲覧行動などで絞り込む |
ポップアップ表示 |
ターゲティングしたユーザーに合わせて広告やクーポン、レコメンドなどを表示する |
レポーティング |
Webページの改善につながる分析結果が報告される |
チャット型
自動返答 |
・チャットボットによるテキストメッセージの自動配信 ・24時間365日、いつでも対応が可能 |
オペレーター機能 |
・オペレーターが個々の質問にリアルタイムに対応する ・チャットボットで対応しきれない質問にも対処できる |
会話ログの蓄積 |
問合せの内容をデータとして蓄積できる |
なお、Web接客ツールに搭載されている機能はサービスによって異なります。導入を検討する際は、必要な機能があるかどうかチェックするようにしてください。
成果アップにWeb接客ツールを活用しよう
Web接客ツールを利用すれば、ユーザーに適切な情報をタイムリーに提供でき、顧客満足度の向上や離脱率・コンバージョン率の改善につながります。ユーザーとのコミュニケーションや成果面で課題を感じている場合は、ぜひ導入を検討しましょう。
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