専用機器を用いて遠隔地と音声・映像をつなぎ、クリアでスムーズな会議環境を構築できる「テレビ会議システム」。会議のための移動コストや時間の無駄を省きたいというニーズが高まり、現在では様々なテレビ会議システムが提供されています。記事では、テレビ会議システムを選定するポイントや注意点を解説します。
また、導入実績の多い代表的なテレビ会議システムをご紹介します。実際に利用する企業の活用事例も交えながら、サービスの強みや特徴の解説を行います。自社の課題や目的に照らし、適切なサービスを見つけてください。
テレビ会議システムの比較方法・選び方
テレビ会議システムを比較選定する際のポイント
テレビ会議はWeb会議とは異なり、専用機器の設置が必要となります。テレビ会議システムを比較検討する際、とくにチェックしておきたいのは以下の5つのポイントです。
- 導入形態
- 同時接続可能な拠点数
- 操作性
- セキュリティ対策
- 料金
各項目を詳しく見ていきます。
■導入形態
テレビ会議システムを比較検討する際は、まず導入形態を確認しましょう。テレビ会議システムの導入形態は、自社サーバーを利用する「オンプレミス型」が主流ですが、最近ではインターネット回線を用いる「クラウド型」もあります。
オンプレミス型は自社サーバーを利用するため、自社のセキュリティポリシーや活用方法に応じた柔軟なカスタマイズ・運用が可能です。導入コストは高めですが、接続が安定しているというメリットがあります。
一方、クラウド型はネットワークの設定やメンテナンスが不要です。比較的、短期間・低コストで導入でき、社外とのミーティングにも使いやすいというメリットがあります。ただし、カスタマイズ性は低く、環境によっては接続が安定しない場合もあります。
■同時接続可能な拠点数
テレビ会議システムで同時に接続できる拠点数は製品によって異なります。多くの場合、同時接続可能拠点数は数カ所ほどですが、多地点接続に対応している製品であれば数十カ所以上の拠点との遠隔会議が可能になります。遠隔会議を実施する拠点数や会議の規模をふまえ、適切に運用できるシステムを選びましょう。
■操作性
テレビ会議システムは社内の様々な人が利用するため、操作の簡便性も重要な選定ポイントです。基本的な操作内容としては、システムのオン・オフやリモコン操作による映像の切り替えくらいですが、操作性は製品によって異なるので注意が必要です。
テレビ会議システムのユーザビリティが悪いと、会議をスムーズに進行できなくなることがあります。導入前にデモ機を借りて使用感をチェックしておくと安心です。
■セキュリティ対策
テレビ会議で機密情報を取り扱う場合は、適切なセキュリティ対策がとられているテレビ会議システムを選ぶ必要があります。通信の傍受や情報漏えいを防ぐために、以下のポイントを確認することをおすすめします。
- 送受信する音声や画像のデータが暗号化されるか
- セキュリティコードが二段階認証に対応しているか
- ネットワークの閉域化が可能か
■料金
テレビ会議システムを利用するには専用機材を一式揃える必要があり、専用回線の導入費用や機材搬入費などの諸費用もかかります。それらを含めた導入コストは、数十万円~数百万円と製品によって幅があります。
導入後は、保守サービス費用などの運用コストが必要です。接続する拠点数によって月額料金が異なる製品もあります。テレビ会議システムを導入する際は複数業者に相見積もりをとり、自社の用途や予算にマッチしたものを選定してください。
課題別に見たテレビ会議システムの向き・不向きの傾向
どのようなテレビ会議システムを選ぶべきかは、自社の課題によっても変わってきます。以下に課題・ニーズ別の向き・不向きの傾向をまとめました。
課題・ニーズ |
向き・不向きの傾向 |
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導入コストを抑えたい/スピーディに導入したい |
クラウド型のテレビ会議システムが適している |
自社のセキュリティポリシーが厳しい |
自社サーバーを用いてセキュアなテレビ会議環境を構築できるオンプレミス型のシステムが向いている。クラウド型の場合は、通信暗号化や二段階認証などセキュリティ機能が充実しているものを選ぶ |
会議の議事録作成を効率化したい/研修内容を録画して二次利用したい |
録音・録画機能が搭載されているテレビ会議システムであれば、会議や研修での発言内容やプレゼンに使用した資料画像を保管できる |
遠隔会議では、他拠点の人の顔を見ながら話し合いたい/遠隔研修では講師の映像を大きく表示させたい |
単画面・分割表示など、シーンに応じて画面レイアウトを変更できるテレビ会議システムが向いている。親機のレイアウト選択に依存せず、各拠点で任意にレイアウトを変更できるか確認する |
プレゼンテーション中は他拠点の音声を遮断したい |
片方向での通信モードに切り替えられるテレビ会議システムが便利 |
テレビ会議システムの導入時に注意すべき点
テレビ会議システムを導入する際は、次の2点に注意してください。
■各拠点の導入場所を確保する
テレビ会議システムを使用する際は、会議室などにモニターや専用機材をセッティングする必要があります。ある程度の設置スペースが必要となるため、導入前に候補場所を選定・確保しておきましょう。遠隔会議の実施場所が都度変わることが予想される場合は、キャスター付きの台に機材を載せて移動式にする方法もあります。
■運用ルールや操作方法を周知する
テレビ会議システムを社内で適切に運用するためには、運用ルールや操作マニュアルを作成し、社員に周知しておくことが肝要です。テレビ会議システムを利用できる会議の種類・規模や申請期限など、事前に実務上のルールを整えておけば社員はスムーズに利用できます。
最適なテレビ会議システムで遠隔コミュニケーションをスムーズに
自社に適したテレビ会議システムを選定するためには、導入形態や同時接続可能な拠点数、操作性、セキュリティ対策を比較することが大切です。導入・運用に必要なコストも製品によって異なるため、自社の用途や予算にマッチしたものを慎重に見極めましょう。最適なテレビ会議システムを選定し、拠点間の遠隔コミュニケーションを円滑かつ効果的に進めてください。
テレビ会議システム 3選「特徴」と「活用事例」
1.簡単テレビ会議システム「LoopGate」
(参照元:https://loopgate.jp/)
サービス名 |
簡単WEB会議・テレビ会議システム「LoopGate」 |
キャッチフレーズ |
オンプレミス・常時接続・テレビ窓口システムも可能! |
サービス概要 |
LoopGateは、安定した長時間の接続が可能な専用機を中心に、ノートPCやスマートフォンを用いて社外からも接続ができます。大画面の表示で相手の表情や様子がはっきりと分かり、音声も聞き取りやすく円滑な意思疎通ができるため、離れた拠点同士をつなぐ常時接続や、無人受付、テレビ窓口システム、重要な会議など、シーンに合わせて幅広い用途で活用できます。オンプレミス・閉域網・社内LAN・VPN・イントラネットにも対応可能です。 |
向いてる形態 |
BtoB/BtoC |
導入企業の傾向 |
ワンタッチでつながる簡単な製品を探されているお客様/常時接続・無人受付など新しい用途をご検討中のお客様/オンプレミス・閉域網にも対応できる製品を探されているお客様 |
機能一覧 |
・20年以上の実績で培った安定性 |
価格 |
・小会議室セット(~4名向け) 価格はお問合せください |
運営企業 |
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サービス詳細 |
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サービス資料 |
導入した企業の声
株式会社プレック:
導入目的は、ベトナム工場と東京の事業部との間で、製造や品質の確認などの日常的なコミュニケーションに課題を抱えていたため。LoopGateを活用することで、常時接続によって思い立った時に使うことができ、コミュニケーションがかなり円滑になりました。
2.V-CUBE Box
(参照元:https://jp.vcube.com/)
サービス名 |
V-CUBE Box |
キャッチフレーズ |
Beyondテレワーク |
サービス概要 |
「V-CUBE Box」は高画質・高音質で、国内外問わず安定した接続を実現できる拡張性の高い専用機型会議システムです。 |
向いてる形態 |
BtoB/BtoC |
機能一覧 |
・簡単接続 |
運営企業 |
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サービス詳細 |
3.Arcstar TV Conferencing
(参照元:https://www.ntt.com/business/services/voice-video/uc-conferencing/conferencing/tv-conferencing.html)
サービス名 |
Arcstar TV Conferencing |
キャッチフレーズ |
AI技術が融合されたTV会議サービス |
サービス概要 |
PCを利用するタイプと専用端末を利用するタイプの2種類があります。 |
向いてる形態 |
BtoB/BtoC |
機能一覧 |
・WebRTC接続 |
価格 |
・PC利用(IDタイプ) 3,000円 / 1ID・月 |
運営企業 |
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サービス詳細 |