顧客からの電話に対し、自動音声で案内をする「IVR(自動音声応答サービス)」。コールセンター業務の効率化や応対品質の向上に役立つさまざまな機能があります。ここでは、IVRで実現できることや機能一覧、導入するメリット・効果を紹介します。

IVRの導入を検討している方は以下の記事も参考にしてください。
IVR 5選|比較・選定ポイントとおすすめ「自動音声応答サービス」の特徴

IVR(自動音声応答サービス)とは

IVR(自動音声応答サービス)とは

 

IVR(Interactive Voice Response:自動音声応答)とは、顧客からの受電に対して自動音声ガイダンスで応対するシステム・サービスのことです。着信があると事前録音した音声ガイダンスが始まり、発信者のプッシュボタン操作に応じて案内メッセージを自動再生する仕組みになっています。

 

IVRには、コールの自動振り分けや折り返し予約などさまざまな機能が備わっており、導入すれば顧客対応業務の効率化・対応品質の向上が期待できます。主に企業のコールセンターで活用されていますが、インサイドセールスの強化に利用する企業も増えています。 

IVRで実現できること

IVRで実現できること

 

IVRを導入すると、主に3つのことを実現できるようになります。

相談内容に適したオペレーターに振り分けられる

コールセンターでは、顧客の相談内容に合った情報を提供する必要があります。IVRでは、着信時に「○○については1を、○○については2を」といった自動音声ガイダンスを流し、オペレーターにつなぐ前に顧客に相談内容を選択してもらうことが可能です。これにより、内容に対応できる適切なオペレーターに振り分けることができます。

 

  • 音声自動応答
  • コールの自動振り分け/スキルベースルーティング
  • ウィスパリング機能(問い合わせ内容をオペレーターに伝える)

混雑時や営業時間外でも案内・対応ができる

コールセンターでは、曜日や時間帯によって電話回線が混みあうことがあります。IVRを導入すれば、混雑時に掛け直しを促す音声ガイダンスを流したり、折り返し電話の予約を自動受付したりします。また、夜間や休日など営業時間外でも、自動音声による案内・対応が可能です。

 

  • 放棄呼対策
  • 折り返し電話予約(あふれ呼対策)
  • タイマー機能

指定した電話番号リストに一斉発信できる

IVRには、電話番号リストに一斉発信し、音声ガイダンスで情報提供・案内などができる機能があります。未入金者への督促やDM発送後のフォローコール、アンケート調査などに利用できます。架電リストを顧客管理システムで抽出・作成し、IVRに連携させることも可能です。

 

  • オートコール
  • アンケート
  • 外部システムとの連携

IVRの導入で得られる効果

IVRの導入で得られる効果


IVRを導入すると、以下の4つの効果・メリットが期待できます。

業務効率化・オペレーターの負担軽減

従来のコールセンターでは、オペレーターが電話に出るまで用件がわからなかったため、1件あたりの応対時間が長くなる傾向がありました。

 

IVRを用いれば、オペレーターは電話に出る前にコール内容を判別できるようになり、短時間でスムーズな応対が可能になります。また、オペレーターの知識・スキルに応じてコールが振り分けられることで、経験の浅いオペレーターでも安心して応対できるようになります。

人件費の削減

IVRを導入すれば、これまでオペレーターが行っていた簡単な案内や電話の取り次ぎなどを自動化できるため、人件費を削減することができます。

応答率の向上

コールセンターがシステム化されていない場合、すべてのコールにオペレーターが対応するため、電話回線がすぐに埋まってしまうケースがありました。IVRであれば、混雑時に適切な音声ガイダンスを流すことで電話回線を埋まりにくくし、オペレーターの応答率を高めることが可能です。

応対品質の向上

IVRによって電話の取り次ぎや折り返し電話予約などが自動化すれば、顧客は無駄な待ち時間を減らすことができます。また、用件に合ったオペレーターが担当することで、顧客は必要な情報をスムーズに入手できるようになります。 

IVRの機能一覧

IVRの機能一覧

 

IVRの主な機能を以下にまとめました。

 

機能

内容

音声自動応答

着信時、あらかじめ用意した音声ガイダンスを自動再生する

コールの自動振り分け/スキルベースルーティング

顧客の用件に対応可能なスキルをもつオペレーターに振り分ける。例えば、「ご注文については1を、支払いについては2を押してください」など相談内容を分類し、それぞれに適した担当者につながるよう設定しておく

放棄呼対策

電話回線が混みあってオペレーターにつながらないときに自動音声ガイダンスを流し、時間を置いて掛け直してもらうように促す

折り返し電話予約(あふれ呼対策)

電話回線が混みあってオペレーターにつながらない「あふれ呼(あふれこ)」が発生した場合、コールバックの予約を自動的に受け付ける

ウィスパリング機能

コールをオペレーターに転送する際、問い合わせ内容をオペレーターに通知する

タイマー機能

曜日や時間帯によって音声ガイダンスの内容を切り替える

音声録音機能

会話の内容を録音する

アンケート

オペレーターの応対品質などを聞く自動音声を流し、プッシュボタン操作で回答してもらう

オートコール

特定の顧客に自動発信し、音声メッセージを流す

外部システムとの連携

顧客管理システムなど外部システムとつないでデータを連携する

 

どの機能が搭載されているかはシステムによって異なります。選択の際は注意しましょう。

IVRで顧客応対品質を向上させよう

IVRを導入すれば、コールセンター業務を部分的に自動化できるようになるため、オペレーターの負担軽減・業務効率化につながります。また、自動音声ガイダンスやコールの振り分け機能によって応答率・応答品質を向上させることができ、顧客満足度の向上も期待できます。 

 

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