電子メールによるマルウェア感染や情報漏えいといったリスク対策に必須のメールセキュリティソフト(メールセキュリティクラウド)。サイバー環境におけるリスクが多様化している昨今、メールセキュリティソフトの選択肢も増えており、自社に最適なものを見極めるのが難しいという声も聞かれます。ここでは、メールセキュリティソフトを比較選定するときのポイントや導入時の注意点について説明します。
また、導入実績の多い代表的なメールセキュリティソフトをご紹介します。実際に利用する企業の活用事例も交えながら、サービスの強みや特徴の解説を行います。自社の課題や目的に照らし、適切なサービスを見つけてください。
メールセキュリティソフト・メールセキュリティクラウドの比較方法・選び方
メールセキュリティソフトを比較選定する際のポイント
メールセキュリティソフトを選定する際にチェックしておきたい比較ポイントは、以下の4点です。
- 必要なセキュリティ機能が備わっているか
- 導入形態は自社に合っているか
- 料金体系は予算に合っているか
- サポート体制が整っているか
各項目を詳しく見ていきます。
■必要なセキュリティ機能が備わっているか
メールセキュリティソフトを選定する際、まず確認しておきたいのはセキュリティ機能の範囲です。メールの送受信において懸念されるリスクは、ウイルス感染やスパムメールなどの外部的脅威、人的ミスによる誤送信、内部不正による情報漏えいなど多岐にわたるため、以下のような機能で防御します。
- 送信元の偽装判定によるブロック
- 受信メールの危険要素を無害化
- メールのフィルタリング
- 添付ファイルの暗号化
- 送信一時保留
- 上長承認機能
- BCC自動追加
どのような脅威・リスクに対応した機能が備わっているかは、製品によって異なります。また、特定の機能に特化したタイプや、多彩なセキュリティ機能を備えたオールインワンタイプがあるので、自社のニーズに沿って選定しましょう。
■導入形態は自社に合っているか
メールセキュリティソフトの導入形態は「クラウド型」「ゲートウェイ型」「エンドポイント型」の3タイプに大別されます。それぞれの特徴は以下の通りです。
クラウド型 |
・インターネット上で提供されているセキュリティサービスを利用するタイプ ・ベンダーのサーバーを利用するため自社で管理・運用の必要がなく、手軽に導入しやすい ・新たな脆弱性が見つかったときの機能のアップデート時期などはベンダーに依存する |
ゲートウェイ型 |
・自社のメールサーバーの周辺に専用機器を設置するタイプ ・端末数の制限なく構築でき、既存のメール環境に影響を与えることなく導入が可能 |
エンドポイント型 |
・メールを送受信する端末にソフトウェアをインストールするタイプ ・導入規模が小さくても利用しやすいが、導入数が多いとアカウントの管理が煩雑になりやすい |
最近はクラウド型が主流ですが、自社の事情に合わせて適した導入形態を選んでください。
■料金体系は予算に合っているか
メールセキュリティソフトの料金体系は月額制または年額制のものが多く、使用するユーザー数やメールアドレス数によって料金が変動します。初期費用が別途必要だったり、導入可能な最小単位が設定されていたりする場合があるので注意が必要です。料金がHPに掲載されていないところもあるため、費用感を問い合わせておきましょう。
■サポート体制は整っているか
メールセキュリティソフトを選定する際は、サポート体制についても確認しておくことをおすすめします。電話やメールで随時サポートしてもらえるベンダーであれば、最適なメールセキュリティ対策についてアドバイスがもらえ、障害などが発生した場合でも安心です。対応時間やサポートの範囲、料金の有無などをチェックしておきましょう。
課題・ニーズ別に見たメールセキュリティソフトの向き・不向きの傾向
どのようなメールセキュリティソフトを選ぶべきかは、自社の課題によっても変わってきます。以下に課題・ニーズ別の向き・不向きの傾向をまとめました。
課題・ニーズ |
向き・不向きの傾向 |
---|---|
メールセキュリティソフトを短期間で効率的に導入したい |
クラウド型のメールセキュリティソフトが適している。導入する端末数が少なければエンドポイント型もよい |
内部からの情報漏えい対策が不十分 |
送信一時保留機能や上長承認機能など、誤送信・内部不正対策を強化しているメールセキュリティソフトが向いている |
メールセキュリティ対策を包括的に強化したい |
多彩な機能が備わったオールインワンタイプのメールセキュリティソフトであれば、マルウェアやスパムメール、誤送信などあらゆるリスクに対応できる |
監査にスムーズに対応したい |
メールアーカイブ機能や検索機能、データエクスポート機能が充実しているメールセキュリティソフトであれば、監査にもスムーズに対応しやすい |
メールセキュリティソフトを使ったことがない/使用感を試したい |
無料のお試し期間があるメールセキュリティソフトがおすすめ |
自社にメールセキュリティについての知識・ノウハウがなく、適切に運用できるか不安 |
カスタマーサポート体制が整っており、導入時や運用時にアドバイスをしてくれるベンダーが適している
|
メールセキュリティソフトの導入時に注意すべき点
メールセキュリティソフトの導入によって注意したいのは、ソフトを過信することによる従業員のセキュリティ意識の低下です。効果的なメールセキュリティソフトを導入したからといって、すべての脅威・リスクを完全に防御できるとは限りません。そのため、導入後も従業員のセキュリティ意識を高く保つことが重要です。
心当たりのない送信元からのメールは安易に開封しない、メールに記載されているリンクや添付ファイルはむやみにクリックしないなど、基本的な対策がおろそかにならないよう従業員に注意喚起しましょう。
最適なメールセキュリティソフトで安全なメール環境を構築しよう
メールセキュリティソフトは、脅威やリスクの種類に応じたセキュリティ機能が備わっていることで効果を発揮します。そのため、選定の際は自社に必要な機能を洗い出し、それらが過不足なく備わっているかを確認してください。そのうえで、導入形態や費用感が自社にマッチするかチェックすれば、自社に適したものを絞り込めます。
ここで紹介したポイントを参考に、セキュアなメール環境を構築できるメールセキュリティソフトを選んでください。
メールセキュリティソフト・メールセキュリティクラウド6選
1.Barracuda Email Security Gateway
(参照元:https://www.barracuda.co.jp/products/spam/)
サービス名 |
Barracuda Email Security Gateway |
キャッチフレーズ |
ゲートウェイ型メールセキュリティソリューション |
サービス概要 |
バラクーダネットワークスのEmail Security Gatewayはスパムメール対策だけでなく、ウィルス対策、データ保護、暗号化、コンテンツフィルタリングなどを兼ね備えた、Eメールの包括的なソ リューションです。 |
運営企業 |
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サービス詳細 |
導入した企業の声
大阪商工会議所 経営情報センター 課長 古川 佳和様:
導入目的は、多いときには全体で1日30万通近くの迷惑メールが届いていたこともあり、担当者が1通1通メールの内容を確認する負担が大きかったため。Barracuda Email Security Gatewayを活用することで、毎日半日近くかかったメールの確認作業がほぼゼロになりました。
2.Symantec Email Security.cloud
(参照元:https://jp.broadcom.com/products/cyber-security/email/security-cloud)
サービス名 |
Symantec Email Security.cloud |
キャッチフレーズ |
業界で最高度に包括的な電子メールソリューション |
サービス概要 |
Microsoft Office 365、Google G Suite、オンプレミスの電子メールを保護。 |
向いてる形態 |
BtoB/BtoC |
価格 |
・価格はお問合せください |
運営企業 |
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サービス詳細 |
3.Anti Phishing Mail Gateway
(参照元:https://www.ditgroup.jp/service/product/apmg/)
サービス名 |
Anti Phishing Mail Gateway |
キャッチフレーズ |
フィッシングメール対策ソリューション |
サービス概要 |
「Anti Phishing Mail Gateway® (APMG®)」は、通常の電子メールを電子署名メール(S/MIME)へ自動変換する電子署名ゲートウェイソリューションです。 |
向いてる形態 |
BtoB/BtoC |
価格 |
・APMG® (Active) 3,600,000円 / 1サーバ当たり |
運営企業 |
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サービス詳細 |
4.OneOfficeメールソリューション
(参照元:https://www.oneoffice.jp/service/mailsolution/)
サービス名 |
OneOfficeメールソリューション |
キャッチフレーズ |
堅牢なインフラと万全の運用体制 |
サービス概要 |
≪セキュアなメール環境をクラウド上で実現します。安心・安全なメールセキュリティの提案ならお任せ下さい。≫ |
向いてる形態 |
BtoB/BtoC |
導入社数 |
約 1300 社 (2021年03月24日時点) |
機能一覧 |
・インバウンドセキュリティ |
価格 |
・価格はお問合せください |
運営企業 |
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サービス詳細 |
5.SecurityGateway
(参照元:https://www.wareportal.co.jp/products/sg/)
サービス名 |
SecurityGateway |
キャッチフレーズ |
ストレスなく高いセキュリティ |
サービス概要 |
≪ストレスなく高いセキュリティを維持できる統合メールセキュリティソフトウェア≫ |
向いてる形態 |
BtoB/BtoC |
機能一覧 |
・メールセキュリティ-外部対策 |
価格 |
・SecurityGateway 10-19ユーザー 4,500円 / ユーザー |
運営企業 |
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サービス詳細 |
6.セキュア「WEBメール」「ホームページ」サービス
(参照元:https://www.hirogin-its.co.jp/service/sec/index.html)
サービス名 |
セキュア「WEBメール」「ホームページ」サービス |
キャッチフレーズ |
セキュア「WEBメール」「ホームページ」サービス |
サービス概要 |
高度化・巧妙化するサイバー攻撃への対策となる「セキュリティソリューション」をワンストップで提供するサービスです。 |
向いてる形態 |
BtoB/BtoC |
価格 |
・価格はお問合せください |
運営企業 |
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サービス詳細 |