災害などの非常時に、従業員の安否状況を即座に把握できる「安否確認システム」。安否確認メールの送信・回答機能により、BCP(事業継続計画)対策の初動対応に役立ちます。ここでは、安否確認システムで実現できることや機能一覧、導入するメリット・効果を紹介します。

安否確認システムの導入を検討している方は以下の記事も参考にしてください。

安否確認システム・アプリ3選|比較・選定ポイントとおすすめ「安否確認サービス」の特徴

安否確認システム・安否確認サービスとは

安否確認システムとは

 

安否確認システムとは、地震・津波・台風などの災害発生時に、従業員の安否状況を把握するための法人向けオンラインツールです。安否確認メールを従業員に一斉送信し、各自が安否を回答することで、被害状況・被災状況を即座に確認できます。通知方法はメールが一般的ですが、ほかにもスマホアプリ、SMS(ショートメッセージ)など複数の手段を用意しているサービスもあります。

 

近年、日本では災害発生リスクが高まっており、企業によるBCP(事業継続計画)の策定が不可欠となっています。安否確認システムは、従業員の安全を守ることにくわえ、事業継続のための適切な判断・指示を行ううえでも重要なシステムとして、多くの企業が導入しています。

安否確認システム・安否確認サービスで実現できること

安否確認システムで実現できること


安否確認システムの導入により、以下の4つのことができるようになります。

安否確認メールを一斉送信できる

安否確認システムを活用すれば、災害発生時に即座に安否確認メールを一斉送信することができます。災害時にはネット回線、電話回線が不安定になることもあるため、サービスによっては、メールのほかにスマホアプリやSMS、電話など多様な手段でアクセスできるようにしているものもあります。

 

また、安否確認をする管理者が被災した場合でも、災害情報と連動した自動送信機能があれば、速やかに安否確認の通知を送信できます。以下に代表的な機能例を挙げます。

 

  • あらかじめ登録してある従業員・家族に一斉送信
  • 気象庁の災害情報と連動した自動配信
  • 送信状況の確認
  • 未回答者に自動再送信

安否の回答・状況報告ができる

安否確認メールを受け取った従業員は、メールの内容に従って自分の安否状況を回答します。回答手段は専用Webページやアプリ、メール、音声自動応答などがあり、システムによって異なります。

 

また、目視確認や他の人からの連絡により安否が確認できた場合、管理者が代理回答をすることも可能です。主な機能例は以下の通りです。

 

  • 安否状況の回答
  • 代理回答
  • 回答状況の確認
  • 既読・未読の確認

安否回答をリアルタイムに集計できる

従業員の回答データは、安否確認システム上でリアルタイムに集計されます。回答状況や出社可否、安否状況についてステータス別に集計・一覧表示されるので、従業員の状況を一目で把握できます。

 

  • 回答の集計
  • グループ別の集計
  • 集計結果のダウンロード

掲示板による情報伝達・共有ができる

一部のサービスには、掲示板の機能を備えたタイプもあります。安否確認以外にも、業務上の指示を出せたり、対策の話し合いができたりといったことが可能になります。

 

  • 掲示板機能

安否確認システム・安否確認サービスの導入で得られる効果

安否確認システムの導入で得られる効果

 

安否確認システムによって得られるビジネス上の効果・メリットは、以下の3点です。

安否確認業務を効率化できる

災害が発生したとき、企業はスピーディかつ正確に従業員の安否状況を把握する必要があります。しかし、従来のように従業員一人ひとりに電話やメールで安否を確認し、Excelに入力・集計するのは手間も時間もかかります。

 

その点、安否確認システムであれば、メッセージの一斉送信・回答・集計をシステム上で完結できるため、安否確認業務の効率化につながります。

災害時の社内連絡がスムーズにできる

災害時には、従業員に会社としての対応を共有したり、指示を出したりする必要があります。安否確認システムを導入すれば、従業員全員に現状や今後の方針を速やかに周知できるようになります。また、掲示板機能があれば、会社側と従業員の情報共有もスムーズに行えます。

BCP対策を強化できる

近年の日本は自然災害や感染症のパンデミックのリスクが上昇しており、企業の危機管理としてBCP(事業継続計画)の重要性も高まっています。しかし、電話と手作業によるアナログな安否確認方法では、事業継続に向けた初動が遅れてしまいます。安否確認システムを用いれば、全社の安否状況・被害状況をスピーディに把握でき、それに基づいた経営判断ができるようになります。

安否確認システム・安否確認サービスの機能一覧

安否確認システムの機能一覧

 

安否確認システムの主な機能を以下にまとめました。

 

<管理者向けの機能>

 

機能

内容

一斉配信

あらかじめ登録した宛先に安否確認メールを一斉配信する。

災害発生通知・自動配信

気象庁の情報(地震・津波など)と連動し、災害発生を管理者にメールで通知する。「震度5以上」など条件を設定しておくことで、安否確認メールを自動配信できるものもある

予約配信

指定した日時に自動的に安否確認メールを一斉配信する

自動再配信

未回答者に対し、回答があるまで安否確認メールをくり返し配信する

定型文の登録

一斉配信や自動配信に用いる安否確認メッセージの定型文を作成・登録する

代理回答

管理者が本人に代わって安否状況を回答する

回答の集計

安否状況や出社可否の回答を自動集計する。部署・エリア別の集計、集計結果のダウンロードも可能

グループ設定

ユーザー(従業員)を登録し、部署・エリアなどのグループ設定をする

メールアドレスのクリーニング

登録しているメールアドレスが存在するかチェックする。人事情報と連携できるシステムもある

権限設定

管理画面のアクセス権限を設定する

 

 

<従業員向けの機能・共通機能>

機能

内容

安否状況の回答

自分の安否状況を「安全」「軽傷」「出社不可」などの選択肢から選択・回答する。未送信・エラーなどの送信状況を確認できるものもある

掲示板機能

管理者や従業員がメッセージを掲載し、メンバー同士で情報共有ができる。家族内の掲示板として利用できるものもある

 

どの機能が搭載されているかはシステムによって異なります。選択の際は注意しましょう。 

BCP対策に安否確認システムを活用しよう

安否確認システムを導入すれば、災害発生時でも従業員の安否状況をスムーズに確認できるようになります。事業継続に向けた初動スピードを速めることにもつながり、企業のBCP対策としても有効な手段です。危機管理を強化したい場合は、安否確認システムの導入を検討してはいかがでしょうか。 

 

安否確認システムの導入を検討している方は以下の記事も参考にしてください。

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