基幹系・業務系システムやWebサービスの設計・開発を請け負うシステム開発会社(SIer)。システム開発にまつわる業務を一貫して任せることができるため、効率的な業務改善・課題解決が期待できます。ここでは、システム開発会社のサービス内容や利用するメリット、サービス利用の基本的な流れを紹介します。
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システム開発会社とは
システム開発とは、プログラミングやネットワーク技術を用いて業務効率を高める仕組みを構築することです。顧客のニーズに合わせて、実際にシステムを設計・開発するのがシステム開発会社です。
システム開発会社では、 業務を効率化・自動化するための基幹系システムや業務系システム、Webサービス・アプリなど、既存のパッケージソフトやアプリサービスでは対応しきれない、さまざまなシステムを一から作ることができます。用途に合わせたフルスクラッチ(完全オーダーメイド)のシステム開発も請け負っています。
システム開発会社のサービス内容
システム開発会社の主なサービス内容は以下の4つです。ただし、開発会社によって提供しているサービスは異なるので、事前に確認してください。
システム導入コンサルティング
システム開発を依頼したい企業の多くは専門知識を有していないケースがほとんどであり、どのようなシステムを構築すべきか、何から着手すべきかわからない場合が多いでしょう。
依頼主のニーズを汲みとり、具現化の方向性を示すのがシステム導入コンサルティングです。専任のコンサルタントまたはエンジニアが担当する場合が多く、現状分析から解決策となるシステムの提案まで行っています。
一口にシステムと言ってもその種類は多岐にわたり、得意とする領域は開発会社によって異なります。具体的なシステム例を以下に挙げます。
- 顧客管理システム
- 営業支援システム
- 受発注管理システム
- 販売管理システム
- 在庫管理システム
- 会計システム
- 人事管理システム
- POSシステム
- メールシステム
- 予約システム
- Webシステム・アプリ
- ECサイト
複数領域に対応できるところもあれば、業務システムやECサイト構築に特化した開発会社もあります。
要件定義・設計
システム開発における設計図となるのが要件定義です。依頼主の「こんなことを実現したい」という要望・要求レベルのものを、実際に開発できる「要件」へと細分化します。要件定義がシステム開発の成否を握るといわれるほど、重要な工程です。
具体的には、UI・機能・データなどの要件を整理し、依頼主の合意を得るという流れで進みます。要件が決まったら、ユーザー側から見える部分の外部設計をし、次いでプログラミングに必要な内部設計を行います。
開発・テスト
プログラミング言語やデータベースなどの技術を用いてシステムを開発します。この段階では、リリースに向けて不具合を修正するための各種テストを行います。
システム面では、プログラムごとに見ていく単体テスト、プログラムの組み合わせで不具合がないか確認する結合テストを行うのが一般的です。システムテストに問題がなければ、実際の環境下で問題なく動くか、運用テストを行います。
運用・保守
構築したシステムが正常に機能しているか管理し、必要に応じて保守作業を行います。不具合・エラー発生時の対応マニュアルの作成や、セキュリティの管理、バックアップ、改修作業などが含まれます。
システム開発会社を活用するメリット
システム開発会社を利用するメリットは、以下の3点です。
システムをオーダーメイドできる
業務のシステム化はパッケージソフトやアプリサービスによっても実現できますが、機能をカスタマイズしたい場合は不向きです。システム開発会社を活用すれば、自社の課題・ニーズに合わせてシステムをオーダーメイドすることが可能です。
人的リソース不足を補完できる
システム開発には、ソフトウェアやプログラミングについて高度な専門知識を有する人材が必要です。システム開発会社は、システム開発に特化した知識・スキル・ノウハウをもつエンジニアやプログラマーが所属するプロ集団。自社でシステム担当者を雇用・育成することなく要望を満たすシステム構築を実現できます。
効率的に運用できる
業務システムやWebシステムは、導入後もバージョンアップやトラブル処理などの対応が必要です。システム開発会社を利用すれば、システム開発だけではなく保守・メンテナンスなどのアフターフォローも任せることができます。サーバー管理やデータバックアップなどの作業を委託することで、社内の担当者はコア業務に集中できるようになります。
システム開発会社を利用する流れ
システム開発の進め方はさまざまですが、代表的なものは以下の2タイプです。
- ウォーターフォール型:事前に決めた工程に沿って順に開発する手法
- アジャイル型:スピード重視で実装と修正をくり返しながら進める手法
ここでは、現在のスタンダードであるウォーターフォール型について説明します。
相談
まず、システム化したい業務内容やサービスなどの要望を伝えます。システム開発の目的・予算・納期も含め、企画書にまとめて相談するとスムーズです。
提案・見積書の確認と契約
ヒアリング内容をもとに、システム開発会社がシステムの提案書・見積書を作成します。「要望を満たす内容か」「工期や費用の根拠はどうか」などを確認後、納得した場合は正式に発注し、契約書を締結します。
要件定義からシステム開発
依頼内容に従って、システム開発会社は以下の流れでシステム開発を進めます。
- 要件定義
- 設計
- 開発・プログラミング
- 各種テスト
納品
運用テストで問題がなければ納品となります。納品後に、導入・セットアップなどのサポートをしてもらえる会社もあります。
運用・保守
システム稼働後、システム開発会社は必要に応じて不具合やメンテナンスなどの対応を行います。
独自システムの構築はシステム開発会社に委託しよう
業務プロセスを改善するにはシステム化が近道です。自社のノウハウ・リソースが不足している場合でも、システム開発会社を活用すれば課題解決につながる基幹システムやWebサービスを一から設計・開発してくれます。独自のシステムを構築したい場合は、システム開発会社に委託することをおすすめします。
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