定型的なバックオフィス業務を自動化・効率化できるRPA。働き方改革や人手不足解消に役立ち、職場の生産性向上につながるとあって、RPAツールを導入する企業が年々増えています。ここでは、RPAで実現できることや機能一覧、期待できる効果を紹介します。

RPAの導入を検討している方は以下の記事も参考にしてください。

RPA 16選|比較・選定ポイントとおすすめ「RPAツール」の特徴や活用事例

RPAとは

RPAとは


RPAは「Robotic Process Automation」の略語です。手順が決まっている定型的なパソコン作業をソフトウェアに組み込まれたロボットが代行・自動化する概念のことを指します。RPAはRPAツールを用いることで実現できます。

 

これまで、業務の機械化・自動化は、主に製造ラインの組み立て作業といったブルーカラーの業務領域で進められてきました。しかし近年は、少子高齢化にともなう慢性的な労働力不足が深刻化し、デスクワークの業務効率化の必要性も高まっています。

 

RPAを用いれば、データ入力作業や集計・チェック、情報収集といったマンパワーを要する単純作業の自動化が可能となり、生産性向上に貢献します。とくに、定型作業の多い経理・総務・人事・営業事務の分野で多く活用されています。

RPAで実現できること

RPAで実現できること



RPAはデスクワークで多く発生する、以下のような作業の自動化を実現できます。

手順・ルールが決まっている単純作業

RPAを導入すると、「データをシステムに登録する」「システム間でデータを転記する」といったルール化しやすい単純作業の自動化が可能になります。具体例を以下に挙げます。

 

  • 受注情報をシステムに入力
  • 売上伝票・領収書・請求書の入力
  • 顧客情報を営業支援ツールに登録
  • 購買システムの発注データを経理システムに転記
  • 勤怠管理データを給与計算システムに転記
  • メールの添付ファイルをフォルダに格納

定型的な情報収集・分析

繰り返し行うことが多い情報収集・分析作業もRPAで自動化することが可能です。

 

  • インターネット上の他社情報や自社製品の口コミ情報などを検索・収集
  • 顧客情報や問い合わせ情報などのリスト作成
  • フォーマットが決まっている日次・週次レポートの作成

メールの送受信

RPAは手間のかかるメール対応の自動化にも役立ちます。

 

  • 定型メールの送信
  • 指定したファイルをメールに添付
  • 受信した添付ファイルを指定フォルダに格納

RPAの導入で得られる効果

RPAの導入で得られる効果
 

業務スピードの向上

バックオフィス業務では単純なデータ入力作業が定常的に発生しやすく、担当者は日々、一定の時間を割く必要があります。RPAを導入すれば、たとえば数人で1週間かかる膨大なデータ入力作業を半日で完了させることも可能です。人間のように休む必要がなく、24時間365日稼働できるため、作業スケジュールを大幅に短縮できます。

ヒューマンエラーの防止

単純作業は難易度が低いとはいえ、人間の作業にはミスがつきものです。作業量が増えればケアレスミスや作業もれが発生しやすくなります。その点、RPAは設定したルールに従って正確に作業を実行します。作業量・作業環境にかかわらず確実に作業を遂行するため、ミスによる損失を防止でき、業務の品質・信頼性の向上につながります。

コア業務に集中できる・生産性の向上

毎日のように発生する定型業務に追われていると、付加価値が高い仕事をする時間が削られてしまいます。RPAの導入によって日々の定型作業を省力化できれば、社員は重要度の高いコア業務に集中できるようになります。社員一人ひとりが創造性のある業務に専念できれば、職場全体の生産性向上が期待できます。

人件費の削減

RPAによって、マンパワーのかかる定型作業・単純作業を自動化すれば、人件費を削減することができます。深夜や休日に稼働しても残業代や休日出勤手当は不要です。また、退職や異動にともなって新たな人材を育成する必要がないため、採用コストや教育コストも削減できます。 

RPAの機能一覧

RPAの機能一覧

 

RPAツールに搭載されている主な機能を以下にまとめました。

 

機能

内容

自動化する業務の設定/シナリオ作成

・人によるパソコン操作を自動的に録画

・記録した手順に基づいて動作シナリオを自動作成

・シナリオの順序や実行条件を設定する

スケジュール設定

タスクの実行スケジュールをカレンダー機能などで設定する

データ入力/コピー&ペースト

テキスト・数値の入力やデータの転記作業

紙情報の電子データ化

紙に記載された情報を、スキャナ・OCRを利用して電子データ化する

チェック作業

入力値や書類の不備などをチェックする

エラー処理/アラート通知

・エラーなど特定の事象が発生した際に分岐処理を実行

・エラー発生時に管理者にアラートを通知

メール送信

ダイレクトメールや社内向けの通知メールなどを送信する

添付ファイルの自動保存

受信メールの添付ファイルを指定場所に格納・アップロード

PDFへの変換

文書ファイルをPDF化する

情報収集

Webサイトを巡回し、競合他社の製品情報や自社製品の口コミ情報などを収集

データ集計・分析

アンケートデータや顧客データなどを集計・分析する

モニタリング・レポート機能

タスクの実行状況や操作ログをモニタリングし、処理結果エラーをメールなどで通知する

ダッシュボード

社内のRPAの稼働状況を集中管理

 

どの機能が搭載されているかはツールによって異なります。選択の際は注意しましょう。

RPAツールで業務プロセスの改善を

RPAを導入すれば、デスクワークにおいて日々発生する定型作業の自動化を推進できます。担当者は手間のかかるタスクから解放されることで、より付加価値の高いコア業務に注力できるようになり、生産性の向上が期待できます。業務プロセスの効率化を進めるために、自社に適したRPAツールを選定・導入しましょう。

 

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