本記事では、株式会社シーラベルが主催する『DX事例合同ウェビナー』のレポートをお届けします。
2020年12月16日に開催した5社合同ウェビナーのテーマは、『マーケティングのDX成功事例』。
二つ目の登壇サービスは、世界No.1のソーシャル広告運用ツール『Smartly.io(スマートリー)』です。ベンダーのSmartly.io社 日本事業責任者 坂本氏と、ユーザー企業であるエン・ジャパン株式会社 プロモーション部部長 田中氏に、クリエイティブ制作を自動化した活用事例やプロダクトの特徴などをご紹介いただきました。
広告のパフォーマンスを向上させるために
坂本氏:
弊社はフィンランド発企業であるSmartly.ioと申しまして、僕はその日本展開を手掛けています。主に、FacebookやInstagramなどのソーシャルネットワーク系広告運用やクリエイティブ作成のツールを提供しています。
(smartly.ioの坂本氏)
SNS広告を運用されている会社にはおわかりいただけるかと思いますが、広告のパフォーマンスを上げるには、クリエイティブをたくさん作ってテストするサイクルをまわし続けなければなりません。そのような状況に課題を感じている会社は多いのではないでしょうか。
今回、活用事例をお話いただくエン・ジャパンさんは、この1年ほどSmartlyをゴリゴリに活用して、業務効率をかなり改善されています。さっそく、田中様に具体的な活用方法や成果についてお話しいただきます。
もし、弊社に直接話を聞きたいという場合は、僕(坂本達夫)の名前でFacebookやTwitterを開放していますので、お気軽にご連絡ください。
活用事例:エン・ジャパン株式会社
若年層会員を増やすためにSNS広告運用に注力
田中氏:
私からは、「SNS広告の運用をDX!」ということで「クリエイティブ制作の自動化」をテーマに事例をご紹介させていただきます。
私はHRテックプロダクトのデジタルマーケティングを行っております。その中で、SNSの広告運用にSmartlyを導入したのが、『エン転職』という転職サービスです。
エン転職は求人企業に広告を出稿していただき、その求人情報を求職者に届けるビジネスモデルです。そのため、エン転職の会員データベース(=求職者)が非常に重要です。
エン転職の会員数は右肩上がりに増えていますが、若手の会員比率を維持もしくは向上させたい。そこで、若手ユーザーにリーチできるSNS広告の運用に注力しています。
SNS広告で成果を出すには「量」が必要
ただ、1年前は問題がありました。広告運用のプロセスを3つに分けるとクリエイティブの制作・入稿・配信に分解できますが、SNS広告の運用は大量に生産して大量に入稿しないといけないという問題があります。この問題を解決するためにプロセスを細分化し、解決可能な課題の抽出を行いました。
例えば、1年前のようにSmartlyを使わずに新規広告を10本作る場合、慣れている人でもPhotoshopで制作に70分、1本7分程度かかっていました。さらに、Facebookへの入稿も10本だと30分程度かかります。画像アップロードから公開まで含めると10本のクリエイティブだけでも作業に合計100分程度かかってしまう状態でした。
月に1日だけなら100分くらいは捻出できるとはいえ、デザイン性を重視して訴求も色々と変えたものを作ろうとすると、10本どころではなくもっと大量に作成する必要があるんですよね。なぜなら、転職サービスに対するユーザーのニーズは多種多様で、希望の条件も人によって異なるからです。
当時はInstagram広告だけで月100本作っていました。Photoshopを使い、インハウスでクリエイティブの制作から広告の運用まで一気通貫で実施。、Facebook自身の広告プラットフォームだと作業工数が膨れ上がるため、大きな課題となっていました。
一言で言うと、大量生産はしんどい。これを解決したいと思っていました。
そんなときに、Smartlyを知りました。当時、実現したいと思っていたのは「挑戦に集中したい」ということ。「タスクに時間を消費したくない」かつ「広告の品質は維持・向上したい」の2つを、トレードオフではなく両立させたくてSmartlyを導入しました。
大量制作・入稿がラクラクに
次に、導入後の変化についてお話させていただきます。
大量生産したい広告たちを眺めていると、テンプレートをベースに作成できそうなものが多数あることがわかりました。
テンプレート型のデザインを要素分解してみると、資料のように、キャッチコピー2種類と背景画像(A・B・C)に分解することができます。
なぜ、要素分解の話をしているかというと、SmartlyではGoogleスプレッドシートと連携してクリエイティブを制作可能なツールが提供されているからです。使用する画像やコピーをスプレッドシートでデータベース化すれば、必要な情報を入力するだけで広告が作れてしまうんです。
しかも、それがFacebookに自動的に入稿される仕組みになっています。ここで、実際にSmartlyで広告を制作している様子をご覧いただきます。
まず、スプレッドシートに入力し、完了したらSmartlyを起動します。そして、フィードのリフレッシュと、キャンペーンの更新ボタンを順にクリックをするだけで、画像とテキストが入ったクリエイティブが作成され、キャンペーンへの入稿まで完成します。
Facebookの入稿画面に入らなくてもクリエイティブがすべて自動でインポートされるので、大量生産と入稿がラクラクにでき、劇的に工数を削減できました。
1年前はInstagram広告の制作・入稿に計100分かかっていましたが、Smartly導入後はテンプレート型の広告であれば、50秒で制作できるようになりました。入稿についても、Facebook画面で一つずつ行なうのではなく、Smartlyで一括でできるため、ボタンを押して数秒待つだけで完了できるようになりました。
チームの新しい挑戦が増加
それによって、チームの「新しい挑戦」が増加しました。日々、SNS広告のプラットフォームはどんどん増え、ルールもどんどん変化していきます。1日24時間と限られているなかで、制作・入稿業務に時間をかけていたときは新たな挑戦ができない状況でした。しかし、Smartlyを活用することで、チームで他にも新しいプロダクトを導入して運用を効率化したり、未経験の領域にトライしたりできるようになりました。
私は、マーケターに必要なことは、挑戦の時間を増やすことだと思っています。今日は5社登壇されていますが、それらのプロダクトを通じて、マーケターが新しいことに挑戦するためのヒントになれば嬉しく思います。
具体的な操作方法などについては、Smartlyの坂本さんに、もしくは我々に直接聞いていただいても構いませんので、FacebookやTwitterでお問合せください。Smartlyは非常にいいツールだと思いますので、ぜひご検討ください。ありがとうございました。
最後に
坂本氏:
Smartlyの営業マンのような素晴らしいトークをありがとうございました(笑)。
田中氏:
国内3人目のSmartlyの営業のつもりでプレゼンさせてもらいました。
坂本氏:
Smartlyを広めることは、御社にとってはあまり直接的なメリットがなさそうな気もしますが、なぜ熱心にお話してくださるのでしょうか。
田中氏:
簡単に言うと理由は2つあります。一つは、Smartlyの導入企業が増え、Smartlyユーザーの活用情報を共有できるようになれば、我々もSmartlyをもっとうまく活用できるようになると思うからです。
二つ目は、Smartlyは外資系のプラットフォームですから、私としてはこの素晴らしいサービスが国内から撤退されると困るからです(笑)。Smartlyを皆さんに検討してもらえると、最終的には僕もハッピーなんです。
坂本氏:
撤退にならないようがんばりますので(笑)、ぜひ皆さんもお気軽にお問い合わせいただければと思います。ありがとうございました。
■登壇者
Smartly.io Solutions株式会社 日本事業責任者
坂本 達夫
最先端のテクノロジーに明るい、デジタルマーケティングの専門家。楽天・Google・AppLovin を経て、2019 年 2 月より Smartly.io の日本事業立ち上げに参画。累計 35 社以上に投資実績のあるエンジェル投資家の顔も持つ。2008 年東京大学経済学部卒業。
エン・ジャパン株式会社 デジタルプロダクト開発本部 プロモーション部 部長
田中 奏真
2006年にエン・ジャパン株式会社に新卒入社。3年の広告営業を経て、Webマーケターに職種転換。2014年に年間MVPを受賞後、グループマネージャーに就任。2015年からプロモーション部部長。現在は7つのHRサービスのマーケティングを統括している。
■事例紹介企業
エン・ジャパン株式会社
- 住所:東京都新宿区
- 業種:サービス業
- ビジネス領域:就職・転職
- 従業員規模:1001~5000名
- HP:https://corp.en-japan.com/