文書をデジタル化して一元管理できる「文書管理システム」。煩雑になりがちな文書の分類や保管、更新履歴などを効率的に管理できるため、業種によらず導入が進んでいるツールです。ここでは、文書管理システムの機能一覧や導入のメリット、実現できることを説明します。

文書管理システムの導入を検討している方は以下の記事も参考にしてください。

文書管理システム14選|比較・選定ポイントとおすすめ「文書管理ソフト」の特徴や活用事例

文書管理システム・文書管理ソフトとは

文書管理システムとは

 

文書管理システム(文書管理ソフト)とは、PDFやWord、Excelなどの文書をデジタル化して管理するシステムです。

 

紙の書類を保管する場合、保管場所が必要となるうえ、印刷代・紙代といったコストも発生します。また、一般的なファイルサーバーでの保管では、膨大な文書の中から検索するのが困難だったり、操作ミスで削除してしまったりということも起こります。

 

文書管理システムは、文書の電子化により保管・管理の効率化を実現するとともに、スピーディな検索を可能にします。情報管理における安全性の確保、円滑な運用ができるという点からも、多くの企業で導入が進んでいます。

文書管理システム・文書管理ソフトで実現できること

文書管理システムで実現できること

 

文書管理システムの導入により実現できることは、大きく以下の3つです。

文書管理を効率化

文書管理システムの基本機能は、種類や部署などカテゴリーに分けた文書保管と管理です。以下の機能により、効率的な文書管理を実現します。

 

  • バージョン管理(最新版の明示、改訂履歴、旧版の検索)
  • 文書の保管期限や更新日をメールやポップアップで自動通知
  • 文書のライフサイクル(処理・保管・廃棄)を自動管理
  • 長期間利用されない文書を別管理(アーカイブ化)

安全な文書保管・管理

文書管理システムの導入により、安全性の高い文書保管・管理が可能となります。

 

  • フォルダ・文書ごとに操作権限(閲覧・編集・削除)を設定可能
  • 特定ファイルのダウンロード・印刷を禁止できる
  • 文書登録・改訂・削除などの承認ワークフローを設定可能
  • 改版、承認などの履歴を記録

スピーディな文書検索

文書管理システムには、高度な検索機能が備わっています。細かな条件指定により、スピーディに文書を検索することが可能です。

 

  • ファイル名・タグ・属性などの情報で文書を検索可能
  • 複数キーワード検索・絞り込み検索が可能
  • 指定した文字列による全文検索も可能

文書管理システム・文書管理ソフトの導入で得られる効果

文書管理システムの導入で得られる効果

ペーパーレス化の促進

紙ベースでの文書管理は保管場所の確保が必要となり、ファイルを整理するときも探すときも手間がかかります。また、経年劣化や災害時に消失するリスクもあります。文書管理システムの導入により、利便性を高めながらペーパーレス化を実現できます。

 

ほとんどの文書管理システムは、文書のOCR処理(光学文字認識によるデジタル変換)に対応しています。コピー機を使って紙の文書をスキャンし、電子文書としてシステムに蓄積することが可能です。また、一部のサービスでは、電子化した文書を自動整理する機能を備えたものもあります。文書の内容を識別して自動振り分けするため、スキャン前に書類を分別する必要がありません。面倒な作業を省略して、ペーパーレス化を促進できます。

旧バージョンの誤参照を防止

文書管理システムに取り込んだ文書は、最新バージョンがわかるように管理されます。このため、誤って古いバージョンの文書を参照してしまう心配がありません。

 

旧バージョンの文書を参照してしまうミスは、紙の文書管理やファイルサーバーによる文書管理を行っている場合に起こりがちです。文書管理システムを導入することで、こまめに文書整理したり更新履歴をチェックしたりといった手間を省くことができます。

手早い検索で業務効率を向上

一般的なファイルサーバーでは検索ヒット数が多すぎて、ほしい情報にたどり着けないといった状態が起こりがちです。文書管理システムには高度な検索機能が備わっているため、簡単に目当ての文書を探し出すことができます。

 

また、クラウド型の文書管理システムでは、ネット環境があるところなら、どこからでも文書を確認できます。移動先や会議などで急に資料が必要になった場合にも役立ちます。

文書管理システム・文書管理ソフトの機能一覧

文書管理システムの機能一覧

 

 

文書管理システムの主要機能を表にまとめました。

 

機能

特徴・詳細

文書登録機能

・各種文書(Word・Excel・PDFなど)を登録

・画像や動画ファイルの登録も可能

・コピー機でスキャンした文書を登録(OCR処理)

・サーバーの監視フォルダから一括登録

ファイリング機能

・登録した文書を自動仕分け

・追加情報(日付・作成者・属性・タグなど)を付与

・自動発番(文書番号を発番)

検索機能

・キーワード検索

・AND検索(複数キーワードで検索)

・OR検索(複数キーワードのいずれかを含む文書を検索)

・絞り込み検索

・マイナス検索(特定ワードを除外して検索)

・全文検索

文書管理機能

・文書ライフサイクルを自動管理

・未使用期間の長い文書を自動アーカイブ

・文書の期限をメール通知(契約書・指示書などの管理に使用)

・バージョン管理(最新版の明示・改版履歴の参照など)

・各種権限(閲覧・編集など)を設定

ワークフロー機能

・各種操作(文書登録・改訂・廃棄など)を承認 or 否認

・承認ルートを設定

連携機能

・他システムと連携(稟議決済システム・受注管理システム・会計システムなど)

運用管理機能

・言語設定(システムの言語を設定)

・ユーザー認証

・アクセス権の管理

・履歴閲覧(操作履歴・参照履歴などを閲覧)

・パスワード管理

文書管理システム・文書管理ソフトの導入メリットは多大

文書管理システムを導入すれば、文書管理を大幅に効率化できます。統一性のある管理が可能となり、文書検索スピードも向上します。ペーパーレス化を促進できることも、文書管理システムの導入メリットです。ただし、これらメリットを得るには、導入目的や課題を明確にして、自社に適する文書管理ソフトを選ぶことが肝要です。

 

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