デジタル化が進む昨今、様々な領域でクラウドサービスの活用が進んでいます。ビジネス面のメリットも多く、コスト削減やBCP対策に有効です。本記事では、クラウドサービスで実現できることや機能一覧、導入するメリット・効果を紹介します。
クラウドサービスの導入を検討している方は以下の記事も参考にしてください。
クラウドサービス 11選|比較・選定ポイントとおすすめ「クラウドサービス 」の特徴
クラウドサービスとは
クラウドサービスとは、インターネットを介してソフトウェアやデータ、サーバー環境などを提供するサービスの総称です。身近な例ではWebメールやSNS、オンラインストレージなどが挙げられます。
ビジネスにおいては、アプリケーションの開発環境やシステム構築に必要なインフラを提供するクラウドサービス(GCP:Google Cloud PlatformやAWS:Amazon Web Serviceなど)の活用も進んでいます。
クラウドサービスは、ハードウェアの導入やソフトウェアのインストールを行う必要がないため、コストや運用・管理の手間を大幅に削減することができます。また、インターネット環境があればどこでも利用できるため、リモートワークの普及に伴ってクラウドサービスの利用も加速しています。
なお、クラウドサービスの提供形態は「パブリッククラウド」と「プライベートクラウド」の2つに大別されます。それぞれの特徴は下記の通りです。
パブリッククラウド |
インターネット上で不特定多数のユーザーにサービスを提供するタイプ。複数のユーザーでクラウド環境を共有するため低コストで運用できる。 |
プライベートクラウド |
特定のユーザーがクラウド環境を専有して利用するタイプ。 用途に応じて柔軟にカスタマイズすることができる。 |
クラウドサービスで実現できること
クラウドサービスを導入すると、以下の3つを実現できるようになります。
インストール不要でソフトウェアを利用できる
従来、ソフトウェアはパッケージ製品として販売されていたため、インストールやアップデートなどの作業が必要でした。クラウドサービスは、設定作業不要ですぐに使い始めることができます。ソフトウェアのアップデートもベンダー側で行うため、管理や更新も不要です。
<サービス例>
- Gmail
- Slack
- Zoom
- freee
- Salesforce
- kintone など
設計不要でアプリケーションを開発できる
一般的なアプリケーション開発では、OSやデータベースなどの開発環境を構築する必要があります。クラウドサービスでは、アプリ開発に必要な環境をまとめて提供してくれます。ユーザーは、データベースのインストールやネットワーク設定などを行うことなく、開発環境を手に入れることができます。
<サービス例>
- AWS(Amazon Web Services)
- Microsoft Azure
- GCP(Google Cloud Platform)
- NEC Cloud PaaS
- Heroku など
開発環境(インフラ)を自由にカスタマイズできる
クラウドサービスでは、仮想化されたサーバーや共有ディスク、ネットワーク機器などのインフラをインターネット上で利用することができます。ホスティングサービスと比べて自由度が高く、ニーズに応じて柔軟なカスタマイズが可能です。
<サービス例>
- AWS(Amazon Web Services)
- Microsoft Azure
- GCP(Google Cloud Platform)
- FUJITSU Cloud Service
- IBM Cloud
- Oracle Cloud など
クラウドサービスの導入で得られる効果
クラウドサービスを導入することで、以下のようなメリット・効果が期待できます。
コスト削減
クラウドサービスを活用すれば、自前でサーバー構築やシステム開発を行う必要がないため、ソフトウェア導入にあたっての初期コストを大幅に削減できます。システムの運用・保守に要するエンジニアのマンパワーや、ハードウェアなどの資産管理も不要となり、人件費および固定資産税などのコストを抑えることも可能です。
また、クラウドサービスは利用量に応じて料金が変動する従量課金制を基本としており、コスト最適化にもつながります。
業務やサービス開発のスピード向上
クラウドサービスは、インターネットに接続できる環境であれば、どこからでもサービスを利用できます。外出先や移動中でも、必要なデータにアクセスして業務を進めることができるため、無駄なタイムロスを削減できます。また、アプリ開発やインフラ構築を支援するクラウドサービスを活用することで、自社サービスをスピーディに開発することができます。
BCP対策の強化
オンプレミスで様々なシステムを構築・運用している場合、地震や台風などの自然災害が発生した際に機器類やデータが破損・消失する可能性があります。クラウドサービスであれば、自社データは堅牢なデータセンターで保管されている上、定期的にバックアップデータを取得しているため、災害時でも業務を継続できる可能性が高いと言えます。
また、従業員が出社できない状況になったとしても、クラウドサービスを活用すればリモートワークで業務を続けることが可能です。
クラウドサービスの機能一覧
クラウドサービスは、提供する機能・サービスの範囲によって「SaaS」「PaaS」「IaaS」の3つに分類されます。それぞれの主な提供内容を以下にまとめました。
分類 |
機能・サービスの範囲 |
---|---|
SaaS(Software as a Service) |
提供範囲:ソフトウェア機能 ・電子メール ・グループウェア ・オンラインストレージ ・ビデオ会議ソフト ・顧客管理ソフト ・会計ソフト など |
PaaS(Platform as a Service) |
提供範囲:アプリケーション開発に必要な機能 ・OS ・データベース ・プログラム実行環境 など |
IaaS(Infrastructure as a Service) |
提供範囲:インフラ機能 ・OS ・サーバー ・ネットワーク ・ストレージ など |
提供内容はサービスごとに異なるため、選定時は注意しましょう。
クラウドサービスを活用してビジネスを推進しよう
クラウドサービスを活用すれば、インターネット上で様々なソフトウェアを導入・運用できる上、柔軟かつスピーディにアプリケーションやインフラを構築することができます。初期投資や運用・管理のコストを大幅に削減でき、リモートワークの推進やBCP対策にも有効です。
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