法人携帯(法人スマホ)とは、法人名義で契約できる携帯電話のことです。ビジネスに役立つ様々なサービスやオプションが提供されるメリットがあります。ここでは、法人携帯を導入する際に押さえておきたい比較選定ポイントと、課題別に見る向き・不向きの傾向、利用時の注意点を解説します。
また、導入実績の多い代表的な法人携帯をご紹介します。自社の課題や目的に照らし、適切なサービスを見つけてください。
法人携帯の比較方法・選び方
法人携帯を選ぶときのポイント
法人携帯を選ぶ際は、以下のポイントに留意しましょう。
■選定基準を明確にする
法人携帯(法人スマホ)の選定をスムーズに進めるには、まず自社にはどのようなサービスが必要なのかを整理することが肝要です。次のような点を社内で検討した上で、法人携帯の選定基準をまとめましょう。
- 法人携帯の主な使い方(社員間の通話、取引先との通話、クラウド活用など)
- サービス選定で優先すること(料金の安さ、サービスの手厚さなど)
- 端末の機種と導入台数
複数の部署に法人携帯を導入する場合は、各部署で携帯電話・スマホに対する要望を調査した上で、サービス選定基準を検討するという方法があります。また、個人携帯を業務利用している部署がある場合は、通話時間や使用機能なども調査するとよいでしょう。これらの作業を行うことにより、法人携帯の選定基準を定めやすくなります。
■提供元のタイプを検討する
法人携帯の提供元を大別すると、docomo、au、SoftBankなどのMNO(大手キャリア)と、MNOから借りた回線を使い格安SIM(格安スマホ)を提供しているMVNOがあります。
MNOは自社が保有する回線網を使い、法人向けモバイル通信サービスを提供しています。通信安定性の高さやサービスの手厚さ、オプションの豊富さがMNOの長所です。
一方のMVNOは、MNOのモバイル通信サービスより安価に利用できる点が大きなメリットです。ただし、実店舗を持たないサービスが多く、相談や問い合わせなどのサポートはMNOよりも簡略化されています。また、回線混雑の影響を受けやすい傾向にあり、時間帯によっては通信速度が低下する可能性がある点はデメリットといえます。
両タイプの特徴を押さえた上で、どちらの電気通信事業者が自社に適するか検討しましょう。
■サービスの特徴をチェックする
法人携帯を取り扱うMNO・MVNOには、それぞれの特徴があります。自社のニーズに合わせて、次のようなサービス面をチェックしましょう。
- 端末レンタルを提供している
- 国内通話料を定額にできる
- 契約回線間でデータ通信容量をシェアできる
- キッティングサービスを提供している
- 大手3キャリアから回線を選べる(MVNO)
たとえば、取引先との通話が多い企業は、国内通話料を定額化できるサービスが便利です。また、事業所ごとに使用回線を変えたい企業は、3キャリアの全てに対応するMVNOが適します。
自社のニーズとサービスのマッチングを考慮して、利用候補とするサービスを絞り込んでください。なお、MNO・MVNOの特徴をチェックする際は、取扱端末と対応端末も確認しておきましょう。
■オプションの充実度を比較する
法人携帯の利便性や安全性を高めるために必要となるのが、電気通信事業者が提供するビジネス向けオプションです。サービス選定では、次のようなオプションの充実度を比較しましょう。
- 通話オプション(社内通話定額、国内10分かけ放題など)
- MDM(モバイル端末を一元管理するシステム)
- セキュリティ(メールフィルター、端末認証サービスなど)
- FMC(携帯電話・スマホで内線電話の発着信ができるサービス)
- 提携SaaS(Web会議システム、グループウェアなど)
- リモートアクセス(モバイル端末と社内ネットワークを安全に接続するサービス)
ビジネス向けオプションの充実度はMNOのほうが手厚い傾向にありますが、MVNOにも有用なオプションを用意する事業者が多数あるので、サービス内容を詳しくチェックしましょう。
■見積もりで料金を比較する
法人携帯の導入を検討している企業の多くは、費用をできるだけ抑えられるサービスを検討しているでしょう。利用料金はMNOよりMVNOのほうが安価な傾向にありますが、通話時間によってはMNOの通話定額プランのほうが割安になるケースもあります。
また、アプリなどを多用する企業は、月々にデータ量の制限や料金も見ておく必要があります。自社の使い方をシミュレーションした上で、プラン内容を検討することがコストを最適化するポイントです。
課題・ニーズ別に見た法人携帯の向き・不向きの傾向
自社が抱える課題や要望によっても、利用に向く法人携帯のタイプが変わります。次の表を参考にして、自社にはどのような法人携帯が向くか検討してください。
課題・要望 |
向き・不向きの傾向 |
---|---|
通話メインで使いたい / 社外との通話料を安くしたい |
・国内24時間いつでも定額・国内24時間いつでも半額など、定額通話プランが充実しているサービスを検討する ・通話オプションはあるものの、10分かけ放題や3分かけ放題など定額化の範囲が限定的なタイプは使い方によって割高になることがあるため要注意 |
試験的に法人携帯を導入したい / 実用時のデータ通信量や電波の入り具合を確かめたい |
・MVNOはSIMカードを試用できるサービスが多い |
法人携帯を通じた機密情報の漏えいが心配 / 携帯電話・スマホによる写真撮影を禁止したい |
・カメラ機能なしの法人向け携帯電話を提供しているサービスを検討するとよい ・管理者用Webサービスでカメラ機能の使用を禁止できるサービスもある |
自社に適した法人携帯がわからない/スムーズに導入できるか不安 |
・企業の課題や現状をヒアリングした上で、最適な機種・プランの提案や導入サポートを行っているサービスが適している |
法人携帯の利用時に注意すべき点
法人携帯を導入する際は、利用ルールの策定と周知をしっかり行いましょう。ルールが曖昧なまま法人携帯を導入すると、機密情報の漏えいや通信コストの増大につながる場合があるため要注意です。
法人携帯として使う端末(携帯電話・スマホ)は高機能かつ多機能です。ただし、その機能性ゆえに、業務と無関係のWebサイトやアプリを社員が無断利用し、ウイルス感染や情報漏えいを招くリスクも生じます。また、私的なインターネット利用や通話がかさむと、通信コストが増大しかねません。
こうしたリスクを防ぐには、法人携帯の私的利用を禁止する、アプリケーションを無断インストールしないといったルールを定める必要があります。これに加えて、MDMによる端末の機能制御と利用監視を行うことにより、法人携帯の安全な運用が可能となります。
法人携帯で業務を効率化しよう
法人携帯の導入を成功させるには、まず電気通信事業者の法人向けサービスを詳しくチェックして、自社に適する事業者を見つけることが肝要です。サービス導入に際しては、法人携帯の利用ルールを明確に決めるとともに、端末管理ツール(MDM)を有効活用するよう努めましょう。
法人携帯 3選
1.ソフトバンク 法人携帯
(参照元:https://www.softbank.jp/biz/services/mobile/)
サービス名 |
ソフトバンク 法人携帯 |
キャッチフレーズ |
ソフトバンクだからできる、法人に特化したサービス |
サービス概要 |
ソフトバンクの法人向けモバイルサービス |
向いてる形態 |
BtoB/BtoC |
機能一覧 |
・主なサービス |
価格 |
・メリハリプラン 6,480円 / から・月 |
運営企業 |
|
サービス詳細 |
2.docomo 法人携帯
(参照元:https://support.ntt.com/business/purpose/detail/corporatecontract/)
サービス名 |
docomo 法人携帯 |
キャッチフレーズ |
おトク。便利。あんしん |
サービス概要 |
法人契約とは、法人名義で、携帯電話を一括管理することができる法人契約。ビジネスの利用シーンに合わせた料金プランや、ビジネスをもっと便利に、効率的にするサービスを活用できるなど、様々なメリットがあります。 |
向いてる形態 |
BtoB/BtoC |
機能一覧 |
・サービス一覧 |
価格 |
・価格はお問合せください |
運営企業 |
|
サービス詳細 |
3.KDDI 法人・ビジネス向け「法人携帯」
(参照元:https://biz.kddi.com/service/mobile/)
サービス名 |
KDDI 法人・ビジネス向け「法人携帯」 |
キャッチフレーズ |
お客さまのあらゆるビジネスシーンを幅広くサポート |
サービス概要 |
auケータイがお客さまのあらゆるビジネスシーンを幅広くサポートします。 |
向いてる形態 |
BtoB/BtoC |
機能一覧 |
・主なサービス |
価格 |
・価格はお問合せください |
運営企業 |
|
サービス詳細 |