「キッティングサービス」とは、IT端末のセットアップ・各種設定を請け負うサービスのことです。近年はテレワーク強化やオフィス移転に伴うIT機器の新規導入・リプレイスが増えており、キッティングサービスの需要も高まっています。本記事では、キッティングサービスを比較選定する際のポイントや利用時の注意点を説明します。
キッティングサービスを比較選定する際のポイント
キッティングサービスを選ぶ際、特にチェックしておきたいのは以下の3つのポイントです。
- サービスの範囲
- 対応可能な台数・端末
- 費用
各項目を詳しく見ていきます。
サービスの範囲
キッティングサービスの提供内容は各社で異なるため、まずはサービス内容・範囲が自社のニーズに合致しているかを確認する必要があります。
キッティングサービスの主な提供内容を以下に挙げます。
- キッティングの計画立案
- 端末・機器類の調達
- キッティング・各種設定の実施
- 運用・保守
また、キッティングの主な作業内容は以下です。
- 開梱、通電検査
- 周辺機器の接続
- BIOSの設定
- OSのインストールと初期設定
- 各種アプリケーションのインストールとライセンス認証
- ネットワーク環境の設定
- 各種ドライバーやツールの設定
- セキュリティの設定
- 動作確認
- 資産管理ラベルの貼り付け
提供会社によっては端末の調達や保守運用に対応していないところもあるため、必要な場合は注意して選びましょう。
対応可能な台数・端末
キッティングサービスを選定する際は、一回の依頼で対応可能な台数や、PC以外の端末への対応可否についても確認する必要があります。
提供会社によって、大量導入ではキャパシティが見合わないところや、「最小ロット20台以上」など下限を定めているところもあります。また、タブレットやスマートフォンを含めたマルチデバイスに対応可能なところもあれば、PCのキッティングに特化しているところもあります。
対応可能な台数・端末が自社の導入規模にマッチしている業者を選定してください。
費用
多くのキッティングサービスでは、作業項目ごとに「1台あたり〇円」と料金が設定されており、依頼内容・台数によって総額が変動します。基本料金とは別にオプション料金や配送料などが設定されている場合もあるため、検討時は複数の事業者に見積もりをとり、予算と合うところを選定しましょう。
課題・ニーズ別に見たキッティングサービスの向き・不向きの傾向
どのようなキッティングサービスを選ぶべきかは、自社の課題によっても変わってきます。以下に課題・ニーズ別の向き・不向きの傾向をまとめました。
課題・ニーズ |
向き・不向きの傾向 |
---|---|
短期間で大量のIT端末の導入を完了する必要がある |
大規模なキッティングセンターを備え、数百台~数千台規模の依頼にもスピーディに対応できる体制が整っている事業者が適している |
リプレイスによって不要になったPCを適切に処分したい |
キッティングに加え、不要になった機器類の回収・買取・データ消去も請け負っている事業者が向いている |
テレワークの強化によって管理対象のIT端末が増える見込みだが、リソース不足のため適切に運用できるか不安がある |
キッティング後の運用・保守サービスが充実している事業者であれば、オンサイトサポートや障害対応など、きめ細かなサポートが期待できる |
キッティングサービスを利用する際の注意点
キッティングサービスを利用する際は、以下の2点に留意しましょう。
導入するIT端末の種類・規模を明確にする
キッティングサービス会社は依頼主の要望に沿ってキッティングの計画を立てます。導入するIT端末の種類や台数が明確になっていないと、明確にスケジュールを立てることができず、稼働の遅れにつながる可能性があるため注意が必要です。依頼の際は、導入規模を明確にしておきましょう。
提供会社のセキュリティ体制を確認する
一般的に、キッティング作業は提供会社保有のキッティングセンター内で行われます。自社の機密情報が含まれた機器類を取り扱うこともあるため、依頼時は入退室管理や監視体制などのセキュリティ体制をよく確認しておきましょう。
自社に合ったキッティングサービスを見極めよう
IT機器の運用をスムーズにスタートさせるには、自社に合ったキッティングサービスを選ぶことが重要です。サービス内容や対応可能なIT端末の台数・種類は各社異なるため、まずは導入要件を整理した上で比較検討してください。