固定資産を一元管理し、減価償却計算や税務申告の効率化に役立つ「固定資産管理システム(固定資産管理クラウド)」。近年は多種多様な製品が提供されているため、効果的に運用するには自社に合ったものを見極めることが重要です。本記事では、固定資産管理システムを比較選定する際のポイントや導入時の注意点を説明します。

また、導入実績の多い代表的な固定資産管理システムをご紹介します。自社の課題や目的に照らし、適切なサービスを見つけてください。

固定資産管理システムの比較方法・選び方

固定資産管理システムを比較選定する際のポイント

固定資産管理システムを比較選定する際のポイント

 

固定資産管理システムを比較選定する際にチェックしておきたいポイントは、以下の4つです。

 

  • 自社の償却計算法・会計基準に対応しているか
  • 税制改正時に速やかにアップデートされるか
  • 自社の基幹システムと連携できるか
  • サポート体制が整っているか

 

各項目を詳しく見ていきます。

 

■自社の償却計算法・会計基準に対応しているか

まず確認しておきたいのは、自社が採用している減価償却の計算方法や会計基準への対応可否です。これらが自社基準に合致していないと、せっかく導入しても活用できないため注意が必要です。

 

例えば、償却費の一般的な計算方法(定率法・定額法・一括償却・均等償却など)は多くの固定資産管理システムが対応していますが、特別償却や割増償却などは非対応のものも見受けられます。自社の会計基準に則した償却計算ができるシステムを選びましょう。

 

また、現時点では日本の会計基準でも、将来的にIFRS(国際財務報告基準)を採用する予定がある場合はIFRSに対応しているかどうかも要チェックです。

 

■税制改正時に速やかにアップデートされるか

固定資産管理の領域では税制改正がしばしば行われ、そのたびに税率等の変更に伴うシステム改修が求められます。そのため、税制改正の際に速やかにアップデートが行われるシステムかどうかは重要なポイントです。クラウド型の固定資産管理システムは自動更新に対応しているものが多く、運用管理の負担を抑えられます。

 

なお、アップデート対応に別途料金がかかる場合もあるため事前に確認しておきましょう。

 

■自社の基幹システムと連携できるか

固定資産管理システムは、他のシステムと連携させることで業務をより効率化できます。連携可能なシステムには以下のものがあります。

 

  • 会計システム
  • 購買システム
  • 原価管理システム
  • 担保不動産評価管理システム
  • ERP

 

ただし、どのようなシステムと連携できるかは製品によって異なるため、データ連携したいシステムがある場合はあらかじめ確認しておきましょう。

 

■サポート体制が整っているか

合併や事業拠点の拡大などがあると固定資産の管理や償却計算が複雑になり、固定資産管理システムでどのように処理すればいいのかわからなくなることがあります。また、担当者の異動・退職によってシステム運用が滞ってしまうケースも見受けられます。

 

そのため、固定資産管理システムを選ぶ際は、ベンダーのサポート体制も確認しておきましょう。確認しておきたい項目は以下です。

 

  • サポート方法(電話、メール、リモートサポートなど)
  • 対応可能な曜日・時間
  • サポートスタッフの専門性(システムエンジニア、専門資格の有無など)
  • 料金の有無

課題・ニーズ別に見た固定資産管理システムの向き・不向きの傾向

どのような固定資産管理システムを選ぶべきかは、自社の課題によっても変わってきます。以下に課題・ニーズ別の向き・不向きの傾向をまとめました。

 

課題・ニーズ

向き・不向きの傾向

リース資産が増える予定なので、効率的な管理体制を整えたい

リース管理機能が強化されている固定資産管理システムであれば、契約管理やリース料・利子率の計算などを効率化できる

外注工事が多く、煩雑な建設仮勘定管理を効率化したい

建設仮勘定管理の機能が搭載されているシステムを選ぶ

会計・税務監査における固定資産管理情報の開示請求にスムーズに対応したい

過去の固定資産管理データの保管や検索・閲覧ができるシステムを選定する

固定資産管理システムを導入する際の注意点

固定資産管理システムを導入する際の注意点

 

固定資産管理システムを導入する際は、以下の2点に留意しましょう。

 

■固定資産管理のルールを設定・共有する

固定資産管理システムは、固定資産の取得から除却・廃棄まで一貫したルール・基準に基づいて運用する必要があります。固定資産の管理基準が明確でないと、入力内容・タイミングにバラつきが生じ、正確な資産状況を把握できなくなる可能性があります。そのため、まずは固定資産管理のルールを設け、関連部門に周知することが肝要です。

 

■定期的に棚卸しを実施する

固定資産管理システムではあらゆる固定資産を一元管理できますが、現物の確認や棚卸しを怠ると「いつの間にか備品が増えている」「廃棄したはずなのに現物が残っている」など、データとの不一致が生じる可能性があります。そのため、システムを導入しても定期的(年1〜2回)に棚卸しを行い、データと現物の状況が一致しているかを確認してください。

最適な固定資産管理システムを見極めよう

固定資産管理システムを選定する際は、まず自社の償却計算法や会計基準に対応する機能が備わっているか確認してください。そのうえで、税制改正時に自動的にアップデートが行われ、自社の会計システム等と連携可能なものであれば、効率的かつ効果的な運用が期待できます。ここで紹介したポイントを参考に、最適な固定資産管理システムを見つけてください。

固定資産管理システム 2選

1.動不動産管理クラウド

(参照元:https://propertydbk.com/service/)

サービス名

動不動産管理クラウド

キャッチフレーズ

スムーズで正確な固定資産管理を実現

サービス概要

「@プロパティ 動不動産管理クラウド」は、土地・建物の台帳機能(取得・売却)、営繕工事の管理機能と固定資産管理機能が連動しているため、スムーズで正確な固定資産管理を実現します。
また、消耗品・備品等の購入履歴や在庫残高把握等、動不動産管理に必要な機能をワンストップで提供します。

【特長】
①動不動産管理業務の精度・効率アップ
②資産ライフサイクルに適応
③情報共有・業務連携
④制度対応

(参照元:プロパティデータバンク株式会社 HP)

向いてる形態

BtoB/BtoC

価格

・価格はお問合せください

運営企業

プロパティデータバンク株式会社

サービス詳細

動不動産管理クラウドの詳細を見る

 

2.SmartFAM

(参照元:https://info.hitachi-ics.co.jp/product/smartfam/)

サービス名

SmartFAM

キャッチフレーズ

IoT時代のモノづくりの現場を、よりスマートに

サービス概要

SmartFAMは、製造現場で抱える課題の解決を支援するシステムです。
製造業をはじめ幅広い業種のお客様に御利用いただいています。

【利用用途】
1. 報告書作成業務の効率化
2. 履歴活用による保全業務の最適化
3. 設備保全管理業務の全社統一
4. 棚卸業務の効率化
5. 保全情報と稼働情報の連携
6. アフターメンテナンス業務への適用

(参照元:株式会社日立産業制御ソリューションズ HP)

向いてる形態

BtoB/BtoC

機能一覧

・台帳管理
・タブレット機能
・予備品管理・棚卸機能
・設備稼働データ管理
・予算管理 / 分析ツール連携

価格

・価格はお問合せください

運営企業

株式会社日立産業制御ソリューションズ

サービス詳細

SmartFAMの詳細を見る