顧客の声を効率的に収集・分析できるWebアンケートシステム。マーケティングの重要性が高まる昨今、数多くのサービスが登場しています。しかし、「自社に合うサービスの選び方がわからない」という担当者は多いようです。記事では、Webアンケートシステムの比較選定ポイントや課題別の選び方、導入時の注意点を解説します。
また、導入実績の多い代表的なWebアンケートシステムをご紹介します。実際に利用する企業の活用事例も交えながら、サービスの強みや特徴の解説を行います。自社の課題や目的に照らし、適切なサービスを見つけてください。
Webアンケートシステムの比較方法・選び方
Webアンケートシステムを選ぶときのポイント
Webアンケートシステムの種類は多岐にわたり、スペックや使い勝手もさまざまです。選択の際は、以下のポイントを基準に検討しましょう。
- 「クラウド型」か「オンプレミス型」か
- 必要な機能が搭載されているか
- フォーム数・設問数・回答数の制限はあるか
- 料金と機能のバランスはどうか
- セキュリティ対策はとられているか
各項目を詳しく見ていきます。
■「クラウド型」か「オンプレミス型」か
Webアンケートシステムは「クラウド型」と「オンプレミス型」に大別されます。
クラウド型はインターネット上のアンケートシステムで、サービスにアクセスして利用できるタイプ。保守・メンテナンスを要するITシステムを自社で保有する必要がなく、ほとんどの場合は月額の料金体系で手軽にWebアンケートを実施できます。
オンプレミス型は、パッケージ化されたソフトウェアを自社システムに設置するタイプ。システム設備の初期費用やライセンス費用がかかるなど、クラウド型に比べてコスト負担は大きくなりますが、カスタマイズ性が高いというメリットがあります。
また、個人情報を取り扱うアンケートの場合、自社のセキュリティポリシー上、クラウド型の導入が難しいケースがあります。その場合は、オンプレミス型も視野に入れて検討するとよいでしょう。
ただ、現在はセキュリティ対策が強化されているクラウドサービスも多くなっています。提供されているサービスの仕様をよく確認して検討しましょう。
■必要な機能が搭載されているか
Webアンケートシステムの基本機能は、Webアンケート作成・配信・回収・集計ですが、詳細スペックはサービスによって異なります。具体的には以下のような機能があります。
- アンケートフォーム作成
- 質問項目コピー&ペースト
- 回答画面の分岐機能
- 選択肢のランダム表示
- デザインのカスタマイズ
- アンケート配信設定
- 回答者へのメール配信
- 回答データダウンロード、リアルタイム集計
- レスポンシブ対応
- 外部システム連携
たとえば、アンケートデータを自社の既存システムと連携すればシームレスなマーケティング施策が可能になります。自社が実現したいことや導入の目的を踏まえ、必要な機能を取捨選択しましょう。
■フォーム数・設問数・回答数の制限はあるか
クラウド型のWebアンケートシステムの場合、フォーム数や設問数、回答数に制限が設けられていたり、制限を超えた場合は追加費用が発生することがあります。アンケートの頻度が少なく小規模な場合は問題ないですが、頻繁に利用したい場合は注意が必要です。利用頻度や規模を見通したうえで、問題なく実施できるプランが提供されているか確認しましょう。
■料金と機能のバランスはどうか
クラウド型のWebアンケートシステムの料金は幅広くなっています。無料タイプでも基本機能を備えているものが多く提供されていますが、セキュリティの責任は自社で担保しなければならないため注意が必要です。有料タイプは月額制が主流で、年額制や1回ごとに料金を支払うタイプもあります。また、多くのサービスでは、ベーシックプランやビジネスプラン、プレミアムプランなど複数のプランが用意されています。料金体系や機能の詳細を事前に確認し、予算に合うプランを選択しましょう。
■セキュリティ対策はとられているか
個人情報を取り扱うWebアンケートでは、セキュリティ面のチェックは非常に重要です。強固なセキュリティになっているか確認する目安として、以下の対応があるか確認しましょう。
- ISMS認証(情報セキュリティマネジメントの国際規格)
- データベース暗号化
- 不正アクセス対策
- 操作履歴の保存
- 承認フローによる情報流出防止
- IPアドレス制限
- 脆弱性診断
Webアンケートシステムの向き・不向き
自社の課題・ニーズによっても、選ぶべきWebアンケートシステムは変わってきます。以下に課題別の選び方をまとめたので、参考にしてください。
課題・ニーズ |
向き・不向きの傾向 |
---|---|
パソコン以外のデバイスだと表示が崩れてしまう |
スマホやタブレットでも整ったアンケート画面が表示されるレスポンシブ対応のサービスが適している |
回答率を上げたい |
未回答者にリマインドメールを自動送信するサービスがおすすめ |
アンケートフォームの見た目がブランドの世界観に合っていない |
フォントや色、背景などデザインの選択肢が多く、カスタマイズ性が高いサービスが適している |
集計作業に時間がかかる |
回答データを自動的かつリアルタイムで単純・クロス集計するタイプがおすすめ。棒グラフや円グラフで視覚的に表示されるタイプもあり、会議資料などに重宝する |
アンケート後の顧客とのコミュニケーションが不足 |
回答者へのサンクス・案内メールやメルマガ配信などアンケート後のフォロー機能が充実しているサービスが向いている |
顧客分析が不十分/顧客情報を活かしきれていない |
外部の分析ツール・システムと連携できるサービスが便利 |
ITリテラシーが低い/Webアンケート初心者 |
直感的に操作でき、システム導入からWebアンケート作成・集計まで手厚いサポートやアドバイスが受けられるサービスがおすすめ。365日24時間対応のサービスもある |
予算が少ない/コストを抑えたい |
基本機能に特化した無料または低価格なサービスが向いている。有料サービスの場合、無料トライアル期間があるタイプだとコスパ感を把握しやすい |
Webアンケートシステムの導入時に注意すべき点
Webアンケートシステムを導入する際は、以下の2点に注意しましょう。
■アンケートの目的を明確にする
利便性の高いWebアンケートシステムを導入しても、アンケートの目的があいまいだと機能を活かしきれません。事前に、「何のためにアンケートを実施し、データをどのように活用するか」を検討しておきましょう。
また、Webアンケートは対象者を絞ることも可能なので、回答者の属性や行動特性などのペルソナを設定しておくことも大切です。
■回答者に負担をかけない
Webアンケートは手軽に実施・回答できるところが魅力ですが、以下のようなアンケートだと離脱者が増える可能性があります。
- 設問数が多い
- 自由回答形式の設問が多い
- 質問文が長くてわかりにくい
- 専門用語が使われている
回答者の負担が大きく、わかりにくいアンケートは回答率が低下してしまいます。設問数は最小限に抑え、選択形式の設問をメインに構成しましょう。端的にわかりやすい言葉づかいにすることも大切なポイントです。
効果的なWebアンケートを実施するために
Webアンケートシステムを選定する際は、まずセキュリティ面で信頼できるかどうかが重要です。そのうえで、目的に合う機能の有無をチェックするのがポイントです。アンケートの規模・バリエーションや予算に合うものを選びましょう。
Webアンケートシステム 6選「特徴」と「活用事例」
1. Anky
(参照元:http://www.anky.jp/)
サービス名 |
Anky |
キャッチフレーズ |
BtoBに特化したiPadアンケート |
サービス概要 |
タブレットアンケートを選ぶ理由 |
向いてる形態 |
BtoB |
機能一覧 |
・名刺撮影+データ化 |
価格 |
・10台パック 250,000円 / 一回 |
運営企業 |
|
サービス詳細 |
2. Questant
(参照元:https://questant.jp/)
サービス名 |
Questant |
キャッチフレーズ |
アンケートをつくろう。 驚きを見つけよう。 |
サービス概要 |
Questant(クエスタント)は、ネットリサーチ国内実績No.1の「マクロミル」がつくった、セルフアンケートツールです。 |
向いてる形態 |
BtoB/BtoC |
価格 |
・無料プラン 0円 / 無料 |
運営企業 |
|
サービス詳細 |
3. SurveyMonkey
(参照元:https://jp.surveymonkey.com/)
サービス名 |
SurveyMonkey |
キャッチフレーズ |
世界で最も愛される無料のオンラインアンケートツール |
サービス概要 |
SurveyMonkeyのアンケートプラットフォームを使えば、簡単にフィードバックを測定・理解し、成長とイノベーションを推進することができます。 |
向いてる形態 |
BtoB/BtoC |
価格 |
・チームアドバンテージ 4,600円 / ユーザー/月 |
運営企業 |
|
サービス詳細 |
4. Zoho Survey
(参照元:https://www.zoho.com/jp/survey/)
サービス名 |
Zoho Survey |
キャッチフレーズ |
無料ではじめる顧客満足度調査・アンケート集計ツール |
サービス概要 |
数分でアンケートを作成。あらゆる端末を使うターゲット層向けに、リアルタイムで視覚的に表示できます。 |
向いてる形態 |
BtoB/BtoC |
機能一覧 |
・アンケート作成 |
価格 |
・無料 0円 / 無料 |
運営企業 |
|
サービス詳細 |
5. DIP Survey
(参照元:https://www.dipsurvey.com/)
サービス名 |
DIP Survey |
キャッチフレーズ |
クラウドWEBアンケート |
サービス概要 |
DIPSurveyは高機能なWebアンケートを低コストで簡単に導入できるだけでなく、これまでのASP,SaaS型のアンケートサービスと違い、目的に応じたカスタマイズ開発等にも柔軟に対応出来る、Webアンケートです。 |
向いてる形態 |
BtoB/BtoC |
機能一覧 |
・アンケート管理 |
価格 |
・ベーシック 7,000円 / 月額(1年契約) |
運営企業 |
|
サービス詳細 |
6. MOMONGAアンケート
(参照元:https://www.it-momonga.com/enquete/)
サービス名 |
MOMONGAアンケート |
キャッチフレーズ |
iPadアンケートなら MOMONGAアンケート |
サービス概要 |
2010年のiPad発売以来、10年間のサービス提供実績を誇るアンケートアプリMOMONGAアンケート。オフライン利用、リアルタイムでアンケート集計、名刺のデータ化など、ビジネスシーンに強い機能を搭載。展示会、イベント、営業先、会議など、活用事例多数!無料でお試しいただけます。 |
向いてる形態 |
BtoB/BtoC |
導入社数 |
約 6000 社 (2021年02月20日時点) |
機能一覧 |
・オフラインでアンケート |
価格 |
・フリープラン 0円 / 月 |
運営企業 |
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サービス詳細 |