従業員の健康情報を一元管理できる「健康管理システム」。健康診断やストレスチェックの管理、報告書作成などを効率化する機能が備わっています。ここでは、健康管理システムの機能と導入メリット、サービス導入で実現できることを解説します。

健康管理システムの導入を検討している方は以下の記事も参考にしてください。
健康管理システム 9選|比較・選定ポイントとおすすめ「ストレスチェックシステム」の特徴

健康管理システムとは

健康管理システムとは、企業の健康管理業務を効率化するサービスです。定期健康診断の準備や受診者管理、健診結果の管理などの各種業務を効率化します。また、ストレスチェックシステムを兼ねるサービスが多く、従業員50名以上の企業に義務づけられているストレスチェックにも役立ちます。

 

従業員の健康管理は、マンパワーを要することが多い業務です。たとえば定期健康診断を実施する際は、従業員への案内や希望日の確認、医療機関の予約など、多数の作業をこなさなければなりません。受診日の変更や無断キャンセルが生じれば、労務担当者の負担はさらに増大します。

 

こうした煩雑になりがちな業務を改善し、健康経営に貢献することが健康管理システムの役割です。従業員の健康状態を一元管理することで、従業員満足度や生産性の向上に役立ちます。

健康管理システムで実現できること

健康管理システムで実現できること

 

健康管理システムの導入によって実現できることは、大きく次の3つです。

定期健診業務を効率化

健康管理システムの導入により、定期健診業務を大きく効率化できます。システム上での健診予約や予約者確認などが可能となり、労務担当者の負担が軽減されます。

 

  • システムから健診案内メールを送信
  • 従業員自身で健診をWeb予約できる
  • キャンセル発生時の再予約もシステムで行える
  • 従業員の健診予約状況をシステムで管理
  • 未申込者に督促メールを送信できる
  • 健診結果から要再検査者を自動判定

ストレスチェックを効率化

健康管理システムの多くは、ストレスチェックサービスとして活用できます。ストレスチェックの実施から高ストレス者の判定まで、システムで効率的に行えます。

 

  • 従業員のPC・スマホでストレスチェックを受検(Web受検)
  • 高ストレス者を自動で判定
  • 産業医の面談予約
  • チェック結果の集団分析を自動化

健康関連データの管理を効率化

健康管理システムは健康関連データの管理に役立ちます。健診結果やストレスチェックの結果などをシステムに記録して、データベースとして活用することができます。

 

  • 健診結果をデータ化してシステムに記録
  • 過去の健診結果票をCSV形式でインポート
  • ストレスチェックの結果を経年管理
  • 産業医による面談の記録を保存
  • 勤怠データをCSV形式でインポート(労働時間の確認に利用)
  • 「定期健康診断結果報告書」作成用データを出力できる

健康管理システムの導入で得られる効果・メリット

健康管理システムの導入で得られる効果・メリット

 

健康管理システムを導入するメリットは、次の3つです。

健康管理業務の工数を削減

健康管理システムの導入により、従業員の健康管理に要する工数を削減できます。各種手続きと情報管理がシステムに集約され、次のような効果を得ることができます。

 

  • 健康診断に関する問い合わせが削減される
  • 健康診断の日程調整がほぼ不要になる
  • 健診結果のファイリングやExcel入力が不要になる
  • ストレスチェックの実施と結果管理の手間が削減される
  • 産業医との情報共有や連携が効率化される
  • 健康関連データの集計や分析の手間が削減される

 

上記のような効果により、健康管理業務の工数と所要時間が大幅に短縮されます。結果的に業務コストも削減され、ほかの業務にリソースを割く余裕が生まれます。

健康管理業務のテレワーク化を実現

健康管理システムは、テレワーク環境など社外での健康管理業務を可能とし、労務担当者の負荷を軽減します。

 

紙の書類やExcelで健康管理業務を行う場合、時期によってはテレワーク中の労務担当者の出社が必須となります。たとえば、健康診断の受診者数の確認や健診結果の確認、労働基準監督署への提出書類の作成など、オフィスで作業にあたらなくてはならない業務があります。

 

健康管理システムを導入すれば、上記のようなシーンでの出社が不要になります。加えて、産業医との情報共有もシステム上で行えるようになるため、テレワーク中でも適切な健康管理体制を維持できます。

健康経営の推進

健康経営を推進するには、従業員の健康に関する課題の発見と、施策の検討、効果測定まで行う必要があります。これらを実現するには、多様な健康データを管理する仕組みが必要です。

 

そこで役立つのが健康管理システムです。健康管理システムには、健康診断やストレスチェックの結果、勤怠データなどを記録できます。また、各部署の健康課題を集団分析機能で可視化でき、改善策実施後の経年変化もデータで確認することが可能です。

 

これら機能で課題発見と効果測定のサイクルを回せば、着実に健康経営を推進できます。結果的に、従業員満足度の向上や離職率低下などのメリットも期待できます。

健康管理システムの機能一覧

機能

特徴

健康診断サポート機能

 

 

●従業員向けの機能

・システム上で健康診断を予約できる(Web予約機能)

・健診オプションの選択が可能

・特殊健診や特定業務従事者健診の予約が可能

●管理者向けの機能

・管理画面で受診状況を確認できる

・健診予約者へリマインドメールを自動送信

・未受診者に督促メールを送信

・健康診断結果をデータ化

・要再検査者を自動判定

ストレスチェック機能

・システム上でストレスチェックを実施

・従業員のPCやスマホで受検できる

・検査結果から高ストレス者を自動判定

・産業医との面談予約機能

データインポート機能

・従業員情報をCSVでインポート

・健康診断データをCSVでインポート(過去のデータや医療機関から直接入手したデータをインポート)

・勤怠データをCSVでインポート

健康データ管理機能

・健康診断データを経年管理(特殊健診・特定業務従事者健診の診断データを含む)

・ストレスチェックのデータを経年管理

・産業医との面談記録を管理

・就業判定の結果を管理

データ分析・出力機能

・ストレスチェックのデータから集団分析を実施

・勤怠データから過重労働のリスクを検出

・「定期健康診断結果報告書」用のデータを出力

健康管理システムを健康管理に活かそう

健康管理業務の効率化や健康経営の推進など、健康管理システムは多数のメリットをもたらします。ただし、サービス選定は慎重に行ってください。機能やコストを比較して、自社に適切なサービスを選ぶことが肝要です。

 

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