自社PCのデスクトップ環境をサーバーで一元管理し、テレワーク環境の構築に役立つ「VDI(Virtual Desktop Infrastructure:仮想デスクトップ)」。テレワークを推進する企業が増えている昨今、VDIの提供数も増えており、選び方がわからないという声も聞かれます。本記事では、VDIを比較選定する際のポイントや導入時の注意点を解説します。

また、導入実績の多い代表的なVDIをご紹介します。自社の課題や目的に照らし、適切なサービスを見つけてください。

VDIの比較方法・選び方

VDIを比較選定する際のポイント

VDIを比較選定する際のポイント

 

VDIを検討する際にチェックしておきたいポイントは以下の3つです。

 

  • 仮想デスクトップの展開方式
  • 提供形態
  • 費用

 

各項目を詳しく見ていきます。

 

■仮想デスクトップの展開方式

VDIで仮想デスクトップを実現する方式はツールごとに異なります。

 

具体的には、「仮想デスクトップを作成する方式」と「仮想デスクトップをユーザーに割り当てる方式」に違いがあるため、自社で運用しやすい方式のものを選ぶ必要があります。

 

各方式の特徴は以下の通りです。

 

<仮想デスクトップ作成方式>

  • フルクローン方式
    必要な台数分の仮想デスクトップを独立した形で作成する方式。初期セットアップやアップデート等は個別に行う必要があり、十分なストレージを要する。
  • リンククローン方式
    仮想デスクトップで共通するOSやアプリケーションをユーザー全員で共有し、差分となるデータや個別設定のみを保持する方式。ストレージの消費量を抑えることができる。

 

<ユーザー割り当て方式>

  • 専用割り当て方式
    ユーザー一人ひとりに専用の仮想デスクトップを割り当てる方式。ユーザー数分の仮想デスクトップが必要だが、カスタマイズの自由度は高い。
  • 流動割り当て方式
    ログイン時に空いている仮想デスクトップを割り当てる方式。用意する仮想デスクトップの数を抑えることができ、効率的な運用が可能。

 

■提供形態

VDIの提供形態は「オンプレミス型」と「クラウド型(DaaS:Desktop as a Service)」の2タイプに大別されます。それぞれの特徴は以下です。

 

<オンプレミス型>

自社のデータセンターに仮想デスクトップ環境を構築するタイプ。

  • 初期コストが大きい
  • 自社で管理・運用する必要がある
  • セキュリティ性が高い
  • 自由にカスタマイズできる

 

<クラウド型(DaaS)>

ベンダーが提供するサーバー上の仮想デスクトップを利用するタイプ。

  • 初期コストを抑えられる
  • ベンダーが管理を行うため自社の運用負荷が少ない
  • ユーザーの増減に対応しやすい
  • カスタマイズできる範囲は限定的

 

自社の運用方法や予算に合ったタイプを選定してください。

 

■費用

VDIの料金体系は提供形態や製品ごとに異なるため、自社の予算にマッチしているかよく確認する必要があります。

 

オンプレミス型では仮想デスクトップ環境の構築費用に加えて、管理・メンテナンス等の運用コストがかかります。

 

一方、環境構築費用が不要なクラウド型(DaaS)は利用量に応じた従量課金制で、1ユーザーあたりの月額制や時間制のものが一般的です。

 

詳しい料金体系を公開していないベンダーも多いので、まずは自社の導入規模や運用方法を明確にして複数社に見積もりをとることをおすすめします。

課題・ニーズ別に見たVDIの向き・不向きの傾向

どのようなVDIを選ぶべきかは、自社の課題によっても変わってきます。以下に課題・ニーズ別の向き・不向きの傾向をまとめました。

 

課題・ニーズ

向き・不向きの傾向

仮想デスクトップの運用管理の業務負担・コストを抑えたい 

リンククローン方式&流動割り当て方式に対応したVDIが適している

VDIの運用・セキュリティ構築は自社システム部門でフルコントロールしたい

オンプレミス型のVDIであれば、自社の運用方法やセキュリティ要件に応じたカスタマイズ構成が可能

まずは営業部門のみに導入し、徐々に導入範囲を拡大したい       

ユーザー数の変動に応じて契約体系を変更できるクラウド型VDI(DaaS)が適している

社外での業務にスマホやタブレットを使用することも多い

マルチデバイス対応のVDIを導入する

VDIの使い方や運用方法がいまいち理解できておらず、導入に踏み切れないでいる

無料トライアルが利用できるVDIであれば、導入前に操作方法や使用感を試すことができる

VDIの導入時に注意すべき点

VDIの導入時に注意すべき点

 

VDIを導入する際は、以下の2点に留意しましょう。

 

■運用に合ったサイジングが必要

VDIの失敗例として多いのは、サーバーへのアクセス集中によるレスポンス速度の低下です。主な原因としては、サーバーやストレージのサイジングが運用実態に見合っていないことが挙げられます。VDI導入時は、従業員の業務実態や作業のピーク時間などを調査し、適切なサイジングを行うことが重要です。

 

■ネットワーク障害に弱い

VDIはネットワークを介してデスクトップ環境を利用するため、ネットワーク障害が発生すると業務を遂行できなくなってしまいます。障害時の対応方法はあらかじめベンダーに相談し、自社で適切な体制を整えておきましょう。

自社の運用に合ったVDIを導入しよう

効果的に運用できるVDIを選定するには、仮想デスクトップの展開方式や提供形態が自社に合っているかを見極める必要があります。まずは自社の運用方法やユーザー規模、予算を精査し、費用対効果の面でも納得できる製品を選びましょう。

VDI 4選

1.HPE Synergy

(参照元:https://www.hpe.com/jp/ja/integrated-systems/synergy.html)

サービス名

HPE Synergy

キャッチフレーズ

HPE Synergy

サービス概要

効率向上と制御、およびITリソースの迅速な展開が、単一のインターフェイスによって行えます。
強力なソフトウェアデファインドソリューションであるHPE Synergyを活用すれば、物理/仮想コンピュート、
ストレージ、およびファブリックリソースの可変的プールをあらゆるワークロードの構成に組み込むことができます。

【特長】
・あらゆるワークロードに1つのインフラストラクチャ
・クラウド並みのスピードと規模で展開
・日常的な運用を自動化
・アプリケーションを迅速かつ効率的に開発
・クラウドサービスとして利用する

(参照元:日本ヒューレット・パッカード株式会社ホームページ)

向いてる形態

BtoB/BtoC

価格

・価格はお問合せください

運営企業

日本ヒューレット・パッカード株式会社

サービス詳細

HPE Synergyの詳細を見る

 

2.ConoHa VPS

(参照元:https://www.conoha.jp/vps/)

サービス名

ConoHa VPS

キャッチフレーズ

VPSをもっと速く、 かんたんに

サービス概要

ConoHa VPSは初期費用なし、ひと月514円から使用できます。
豊富なテンプレートイメージと高速SSDによって、
たったの25秒で「今すぐ使える」サーバーが作れます。

【特長】
・すぐに使えるVPS
・初期費用は無料
・直感的に使えるコントロールパネル
・種類豊富なテンプレート
・SSD標準、超高速VPS
・ゲームのマルチプレイがすぐに楽しめる

(参照元:GMOインターネットホームページ)

向いてる形態

BtoB/BtoC

機能一覧

・VPS割引きっぷ
・Minecraft
・スタートアップスクリプト
・LAMPサーバー
・オブジェクトストレージ
・OpenStack
・API
・メールサーバー
・DBサーバー
・時間課金
・スケールアップ・ダウン
・自動バックアップ

価格

・価格はお問合せください

運営企業

GMOインターネット株式会社

サービス詳細

ConoHa VPSの詳細を見る

 

3.HPE Nimble Storage

(参照元:https://www.alphatec-sol.co.jp/campaign/hpenimble/)

サービス名

HPE Nimble Storage

キャッチフレーズ

HPE Nimble Storage

サービス概要

ヒューレットパッカード社のサービス。
詳細は下記にお問合せください。

https://www.alphatec-sol.co.jp/campaign/hpenimble/

(参照元:アルファテック・ソリューションズ株式会社ホームページ)

向いてる形態

BtoB/BtoC

価格

・価格はお問合せください

運営企業

アルファテック・ソリューションズ株式会社

サービス詳細

HPE Nimble Storageの詳細を見る

 

4.FlashArray//X

(参照元:https://www.purestorage.com/jp/products/nvme/flasharray-x.html)

サービス名

FlashArray//X

キャッチフレーズ

100% ネイティブ NVMe ストレージ

サービス概要

エントリー・レベルからエンタープライズ・アプリケーションまで、あらゆる規模のデータ活用を加速させる業界最先端のオールフラッシュ・ストレージ 。

【メリット】
「容易なストレージ管理」モダン・データ・エクスペリエンスを通じて、優れた機能、性能、耐障害性を提供。
「アプリケーションの高速化」ビジネス・クリティカルなアプリケーションをキャッシュブーストで高速化。
「モダン・データ保護」無償でバンドルされる Purity Snapshots と CloudSnap™ が、FlashArray//X におけるデータ移植機能を提供。

{参照元:ピュア・ストレージ・ジャパン株式会社 HP}

向いてる形態

BtoB/BtoC

運営企業

ピュア・ストレージ・ジャパン株式会社

サービス詳細

FlashArray//Xの詳細を見る