複数のパソコンのデスクトップ環境をサーバーに集約・一元管理する「VDI（仮想デスクトップ）」。VDIでは様々な端末から自分のデスクトップ環境にアクセスできるようになるため、セキュリティ対策やテレワークの推進につながります。本記事では、VDIで実現できることや機能一覧、導入するメリット・効果を紹介します。

VDIの導入を検討している方は以下の記事も参考にしてください。
VDI 4選｜比較・選定ポイントとおすすめ「DaaS」の特徴

面倒なITサービス選定。無料でプロに相談しませんか？　詳しくはこちら

VDIとは

VDI（Virtual Desktop Infrastructure）とは、パソコンのデスクトップ環境（OSやアプリケーション、データなど）をサーバー上に集約・仮想化するシステムのことです。「仮想デスクトップインフラ」や「デスクトップ仮想化」と呼ばれています。

 

通常、デスクトップ環境はパソコン端末に搭載されているため、個々の端末を操作する必要があります。VDIでは、端末からデスクトップ環境を切り離してサーバー上に仮想基盤を構築し、デスクトップ画面を端末に転送して利用します。これにより、遠隔地の端末からでもデスクトップ環境にアクセスできるようになります。

 

テレワークや多様なワークスタイルを推進する企業が増えている昨今、VDIの需要も高まっています。なお、VDIには、自社サーバーに構築する「オンプレミス型」と、外部事業者が提供するクラウドサーバーに構築する「クラウド型」に大別されます。クラウド型のVDIは「DaaS（Desktop as a Service）」とも呼ばれています。

VDIで実現できること

VDIで実現できること

 

VDIを導入すると、以下の2つを実現できるようになります。

自分のデスクトップ環境に場所・端末を選ばずアクセスできる

通常、会社から割り当てられた自分用のパソコンは、端末が設置してあるオフィス以外では使用することができません。

 

VDIにはデスクトップ仮想化技術・コンポーネントが搭載されており、各端末固有のデスクトップ環境をサーバーに生成することができます。これにより、各ユーザーは場所・端末を選ばずに自分のデスクトップ環境にアクセスできるようになります。

 

  • 仮想デスクトップの生成（ハイパーバイザー）
  • 仮想デスクトップの割り当て・管理
  • ユーザー認証（コネクションブローカー）

クライアント端末の機能を最小限に抑えられる

VDIで仮想デスクトップが構築されると、通常は端末上で行われる処理がサーバー上で実行されるようになり、ユーザーが使用する端末（クライアント端末）には仮想デスクトップ環境の画面が転送されます。

 

そのため、クライアント端末ではデータを保管するハードウェアなどは不要となり、端末の機能を最小限に抑えることができます。

VDIの導入で得られる効果・メリット

VDIの導入で得られる効果・メリット

 

VDIの導入により、次の4つの効果・メリットが期待できます。

端末管理業務の効率化

VDIを導入すれば、サーバー上で各端末を一括管理できるようになるため、端末ごとにセットアップやOSアップデートなどを行う必要がなくなります。端末が故障した場合でも、別のものに交換するだけですぐに業務を再開することが可能です。端末ごとの管理・運用が不要になることで、情報システム部門の業務負担が軽減します。

情報漏えいの防止／セキュリティ強化

VDIではデスクトップ環境がサーバーに置かれており、クライアント端末にはデータが残らないため、端末が紛失・盗難・破損した場合でも情報漏えいを防ぐことができます。

 

また、様々な端末のパッチ適用やアップデートを管理者で一元的に制御できるため、セキュリティ対策の徹底・強化につながります。

テレワークの推進

VDI環境にある端末とネットワーク環境があれば、どこでもデスクトップ環境にアクセスできるようになるため、テレワークや在宅勤務を推進できます。

BCP対策の強化

災害やパンデミックなどでオフィスが使用できない状況になった場合でも、VDIのシステム基盤に影響がなければ、代替端末で業務を継続することができます。

VDIの機能一覧

VDIで仮想デスクトップを構築するための主な機能・コンポーネントを以下にまとめました。

 

機能

内容

仮想デスクトップの生成（ハイパーバイザー）

ハイパーバイザーというソフトウェアを用い、一台のサーバーに対象端末のデスクトップ環境を集約して仮想デスクトップを生成する

仮想デスクトップの割り当て・管理

生成した仮想デスクトップを各ユーザーに割り当て、「プール」という単位で管理する。割り当て方法には以下のものがある

●専用割り当て方式

●流動割り当て方式

リソースの調整・設定

想定されるネットワーク負荷に応じてCPUやメモリなどのリソースを調整・設定する

ユーザー認証（コネクションブローカー）

ユーザーを認証して仮想デスクトップとの紐づけを行う

 

どの機能が搭載されているかはツールによって異なります。選択の際は注意しましょう。

セキュアなテレワーク環境を構築できるVDI

VDIを導入すれば、自社のパソコンのデスクトップ環境をサーバー上に構築・使用できるようになります。従業員は様々な端末から業務を遂行できるようになり、テレワークやBCP対策を推進できます。また、クライアント端末にデータが残らず、パッチ適用やアップデート等の管理も一元化できるためセキュリティ強化にもつながります。

 

VDIの導入を検討している方は以下の記事も参考にしてください。
VDI 4選｜比較・選定ポイントとおすすめ「DaaS」の特徴