工場やシステム開発などで生産・タスクの進捗状況を一元管理できる工程管理システム(工程管理ソフト)。工程表の作成や進捗管理を効率化することができ、生産性向上やコストの最適化につながります。本記事では、工程管理システムで実現できることや機能一覧、導入するメリット・効果を紹介します。
工程管理システムの導入を検討している方は以下の記事も参考にしてください。
工程管理システム 7選|比較・選定ポイントとおすすめ「工程管理システム」の特徴
工程管理システムとは
工程管理システムとは、工場での製造やシステム開発など各種業務の進捗状況を一元管理するシステムです。工程別の人員・機材の作業負荷を調整する機能や、進捗・スケジュールを可視化する機能などが備わっており、煩雑になりがちな工程管理業務を効率化できます。
工程管理システムは以下のような様々な業界・業務で活用されています。
- 製造業
- 建設業
- ソフトウェア開発
- プロジェクト管理
- 研究開発
- 商品開発
工程管理システムで実現できること
工程管理システムを導入すると、以下の3つを実現できるようになります。
テンプレートで工程表を作成できる
工程が多いプロジェクト等を円滑に進めるには、各タスクの進み具合を管理・共有する工程表を作成する必要があります。工程管理システムには工程表のベースとなるテンプレートが備わっており、作業項目を登録・選択するだけで簡単に工程表を作成することができます。テンプレートの種類はガントチャートやバーチャート、ネットワーク図などがあり、製品によって異なります。
工程別の進捗状況が可視化される
工程管理システムでは、工程ごとの進捗率を一覧化・共有することができます。プロジェクト全体の進捗状況のほか、どの工程が遅れているかも可視化されるため、スケジュールの再調整や人員配置の見直しなどの対応がとりやすくなります。
無理のない負荷計画の作成
効率的で無理のない工程管理を行うには、人員や機材の生産能力・作業負荷をふまえて計画を立てる必要があります。工程管理システムでは、人員・機材などのリソース(資源)ごとに作業を割り当て、期間別に積算することで負荷状況を把握できます。積算した作業量が能力をオーバーまたは不足している場合は、負荷配分を調整することでリソースを均等に活用しやすくなります。
工程管理システムの導入で得られる効果・メリット
工程管理システムの導入により期待できる効果・メリットは次の通りです。
工程管理業務の効率化
工程管理をExcelで行っている場合、工程表の作成・更新を手作業で行う必要があるため煩雑になりがちです。工程管理システムでは、クリックやドラッグ&ドロップといった簡単なマウス操作でガントチャートやバーチャートを作成でき、進捗管理も簡便になるため、工程管理業務の工数・マンパワーを削減できます。
生産性の向上/コストの最適化
工程管理システムを使用すれば、リソース配分が最適化された効率的な作業計画を立てることができます。それにより、リードタイムの短縮や、1日あたりの生産能力・作業効率の向上が期待できます。また、工程ごとに過不足のない人員配置・作業計画が可能になるため、人件費などのコストも最適化できます。
スムーズな顧客対応
アナログな方法で工程管理を行っている場合、進捗状況の把握が遅れて顧客からの問い合わせや要望に迅速に対応できないことがあります。工程管理システムでは工程別の進捗状況や負荷状況がリアルタイムに反映されるため、計画変更などの相談があっても適切かつスムーズに対応できるようになります。
工程管理システムの機能一覧
工程管理システムの主な機能を以下にまとめました。ただし、搭載機能は製品の対応領域などで異なるため、選択の際は注意しましょう。
機能 |
内容 |
---|---|
プロジェクトの登録 |
作業内容や納期、稼働日などをシステムに登録する |
工程表の作成 |
テンプレートを用いて工程別のスケジュールや進捗状況を一覧化・管理する工程表を作成する。テンプレートには以下のものがある ●ガントチャート ●バーチャート ●ネットワーク図 |
山積み表の作成 |
工程ごとの人員や機材の作業負荷を積み重ねた表・グラフを作成する |
作業負荷の平準化(山崩し) |
山積み表に負荷が超過した部分や不足している部分がある場合、作業量を調整して負荷を平準化する |
進捗管理 |
作業の進み具合や出来高などの進捗を表示する |
原価管理 |
人件費や外注費などの予定原価の消化状況を表示する |
連携機能 |
販売管理システムや生産管理システムなどの外部システムやツールとデータを連携できる |
印刷・出力 |
作成した帳票をPDF、ExcelやCADなどに出力できる |
工程管理システムで進捗管理・負荷管理を効率化しよう
工程管理システムを導入すれば、ガントチャートやバーチャートなどの工程表を直感的な操作で作成し、工程別の進捗状況やリソースの負荷状況を可視化することができます。工程管理業務が効率化し、生産性向上やコスト削減などの効果も期待できます。
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