資材や備品の購買業務を効率化する「購買管理システム」。サプライヤーの選定や発注・仕入れ業務の効率化、購買コスト削減など多様な機能が備わります。経営課題となりやすい購買業務の改善に購買管理システムは有効です。ここでは、購買管理システムの機能や導入メリット、サービス導入で実現できることを解説します。

購買管理システムの導入を検討している方は以下の記事も参考にしてください。

購買管理システム 11選|比較・選定ポイントとおすすめ「購買管理システム」の特徴

購買管理システムとは

購買管理システムとは

 

購買管理システムとは、資材や備品(間接材)などの購買業務をデジタル化して、効率的かつ透明性の高い業務フローを実現するシステムです。単独のシステムとして提供されるものと、ERPに内包されるものがあり、前者は生産管理システムや会計システムなどと連携して使用されます。

 

そもそも購買管理とは、事業に必要な資材を期日までに、要求どおりの品質でなるべく安く調達するための取り組みです。具体的には、仕入先の比較選定や納期管理、検収などの一連の業務を指します。

 

購買管理は煩雑になりやすく、社員の努力だけで最適化するのは難しい側面があります。購買管理システムは、購買業務のネックとなる手作業を減らし、効率的な購買管理を実現します。

購買管理システムで実現できること

購買管理システムで実現できること

 

購買管理システムを導入することで、以下の4つを実現できます。主要機能とともに見ていきましょう。

資材・備品発注を効率化

購買管理システムには、資材や備品の発注を効率化する機能が備わります。見積依頼や発注、入荷時の情報入力まで、システム上で効率的に処理できます。

 

  • システム上でサプライヤーを選定
  • 既存取引先のほか、ベンダーが提携する業者を選択できる
  • カタログ購買と都度見積購買の両方に対応
  • 見積依頼〜回答確認〜発注がシステム上で完結する
  • 入荷・検収情報をシステムに入力

購買承認フローを効率化

購買管理システムにはワークフロー機能(電子承認機能)が備わります。購買部門への購入依頼をはじめ、見積査定、発注、検収などの申請と承認をシステム上で行えます。

 

  • 自社の基準に合わせた承認フローを設定
  • ユーザーことの権限設定が可能

購買業務のペーパーレス化を推進

購買管理システムの導入により、紙の書類を使わない購買業務が可能となります。一部サービスでは、FAX受注のみ受け付けるサプライヤーへの発注もペーパーレス化できます。

 

  • 購買プロセスを電子化(EDI化)
  • 見積依頼や発注などの手続きがシステム上で完結する
  • インターネットFAX・FAXサーバーでの発注も可能(一部サービス)

購買データ分析を効率化

購買管理システムは購買データ分析を効率化させます。過去の購買情報がシステムに蓄積されるため、データ分析に必要な情報収集を省略できます。

 

  • 取引先ごとの購買実績データが蓄積される
  • 購買金額、納期遵守率、検収実績などの情報を確認可能
  • 拠点や部署、担当者別の発注実績を確認できる
  • コンサルタントによるデータ分析を依頼可能(一部サービス)

購買管理システムの導入で得られる効果

購買管理システムの導入で得られる効果

 

購買管理システムの導入により、次の効果・メリットが期待できます。

システムの利点を活かしたコスト削減

購買管理システムを導入することで、次のようなコスト削減施策を実施できます。

 

  • 業務効率化で浮いたリソースを購買分析や価格交渉に集中
  • ペーパーレス化による印刷代・郵送費・FAX費用の削減
  • 集中購買による購買コストの削減

 

3番目にあげた集中購買について補足します。集中購買を行えば大規模なまとめ買いが可能となり、ボリュームディスカウントを受けられます。ただし、事務処理が煩雑になり購買部門の負担が増加するため、人力での実現は容易ではありません。

 

購買管理システムを導入すれば、事務処理の煩雑化を抑えつつ、集中購買を実現できます。システム上での効率的な購買業務が可能となるため、購買窓口を一本化しても、大きな業務負担が生じません。

人的ミス防止と正確な購買分析

購買業務を手作業で行う環境では、書類作成や業務システムへのデータ入力時にヒューマンエラーが起こりがちです。複数の取引を同時処理するケースも多いため、ミスが起きた場合の修正対応に手間取るうえ、ミスを放置すれば正確な購買分析ができなくなる場合もあります。

 

購買管理システムの導入後は、過去の購買データからの書類作成や、外部システムへの自動データ連携が可能となります。手作業を原因とするミスが減少し、結果として正確な購買業務ができるようになるほか、精密な購買分析も可能となります。

内部統制強化による不正防止

購買業務は、調達プロセスが部署や社員個人の中でブラックボックス化しやすく、どのような基準でサプライヤー選定や承認が行われたのか不明になるケースが多々あります。水増し請求や架空請求などの不正の温床となる場合もあるため、しっかり管理・監視する必要があります。

 

購買管理システムの使用を義務づければ、透明性の高い調達プロセスを実現できます。申請者や承認者の確認だけでなく、サプライヤー選定での規定遵守もチェック可能となり、不正を未然に防ぐことができます。

購買管理システムの機能一覧

購買管理システムの機能一覧

 

購買管理システムの機能を以下に整理しました。ただし、搭載されている機能は各社で異なるため、事前に確認してください。

 

機能

特徴

購買計画機能

・資材の発注先や発注数、発注時期、検収予定日などを入力

購買機能

・購入依頼入力

・見積依頼入力

・見積査定入力

・見積回答催促

・発注入力

・納期確認

・納期回答督促

・入荷入力

・検収入力

・進捗照会

・EDI機能(電子データで帳票を送受信する機能)

・支払管理機能

・インターネットFAXで発注(一部サービス)

・FAXサーバーで発注(一部サービス)

購買先管理機能

・購買先の情報を登録管理

・発注実績を登録

・単価契約を登録

・過去の取引価格を管理

・取引契約情報を管理

・納期遵守率、見積回答スピード、品質など評価につながる情報を管理

・パンチアウト連携を設定(外部カタログサイトとの連携を設定)

ワークフロー機能

・承認経路を作成

・購入依頼、見積依頼、発注など各プロセスに承認フローを設定

・各種申請を承認 / 否認

・決済の進捗をシステムで確認

・決済結果をメールで通知

・承認情報をシステムに記録

外部連携機能

・ERPパッケージと連携

・生産管理システムと連携

・販売管理システムと連携

・会計システムと連携

・人事システムと連携

購買管理システムで業務を改善しよう

購買管理システムは購買業務の問題点を改善します。業務効率化やペーパーレス化などによるコスト削減、人的ミスの防止、不正防止など、サービス導入で得られるメリットは多数です。ただし、サービス選定は慎重に行ってください。機能やコスト、サポート体制などを比較して、自社に適するサービスを選定することが肝要です。

 

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