商品販売関連の業務を効率化させる販売管理システム。販売、購買、在庫管理に役立つ多様な機能が備わり、スムーズな運用をサポートするほか、経営戦略に役立てることもできます。ここでは、販売管理システムの機能や導入メリット、サービス導入で実現できることを解説します。

販売管理システムの導入を検討している方は以下の記事も参考にしてください。

販売管理システム 12選|比較・選定ポイントとおすすめ「販売管理ソフト」の特徴

販売管理システムとは

販売管理システムとは

 

販売管理システム(販売管理ソフト)とは、販売管理、購買管理、在庫管理にまつわる業務を効率化するシステムです。クラウド型で提供されるサービスは、販売管理クラウドとも呼ばれます。

 

販売管理システムでは、受注・出荷・仕入れ・在庫といった商品にかかわる業務と、見積書・請求書作成、入金・支払管理、原価管理などお金に関する業務の両方を一元管理できます。オンラインで受注・発注業務を行えるものには受発注システムもありますが、販売管理システムでは、多岐にわたる販売管理業務を一元管理できる点が異なっており、基幹システムの一つに位置づけられます。

 

販売管理システムには多様な種類があり、汎用型サービスのほか、業種や業態に特化したパッケージが多数リリースされています。自社の業種に適するサービスを導入することにより、商習慣に沿った取引処理や情報管理を行えるようになります。

販売管理システムで実現できること

販売管理システムで実現できること

 

販売管理システムによって実現できることは、以下の4つです。主要な機能とともに見ていきましょう。

販売管理業務を効率化

販売管理システムには、販売管理を効率化する機能が多数備わっています。大きくは、見積管理・受注管理・売上管理・請求管理の4つに大別され、スムーズな運用と管理を実現します。

 

  • 見積、受注、出荷、売上、請求をシステムで管理できる
  • 見積書、納品書、請求書など各種帳票の作成が可能
  • 受発注を同時に行う直送販売の処理も可能
  • 請求状況や未回収の管理、入金の消込処理など請求関連の業務を効率化
  • BtoBの売掛処理の管理も可能

在庫管理を効率化

多彩な在庫管理機能が備わっており、出荷・入荷・棚卸に関する業務を効率化できます。

 

  • ロットナンバーや製造番号で在庫管理
  • 複数倉庫の在庫を一元管理できる
  • 預り在庫や預け在庫の管理も可能
  • 商品別に適正在庫を設定
  • 引当状況や有効在庫数を確認できる
  • 品質保証期限や有効期限の管理も可能

仕入れ・購買業務を効率化

仕入れ・購買業務の効率的な作業が可能となるほか、適切な定量発注が可能となります。

 

  • 発注、仕入れ、支払いをシステムで管理
  • 見積依頼書、発注書、領収書など各種帳票を作成・発行
  • 適正在庫割れ、発注点割れの商品を一覧で確認できる

経営に必要なデータを可視化

販売管理システムには、売上や債権などのデータが集約されます。システムに集まったデータは経営判断に役立つ形で可視化できます。なかには、分析機能を充実させているものも提供されています。

 

  • データから対比表や推移表などを作成
  • オリジナルの帳票も作成可能
  • Excelに帳票出力できる

販売管理システムの導入で得られる効果

販売管理システムの導入で得られる効果

 

販売管理システムの導入により得られるメリット・効果には、次のものがあげられます。

業務効率化によるコスト削減

販売管理システムを導入することで、多岐にわたる業務の一元管理が可能になり、かつ自動化できる作業が増えるため業務効率化が図られます。また、営業部門が作成した受注データを離れた工場や倉庫にリアルタイムで共有できるようになるなど、部門間の連携がスムーズになり、業務フローを圧縮できるというメリットもあります。業務効率が高まればリソースの最適化が進み、コスト削減の効果が期待できます。

意思決定スピードの向上

Excelなどを用いて各部門で販売情報を管理している場合、経営判断のための情報収集やレポート作成に時間がかかりがちです。販売管理システムの導入により、経営判断に必要なデータを素早く収集・分析できるようになります。システムに集約された各種データを多角的に分析できるようになれば、意思決定スピードが向上します。

業務の属人化を解消

受発注業務において、属人化の原因となりやすいのが得意先ごとの個別対応です。付き合いの長い得意先からは「いつもの商品」や「前回と同条件で」といった注文が入りやすく、ベテランでなければ対応に迷うケースが少なくありません。

 

販売管理システムを導入すれば、得意先の取引条件や注文履歴などの情報をシステムで参照できるようになり、属人化の解消に役立ちます。このほか、仕入れ先からの直送や預かり在庫など商品別の処理もシステムで簡易化されるため、業務の標準化が進みます。

販売管理システムの機能一覧

販売管理システムの機能一覧

 

販売管理システムの機能を以下にまとめました。ただし、搭載されている機能は製品によって異なるため、注意してください。

 

機能

特徴

販売管理機能

・見積機能(入力・印刷・履歴管理など)

・受注管理機能(受注入力・受発注入力・納期管理・預かり業務処理など)

・出荷管理機能(出荷指示・ピッキングリスト作成・出荷履歴管理など)

・売上管理機能(データ抽出・内容チェック・売上データ作成・伝票発行など)

・売掛管理機能(入金入力・債権管理・元帳管理など)

・請求管理機能(債権検索・請求書発行・入金処理など)

・検索機能(得意先検索・商品検索・過去取引検索など)

購買管理機能

・発注管理機能(発注入力・注文書印刷・定量発注など)

・入荷管理機能(予定入力・入荷処理・履歴管理など)

・仕入管理機能(仕入れ入力・履歴管理・返品処理など)

・支払管理機能(支払予定管理・支払処理・相殺処理など)

・買掛管理機能(支払管理・元帳管理・債務管理など)

在庫管理機能

・倉庫別に在庫管理

・ロットナンバーで在庫管理

・製造番号で在庫管理

・在庫一覧表を作成

・セット品管理

・取置在庫管理

・有効期限管理(品質保証期限・賞味期限などを管理)

・適正在庫数や発注点を設定

・在庫割れや発注点をアラート

・倉庫間移動を管理

・棚卸機能(棚卸入力・在庫確定など)

データ分析機能

・得意先別、商品別、担当者別など条件別に帳票を作成可能

・帳票定義やレイアウトをカスタマイズできる

・月報作成

・日計表作成

・集計表作成

・順位表作成

・推移標作成

・対比表作成

外部連携機能

・POSと連携

・EOS / EDI /流通BMSと連携

・オンライン受発注システムと連携

・会計システムと連携

・分析ツールと連携

・Excel / CSV形式でデータを入出力

販売管理システムを導入する価値は大

販売管理システムの導入により、販売、購買、在庫管理の3業務を大幅に効率化できます。結果的に業務コストを削減でき、業務の属人化解消や意思決定スピードの向上も実現できます。このように導入価値の高い販売管理システムですが、システム選定は慎重に行ってください。自社の業種や規模などを踏まえて、適切なサービスを選ぶことが肝要です。

 

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