複数の決済方法の導入や運用をサポートする決済代行サービス(決済代行会社)。クレジットカード決済をはじめ、多数の決済方法をECサイトや店舗へ導入する際に役立つサービスです。ただし、決済代行サービスを有効活用するには、まず自社に適するサービスを選定しなければなりません。ここでは、決済代行サービスの選定ポイントや、利用時の注意点を解説します。

また、導入実績の多い代表的な決済代行サービスをご紹介します。自社の課題や目的に照らし、適切なサービスを見つけてください。

決済代行サービスの比較方法・選び方

決済代行サービスを選ぶときのポイント

決済代行サービスを選ぶときのポイント

 

決済代行サービスを選ぶ際は、次のチェックポイントを押さえておきましょう。

 

■決済方法の充実度をチェックする

決済代行サービスの選定では、まず各サービスが取り扱う決済方法の充実度をチェックしてください。基本的には、自社サービスに導入したい決済方法が取り扱われているかを確認するとよいでしょう。導入したい決済が決まっていない場合は、次の3点をチェックしてください。

 

  • 取り扱い決済方法や決済ブランドは充実しているか
  • コンビニ後払いを取り扱っているか
  • 国際決済サービスを取り扱っているか(越境ECを展開する場合)

 

コンビニ後払いは、クレジットカードを持たない顧客の獲得に役立つ決済方法です。国際決済サービスには「PayPal」や「Alipay」などがあげられます。ユーザーのニーズを踏まえながら、決済方法の選定を行うことをおすすめします。

 

■決済システムの接続方式をチェックする

決済代行サービスの選定で必ず確認しておきたいのが、クレジットカード決済システムの接続方式です。決済システムの主な接続方式には次の4つがあります。

 

  • リンク型
    決済処理を行う際に、決済代行会社が提供する決済ページに遷移する接続方式です。自社でカード情報を保持せずに済むため、情報管理の負担を抑えられます。
     
  • トークン型
    決済代行会社が提供する決済プログラムを自社サイトに組み込む接続方式です。カード情報はトークン(別の文字列)に変換された上でECサイトに入力されます。高いセキュリティ性を保つことができ、他ドメインへの遷移がないためカゴ落ちを防止できます。
     
  • データ伝送型
    自社サイトで取得した決済情報を決済代行会社へ送信する接続方式です。大量注文の決済に向きますが、自社でカード情報を保持する必要があります。
     
  • メールリンク型
    決済ページのURLを顧客にメール送信する接続方式です。決済システムを開発せずに導入でき、かつ電話やファックスでの注文にも対応できます。


決済代行サービスで利用できる接続方式は、サービスごとに異なります。自社に適する接続方式を検討した上で、サービス選定を進めてください。

 

■セキュリティ環境をチェックする

決済代行サービスにはクレジットカード情報をはじめとする、多数の顧客情報を預けることになります。決済代行会社のセキュリティ環境をチェックして、安全に使えるサービスを選定しましょう。具体的なチェックポイントには次の2点があげられます。

 

  • クレジットカードの不正使用対策は万全か
  • 外部機関のセキュリティ認定を取得しているか

 

クレジットカードの不正使用対策には、「本人認証サービス(3Dセキュア)」「セキュリティコード」「不正検知サービス」などがあげられます。

 

外部機関のセキュリティ認定にあげられるのは「PCI DSS」「ISO27001」「プライバシーマーク」などです。PCI DSSはクレジットカードの情報を扱う企業に必須のセキュリティ基準です。認定取得している決済代行会社のサービスを選ぶようにしましょう。

 

ISO27001は情報セキュリティに関する国際的な認定基準、プライバシーマークは個人情報の保護に関する認定制度です。両方を取得している決済代行会社のサービスであれば、高度なセキュリティ対策を行っていると判断できます。

 

■利用コストを比較する

導入候補とする決済代行サービスを絞り込んだら、サービスの利用コストを比較しましょう。ただし、決済代行サービスの料金はWebサイトでは確認できない場合が大半です。決済代行会社へ資料請求や問い合わせを行って、詳しい料金を確認してください。なお、決済代行サービスのコストは、次の2点で構成されることが一般的です。

 

  • 導入費用(契約手数料・導入サポート費用・システム構築費用など)
  • 月額費用(基本料金・決済手数料・オプション料金など)

 

一部の決済代行サービスでは、導入費用や月額基本料金を無料に、決済手数料を一律料金に設定しています。初期費用を抑えたい場合や、売上の見通しが不透明なときは検討してみるとよいでしょう。

 

一方、導入費用や月額基本料金のかかるサービスでは、導入先の売上規模に応じて決済手数料が設定されています。ある程度の売上が見込まれる場合は、こちらのタイプを選んだほうがコストを抑えられる場合があります。

課題・ニーズ別に見た決済代行サービスの向き・不向きの傾向

課題・ニーズ別に見た決済代行サービスの向き・不向きの傾向

 

決済代行サービスの選定は、自社の課題を踏まえて行うことが肝要です。次の表を参考にして、自社に向くサービスのタイプを検討してください。

 

課題

向き・不向きの傾向

決済業務に割く人員が少ない / 決済をなるべく効率的に処理したい

売上の一括処理、支払い済み決済の自動検知(コンビニ決済・ペイジーなどで使用)など、管理ツールの機能が充実しているサービスが向いている

長期的な利用コストを抑えたい

商品や売上規模に応じて決済手数料が決まるサービスは、運用コストを下げられる可能性がある。ただし、規模感によっては手数料一律のほうがコストを抑えられることもあるため、シミュレーションが必要

ECサイトのカゴ落ちが心配

・トークン型の接続方式は他ドメインへの遷移がないため、カゴ落ち防止に役立つ

・決済時のレスポンスに優れるサービス(高速化への取り組みなど)が向いている。実際に導入されているECサイトなどをチェックするとよい

決済代行サービスの利用時に注意すべき点

決済代行サービスの利用時に注意すべき点

 

決済代行サービスの利用には固定費や決済手数料がかかるため、自社サービスに導入すれば利益率が下がります。サービス利用時は、入念なコスト計算を行った上で決めてください。

 

決済代行サービスを利用すれば、決済業務が効率化されて、人件費削減につながります。この反面、決済代行サービスを利用するかぎりは月額基本料金や決済手数料を支払い続けなければなりません。特に決済手数料は決済のたびに発生するため、自社サービスの運営状況によっては高額になります。

 

決済手数料はクレジットカードでは3.5%前後ですが、近年普及しているバーコード決済では9%程度かかる場合があります。こうした決済手数料の相場を踏まえて、決済代行サービスの利用コストを試算しましょう。利益率の低いサービスを展開している企業や、決済サービスに割く予算に余裕のない中小企業では、こうしたコスト計算を特に入念に行ってください。

決済代行サービスの利用に動き出そう

決済代行サービスを選ぶ際は、決済方法の充実度や決済システムの接続方式、セキュリティ性、コストの4点をチェックしてください。4つの選定ポイントを総合的に見て、自社に適するサービスを選び出すことが肝要です。サービス利用に際してはコストの試算を行い、固定費や決済手数料によって自社サービスの運用に支障が出ないか確認しましょう。以上を踏まえて、具体的なサービス選定へ進んでください。

決済代行サービス 4選

1.月額パンダ

(参照元:https://getsugaku-panda.jp/)

サービス名

月額パンダ

キャッチフレーズ

毎月らくらく自動集金

サービス概要

月額パンダは、会費や月謝など定期的に発生する請求をクレジットカードや口座自動振替を
用いてインターネット上で自動に徴収し、事業主様のご負担を大幅に減少いただけるサービスです。

システムの新規開発は一切不要です。
弊社がクレジットカードと口座振替の登録画面を用意しておりますので、
会員様がご自分で登録するだけで手間いらずです。

クレジットカードや口座振替による自動徴収に切り替えることで、
支払忘れによる解約率や、事務作業の手間を大幅に減らすことができます。

向いてる形態

BtoB/BtoC

導入社数

約 250 社

(2022年09月28日時点)

導入企業の傾向

スポーツジム、エステサロン、学会、OB会、学習塾など

運営企業

株式会社もぐら

サービス詳細

月額パンダの詳細を見る

サービス資料

 

2.ペイジェント

(参照元:https://www.paygent.co.jp/)

サービス名

ペイジェント

キャッチフレーズ

豊富な決済手段を一括導入

サービス概要

【特徴】
・豊富な決済手段
・導入しやすいシステムと多様な利用方法
・締日から最短で5営業日で入金
・効率的・安全な売上・情報管理
・優れた技術力と安定した経営基盤
(参照元:株式会社ペイジェントHP)

向いてる形態

BtoC

機能一覧

・クレジットカード決済
・コンビニ決済
・銀行ネット決済(ネットバンキング)
・ATM決済(ペイジー)
・後払い決済
・口座振替
・スマートフォンキャリア決済
・銀行振込(仮想口座方式)
・銀聯ネット決済
・Alipay国際決済
・楽天ペイ
・Apple Pay
・WebMoney決済
・Google Pay
・オプションサービス
・ECパッケージ・ショッピングカート用決済

価格

・価格はお問合せください

運営企業

株式会社ペイジェント

サービス詳細

ペイジェントの詳細を見る

 

3.Natural Payment

(参照元:http://www.naturalpayment.jp/)

サービス名

Natural Payment

キャッチフレーズ

クレジットカード決済代行12年以上の実績。

サービス概要

ナチュラルペイメントの強み
12年に渡るクレジットカード決済代行業務の実績。長年に渡って蓄積された技術を結集。これがナチュラルペイメントの強みです。
クレジットカード決済はもちろん、コンビニ決済や電子マネー決済など、全7種類の決済手段を取り揃えていること。
サーバーの冗長化、クレジットカード情報の非保持による、高セキュアなシステムであること。
そして、これまでのノウハウを活かした、お客様のニーズに最適なサービスをご提供することが可能です。
サーバーの準備からECサイトのシステム構築、決済システムとの連携まで、かんたん、おまかせ。
(参照元:エクストライノベーション株式会社HP)

向いてる形態

BtoC

価格

・スペシャルコース  92,000円 / 初期費用
・スペシャルコース  8,900円 / 月額利用料

運営企業

エクストライノベーション株式会社

サービス詳細

Natural Paymentの詳細を見る

 

4.SBペイメントサービス

(参照元:https://www.sbpayment.jp/)

サービス名

SBペイメントサービス

キャッチフレーズ

多様なニーズにお応えする豊富な決済サービス

サービス概要

当社はECやネットショップに欠かすことのできないクレジットカード決済などの「オンライン決済」に加え、店舗や訪問販売など、対面販売でクレジットカード決済・電子マネー・QRコード決済をご利用いただける「店舗向け決済サービス」をご提供しております。
集客や売上拡大をサポートする「マーケティング支援プラン」、ECサイトにおける不正使用の低減に貢献する「不正検知・保証サービス」も当社の加盟店さまには無償でご提供し、有効なビジネスチャンスを創出いたします。

(参照元:SBペイメントサービス株式会社 HP)

向いてる形態

BtoC

機能一覧

・マーケティング支援プラン
・不正検知と保証サービスの無償附帯
・オンライン決済サービス
・店舗向け決済サービス

価格

・価格はお問合せください

運営企業

SBペイメントサービス株式会社

サービス詳細

SBペイメントサービスの詳細を見る