受発注業務の効率化に役立つ「受発注システム(受発注管理システム)」。人的ミスの削減や業務負荷の軽減を実現し、スムーズな取引を可能にしてくれます。ただし、受発注システムの機能は各社で異なっており、サービス選定は容易ではありません。ここでは、BtoB向けの受発注システムに焦点を絞って、比較選定ポイントと導入時の注意点を解説します。
また、導入実績の多い代表的な受発注システム(受発注管理システム)をご紹介します。自社の課題や目的に照らし、適切なサービスを見つけてください。
受発注システムの比較方法・選び方
受発注システムを比較選定する際のポイント
受発注システム(受発注管理システム)の比較選定ポイントを4つに分けて解説します。
■受注機能を比較する
受発注システムの選定において、重点的に比較したいのが受注に関する機能です。次のポイントを参考にして、自社の受注業務に利用しやすいサービスを選び出してください。
- Webでの受注のほか、FAX受注代行や電話受注代行を利用できるか
- CSVファイルによる製品登録や受注データのダウンロードは可能か
- 取引先別に表示商品や価格、支払方法などを設定できるか
- モバイル端末でも受注を行えるか(営業先で受注を行えるか)
受発注システムを導入する際は、業種や業務フローに合わせた利用ができるかという観点が極めて重要です。他システムとの連携性やカスタマイズしたい部分も視野に入れながら検討する必要があります。
■発注者側の機能を比較する
受注機能を比較する際は、取引先企業(発注元)の利便性に関わる機能も比較しておきましょう。特に重要な比較ポイントは次の3つです。
- ITツールになれていない発注担当者でも無理なく利用できるか
- リピート注文に役立つ機能は備わっているか
- カタログ番号やJANコードでの発注は可能か
■カスタマイズ性を比較する
受発注システムには、基本的な機能に特化したタイプや多機能タイプという区分のほか、汎用性を考慮してカスタマイズできることを前提としているシステムも提供されています。自社のビジネスに合わせてカスタマイズしたい場合は、どの程度までのカスタマイズが可能か確認しておく必要があります。次のポイントを参考にしてください。
- 業種に合わせたカスタマイズが可能か
- 不定貫や時価の受発注に対応できるか(食品関連企業では要チェック)
- 自社の基幹システムに合わせたカスタマイズは可能か
なお、受発注システムのカスタマイズ性の比較には、サービス導入事例(カスタマイズ事例)が役立ちます。自社と同業種の事例を探して、どのようなカスタマイズができるかチェックしてください。
■サポート体制を比較する
受発注システムは商品受注や仕入れ業務の中核を担うサービスです。導入後にシステム障害が発生したり不明点が生じたりした場合にスムーズに対処できるよう、サポート体制の充実したサービスを選んでおきましょう。サポート体制の主な比較ポイントは次の3点です。
- 保守サポートの方法(電話・メール・チャットなど)
- 保守サポートの対応時間
- 導入サポートの手厚さ
導入サポートは、トラブルの生じにくいシステム構築を行うために重要です。以上を参考にして、導入段階から安心して利用できるサービスを選び出してください。
課題・ニーズ別に見た受発注システムの向き・不向きの傾向
受発注システムの選定は、自社の課題を踏まえて進めることが肝要です。次の表を参考にして、自社に適するサービスのタイプを検討してください。
課題 |
向き・不向きの傾向 |
---|---|
取引先(発注元)にPC環境が整っていない / 取引先がWebでの発注に消極的 |
・FAXによる受注をシステムに反映できるサービスであれば、紙・Webのどちらにも対応でき、自社の業務負荷を軽減することが可能 |
低コストなサービスを探している / 導入コストを抑えたい |
・クラウド型サービスは比較的安価に導入できる・オンプレミス型は初期コストが高額になりやすいため注意が必要 |
特殊な業種のため導入できるか不安 |
・多業種での導入事例が豊富なサービスは、比較的カバー範囲が広いといえる。同業種での導入事例があるか確認するとよい ・カスタマイズ性に優れるサービスが適している |
商品の発送業務も含めて効率化したい |
・物流代行を用意しているサービス(商品の保管や発送を代行)が便利 |
受発注システムの導入時に注意すべき点
業界・業種によっては、Webでの発注に消極的なケースもあります。そのため、受発注システムを導入する際は、受発注方法の変更について取引先の理解を得られるよう努めることが重要です。。もし、多くの取引先がWeb発注に拒否感を持っていると、導入時につまずくことになってしまいます。
こうした企業および担当者に受発注システムを受け入れてもらうには、システム導入後に得られるメリットを伝えることが肝要です。具体的には、発注時の利便性や、発注工数の削減などを伝えるとよいでしょう。システムにかけたコストが無駄にならないように、取引先への説明を含めた入念な導入計画を立てましょう。
受発注システムの導入準備を進めよう
受発注システムを選定する際は、受注機能と発注機能、カスタマイズ性およびサポート体制を重点的に比較してください。自社の業種や業務フローを踏まえて、利用しやすいシステムを選ぶことが肝要です。サービス導入フェーズでは、取引先への受発注システムの説明を入念に行いましょう。以上を踏まえて、具体的なサービス選定へ進んでください。
BtoB受発注システム・受発注管理システム5選
1.BtoB受発注システムCO-NECT
(参照元:https://biz.conct.jp/)
サービス名 |
BtoB受発注システムCO-NECT |
キャッチフレーズ |
初期費用無料、LINE連携できる受発注システム |
サービス概要 |
BtoB受発注システム「CO-NECT」は受発注業務の効率化・ヒューマンエラーを削減し、DXを推進するシステムです。 |
向いてる形態 |
BtoB |
導入社数 |
約 25000 社 (2022年12月31日時点) |
価格 |
・フリープラン 0円 / 月額 |
運営企業 |
|
サービス詳細 |
|
サービス資料 |
導入した企業の声
株式会社フレイムス 商品企画部 伴藤様:
導入目的は、メールでの受発注だと対応に時間もかかる上にヒューマンエラーも多いため。CO-NECTを活用することで、これまで3人で行っていた受注情報のデータ化や確認作業がなくなり、受注業務は1人でこなせるようになりました。
2.Bカート
(参照元:https://bcart.jp/)
サービス名 |
Bカート |
キャッチフレーズ |
BtoBの受発注業務をEC化するクラウドサービス |
サービス概要 |
Bカートは、BtoB取引を前提として開発された、BtoBのためのECサイト構築サービスです。 |
向いてる形態 |
BtoB |
導入社数 |
約 1000 社 (2021年02月27日時点) |
機能一覧 |
・カート機能 |
価格 |
・トライアル 0円 / アカウント |
運営企業 |
|
サービス詳細 |
3.COREC(コレック)
(参照元:https://corec.jp/)
サービス名 |
COREC(コレック) |
キャッチフレーズ |
事業者間(BtoB)の受注・発注をWeb上で |
サービス概要 |
≪驚くほど簡単に導入できるクラウド受注・発注システムです。≫ |
向いてる形態 |
BtoB |
導入社数 |
約 38000 社 (2021年02月28日時点) |
機能一覧 |
・≪受注側≫取引先ごとに注文フォームをカスタマイズ |
価格 |
・≪受注側≫無料プラン 0円 / 月 |
運営企業 |
|
サービス詳細 |
4.アラジンEC
(参照元:https://aladdin-ec.jp/)
サービス名 |
アラジンEC |
キャッチフレーズ |
FAX・電話注文をデジタル化 |
サービス概要 |
BtoB専用ECサイト構築・Web受発注システム「アラジンEC」 |
向いてる形態 |
BtoB |
導入社数 |
約 5000 社 (2021年02月28日時点) |
機能一覧 |
・得意先別商品表示 |
価格 |
・価格はお問合せください |
運営企業 |
|
サービス詳細 |
5.MOS
(参照元:https://www.mosjapan.jp/)
サービス名 |
MOS |
キャッチフレーズ |
受注・発注をより便利に使いやすく |
サービス概要 |
《MOSはモバイル受発注システムです》 |
向いてる形態 |
BtoB |
導入社数 |
約 340 社 (2020年08月01日時点) |
機能一覧 |
・≪受注機能≫受注 |
価格 |
・価格はお問合せください |
運営企業 |
|
サービス詳細 |