複数のシステムのデータをスムーズに連携させる「EAIツール」。多種多様な業務システムのデータをスピーディかつ正確に連携でき、効率的なデータ運用を推進できます。
記事では、EAIツールで実現できることや機能一覧、導入するメリット・効果を紹介します。
EAIツールの導入を検討している方は以下の記事も参考にしてください。
EAIツール 1選|比較・選定ポイントとおすすめ「EAIツール」の特徴
EAIツールとは
EAIは「Enterprise Application Integration(企業内アプリケーション統合)」の略称で、複数のシステムと接続し、データやプロセスの統合を図る仕組み・技術を指します。EAIを効率的に実現するための機能を備えた製品が「EAIツール」です。
多くの企業では、営業やマーケティング、人事、会計など業務領域ごとに独立したシステムを導入していますが、これらのシステムは仕様が統一されていません。そのため、データを統合して活用したい場合は新たにシステムを開発する必要があり、多くの手間をとられたり、専門知識が必要になったりします。
EAIツールを用いれば、データ形式などの仕様が異なるシステムのデータをスムーズに変換・統合することができます。
EAIツールで実現できること
EAIツールを導入することで、以下の3つを実現できるようになります。
インターフェースが異なるシステム間のデータ授受・変換
データ形式やプロトコルが異なるシステム間のデータを連携させるには、データの受け渡しをするためのインターフェースやデータ変換が必要です。EAIツールには、各システムの窓口(ハブ)のような役割の「アダプタ機能」や「フォーマット変換機能」があり、インターフェースが異なるシステム間のスムーズなデータ授受およびデータ変換を実現します。
- アダプタ機能
- フォーマット変換機能
出力データの自動振り分け
データ連携は、フォーマット変換して出力されたデータを連携先のシステムに振り分けることで完了します。EAIツールを用いれば、指定したシステムに出力データを自動的に配信することが可能です。
- ルーティング(フロープロセッサ)機能
高速・多層的なデータ連携の制御
EAIツールには、システム間のデータ授受やフォーマット変換、出力データの配信を自動制御するワークフロー機能が備わっています。これにより、一連のデータ連携プロセスがスムーズに実行されます。また、「2つのシステム間で連携したデータを、さらに他システムで連携させる」といった多層的なデータ連携も自動化できます。
- プロセス制御(ワークフロー)機能
EAIツールの導入で得られる効果・メリット
EAIツールを導入することで、以下の4つの効果・メリットが期待できます。
システム連携の工数削減・コスト削減
データ形式やプロトコルが異なるシステム間のデータ連携を手前で行う場合、個別にインターフェースやプログラムを開発する必要があるため、膨大な労力・コストを要します。EAIツールを導入すれば、データ抽出・変換・配信を自動化できるため、大幅な工数削減・コスト削減につながります。
ヒューマンエラーの防止
システムの統合やデータ連携を手作業で行う場合、人為的なミスによる誤変換やデータ損失が発生するリスクがあります。EAIツールではデータ連携に伴う多くの作業を自動化できるため、ヒューマンエラーを防止できます。
システムの保守管理の効率アップ
EAIツールを用いれば、システム間の連携状況がリアルタイムに可視化されるため、システムの保守管理が容易になります。また、システムに改修やバージョンアップが発生した場合でもプログラムを組み直す必要がなく、急な仕様変更にもスピーディに対応することが可能です。
意思決定スピードの向上
EAIツールによってデータ連携が自動化すれば、必要なデータをスピーディかつ正確に取得できるようになり、意思決定のスピードが向上します。
EAIツールの機能一覧
EAIツールの主な機能を以下にまとめました。
機能 |
内容 |
---|---|
アダプタ機能 |
複数のシステムを連携させる際、システム間のデータ受け渡しの接続口となる機能 |
フォーマット変換機能 |
アダプタで接続された各システムのデータを受け取り、データ形式を変換する機能 |
ルーティング(フロープロセッサ)機能 |
フォーマット変換し出力されたデータを指定したシステムに自動的に振り分ける機能 |
プロセス制御(ワークフロー)機能 |
アダプタ機能・フォーマット変換機能・ルーティング機能を統合し、EAIをシステム稼働させるための機能 |
ただし、どの機能が搭載されているかはツールによって異なります。選択の際は注意しましょう。
EAIツールでスピーディーなデータ連携・運用を実現
変化の激しい市場で競争力を高めるには、スピーディなデータ運用が欠かせません。EAIツールを用いれば、社内のさまざまな業務システムのデータ連携を自動化でき、正確なデータに基づいたスピーディな意思決定を推進できます。
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