電子帳票システムを導入し、業務のペーパーレス化や働き方改革の推進に活用する企業が増えています。各種帳票の処理は手作業で行うと負荷の大きい業務です。非効率的な帳票業務を電子化すれば、生産性向上やコスト削減につながります。ここでは、電子帳票システムの機能や導入メリットを解説します。

電子帳票システムの導入を検討している方は以下の記事も参考にしてください。

電子帳票システム 14選|比較・選定ポイントとおすすめ「帳票電子化」の特徴

電子帳票システムとは

電子帳票システムとは

 

電子帳票システムとは、各種帳票に関連する業務を効率化するシステムです。帳票の電子化とオンライン処理による業務効率向上を主目的とするシステムですが、紙の帳票の郵送やFAX送信の効率化にも貢献します。

 

電子帳票システムが役立つ業務シーンは、帳票の作成、送付、管理の3つです。これら業務で生じる手作業の大半をなくすことができ、使い方によっては帳票関連業務を自動化できます。また、電子帳票システムはテレワークとの相性がよく、外部システムとの連携により、各種帳票の承認から配信、保存までをオンライン上で完結できます。

 

近年は電子帳簿保存法が改正され、電子データでの帳票保存が進んでいます。業務のペーパーレス化やオンライン化を推進する企業にとって、電子帳票システムは導入する価値の高いサービスといえます。

電子帳票システムで実現できること

電子帳票システムで実現できること

 

電子帳票システムで実現できることは、大きく次の5つです。

帳票作成を効率化

電子帳票システムには、各種帳票を効率的に作成する機能が備わっています。仕入伝票や納品書、請求書など多様な帳票を自動で作成することが可能です。

 

  • 帳票のレイアウトをシステムで作成
  • 基幹業務システムからデータを自動読み込み
  • 読み込んだデータから帳票を自動作成
  • PDF、CSVなど多様なファイル形式で帳票を出力
  • 電子証明書やタイムスタンプなどで真実性を確保

電子帳票の送信を効率化

電子帳票システムを利用すれば、取引先への帳票送信を効率的に行えます。日々大量に発生する帳票を自動的に配信することが可能です。

 

  • 電子帳票をメールで送信(添付ファイルまたはダウンロード用URLを送信)
  • 宛先マスタにもとづく自動配信が可能
  • 帳票の受領状況を履歴で確認できる

紙の帳票の送信・送付を効率化

電子帳票システムには、帳票のFAX送信や郵送を効率化するサービスが用意されています。メールでの配信がNGとなっている場合などに役立ちます。

 

  • 帳票のFAX送信をベンダーが代行(帳票データをFAX送信)
  • 帳票の郵送をベンダーが代行(帳票データを印刷して郵送)

帳票管理を効率化

電子帳票システムには、帳票の管理を効率化する機能が備わっています。帳票の仕分けの手間を削減できるほか、保存から廃棄までのサイクルを自動化することも可能です。

 

  • 電子帳票を自動仕分けして保存
  • 帳票のキーワード検索が可能
  • 保管期限が過ぎた帳票を自動廃棄

セキュリティ強化

各種帳票では重要な情報を取り扱っていることが多くなるため、誤操作を防ぎ、適切に管理する必要があります。電子帳票システムには、データを安全に取り扱うためのセキュリティ機能が備わっています。

 

  • 権限設定で閲覧や印刷などの操作を制限
  • 暗号化とパスワード付与
  • 自動バックアップ
  • ログの保存

電子帳票システムの導入で得られる効果

電子帳票システムの導入で得られる効果

 

電子帳票システムを導入することで、次のようなメリットや効果が期待できます。

帳票関連のコストを削減

帳票の電子化により印刷代や郵送料、管理費用などをカットできるほか、システム導入にともないFAXシステムを廃止することも可能です。紙の帳票を使用する環境では、仕分けや封入作業にも人件費をかけなければなりません。また、紙の帳票は保管場所の確保が必要なほか、機密書類を安全に廃棄するための費用も発生します。

 

電子帳票システムを導入して帳票の電子化を進めれば、上記のようなコストの大半を削減できます。

帳票配付の自動化による生産性向上

システム導入により帳票業務にかかっていた手間がなくなれば、より生産的な業務に人的リソースを割くことが可能です。また、手作業ではヒューマンエラーが起こる可能性が高く、ミスの対処にも労力を割かなければなりません。

 

電子帳票システムを導入すれば、業務効率化が図れるうえ人的ミスがなくなり、自社の生産性が向上します。

テレワークでの帳票処理を推進

電子帳票システムは、テレワーク環境での帳票処理に役立ちます。基幹システムやワークフローシステムと電子帳票システムを組み合わせることにより、帳票の承認から発行まで、オンラインで完結するシステムを構築することが可能です。

 

帳票処理のテレワーク化を妨げる要素に、印鑑を使う承認制度があげられます。帳票の発行に上長の承認印を必要とする場合、オンラインでの帳票処理は実現しません。とはいえ、発注書や請求書などの重要な帳票の発行には、承認フローが必要です。

 

そこで役立つのが、ワークフローシステムと電子帳票システムです。申請承認をワークフローシステムで行い、承認されたデータを基幹システム経由で電子帳票システムにインポートすれば、帳票の申請から配付までオンラインで完結できます。クラウド型のワークフローシステムであれば社外でも利用できるため、テレワーク環境で帳票申請を行えます。

電子帳票システムの機能一覧

電子帳票システムの機能一覧

 

電子帳票システムの主な機能を以下にまとめました。ただし、搭載されている機能はサービスによって異なるので、注意してください。

 

機能

特徴

帳票作成機能

・システム上で帳票をデザイン

・基幹システムのデータから帳票を自動作成

・各種ファイル(PDF・Excel・CSVなど)から帳票を作成

・帳票データにタイムスタンプを付与

帳票配付機能

・宛先リストで帳票配付を自動化

・帳票データをメール配信(添付ファイルで配信)

・帳票閲覧用URLをメール配信

・帳票の郵送作業を代行(帳票データを印刷して郵送)

・帳票のFAX送信を代行(帳票データをFAXで送信)

・FAXが不達の場合に再送信

・システム上で送受信記録や閲覧状況を確認できる

帳票保管機能

・帳票データを自動仕分けして保存

・各種条件(タイトル・日付・キーワードなど)で帳票を検索できる

・保管期限が過ぎた帳票を自動廃棄

セキュリティ機能

・アクセス権限を設定

・閲覧権限を設定

・操作履歴を確認できる

自社に合った電子帳票システムを見つけよう

電子帳票システムの導入により、帳票発行のコストを大きく削減できます。帳票の作成から配付、管理まで自動化できるため、労力も節約することが可能です。また、ワークフローシステムと電子帳票システムを併用すれば、テレワークでの帳票処理も実現できます。以上のようにメリットの多い電子帳票システムですが、サービス選定は慎重に行いましょう。カバーできる業務の範囲や機能がシステムにより異なるため、導入目的を明確化したうえで、自社のニーズに合ったサービスを選ぶことが肝要です。

 

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