効率的にWebサイトの改善につなげられるABテストツール。手間・コストを抑えてサイトを最適化できるため、多くの企業が導入しています。需要が高いぶん、ツールの選択肢も増えており、適切なものを選ぶのが難しくなっています。記事では、自社に合うABテストツールを比較選定するポイントや課題別の向き・不向きの傾向を解説します。
また、導入実績の多い代表的なABテストツールをご紹介します。実際に利用する企業の活用事例も交えながら、サービスの強みや特徴の解説を行います。自社の課題や目的に照らし、適切なサービスを見つけてください。
ABテストツールの比較方法・選び方
ABテストツールを比較選定するときのポイント
多種多様なABテストツールのなかから自社に合うものを絞り込むには、以下の選定ポイントをチェックしましょう。
- 利用目的に合った機能があるか
- ドメイン制限の有無
- 少ない工数で効率的に実施できるか
- サポート体制が整っているか
各項目を詳しく見ていきます。
■利用目的に合った機能があるか
ABテストツールを選ぶにあたり、まずは「どのような機能が必要か」を考えましょう。そのうえで、過不足のないスペックのものを選ぶことが大切です。ABテストツールの主な機能は以下の通りです。
- ABテスト
- 多変量テスト
- 複数ページテスト
- リダイレクトテスト
- トラフィックの割り当て
- ターゲットのセグメント
- 効果が高いパターンを自動判定
- 外部ツールとの連携(ヒートマップ、アクセス解析ツールなど)
- 各デバイスやアプリへの対応(各種デバイスのほか、アプリでも実施できるか)
機能は上記以外にもあり、使い勝手や強みはツールによって異なります。課題解決のために必要な機能を洗い出し、優先順位をつければ絞り込みやすくなります。
■ドメイン制限の有無
ツールによってはテスト可能なドメイン数が限られており、幅広い活用が難しいものもあります。大規模または複数のWebサイトでABテストを実施したい場合は、ドメイン数の制限なく利用できるものを選びましょう。
■少ない工数で効率的に実施できるか
ABテストは、何度も繰り返して最適なパターンを探るテストです。そのため、少ない工数で実施できるかという点は重要なポイントです。また、直感的な操作で簡単にテストパターンを作成できるかという点もチェックしておく必要があります。
とくに、デザインやコーディングのスキルが自社にない場合、専門知識がなくても扱えるタイプを選ぶことが重要です。自社のリテラシーやマンパワーの観点から操作性や効率性をチェックして、使いやすいツールを選択しましょう。
■サポート体制が整っているか
ABテストツールは、Webマーケティングの専門知識がない人でも比較的使いやすい手軽さが魅力です。しかし、ノウハウがまったくない場合、機能の使い分けやデータの見方などでつまずいてしまうことも少なくありません。また、思わぬ不具合が発生することも想定されます。
トラブルに見舞われてもスムーズに対処できるよう、サポートが受けられる範囲や回数、日本語対応の有無を確認しておきましょう。
ABテストツールの向き・不向き
自社サイトの課題によっても、適したABテストツールは異なります。課題別に見た向き・不向きの傾向を以下にまとめたので参考にしてください。
課題・ニーズ |
向き・不向きの傾向 |
---|---|
複数のWebサイトを改善したい |
ドメイン数やサブアカウント数に制限なくテストを実施できるツールが適している |
検証したい要素が多く、1要素ずつ検証する手間を省きたい |
ページ内の複数要素を同時にテスト可能な「多変量テスト」が利用できるツールが向いている。ただし、検証項目が増えるためある程度のサンプル母数が必要 |
ターゲットごとに訴求を最適化できていない |
訪問回数や時間帯、流入元の広告などでテスト対象者を絞れるツールが適している |
ABテストを含め、多角的に分析したい |
アクセス解析やヒートマップ解析など、ABテスト以外の機能も搭載したオールインワンタイプのツールが便利。または、ツール連携できるものが向いている |
Webデザイナーが不足している |
デザインやコーディングの専門知識がなくてもパターンの編集が可能なツールが向いている |
どんなABテストをすればいいかわからない/Webマーケターが少ない |
クラウド上でサイト改善のプロフェッショナル(グロースハッカー)に作成パターンを依頼できるツールがおすすめ |
Webマーケティングのリテラシーが低い |
専任コンサルタントがサポートしてくれるツールがおすすめ。サポート回数に制限があるツールは不向き |
予算が少ない/コストを抑えたい |
必要な機能に特化した低価格なツールや、無料トライアル期間がありコスパ面に納得したうえで導入できるツールが良い |
ABテストツールの導入時に注意すべき点
ABテストツールを導入する際は、以下の3点に注意しましょう。
■あらかじめ仮説を立てる
ABテストを実施する前提として、どの要素がどのように効果に影響するか、仮説を立てることが必要です。たとえば、トップページの直帰率の高さが課題の場合、「ファーストビューのキャッチコピーが訪問者に合っていないのかもしれない」といった仮説を立てます。そして、訴求を変更したABパターンでテストを実施すれば、仮説の正否を検証できます。
また、アクセス解析やユーザー行動分析などからWebサイトの課題を把握することも、精度の高い仮説を立てるために欠かせません。Webサイトは多彩な要素で構成されているため、検証ポイントを絞らないと効率的に改善できません。ツールを生かすためにも、事前の準備をしっかり整えましょう。
■十分なアクセス数が必要
一定以上のアクセス数がない場合、ABテストを実施しても信頼性の高いデータを得られません。アクセス数が少ない状態でABテストを実施することも可能ですが、評価サンプルの収集に時間を要したり、意味のある結果を得られなかったりします。
有意性のある結果を得るには、サイト訪問者は100ユーザー以上、PV数は2,000以上が目安です。
■1要素ずつ検証する
ABテストツールは、一度にひとつの要素を変更・検証するのがセオリーです。「コピーもボタンの配置も変えてみよう」などと複数の要素を一度に変更すると、どの要素が改善に寄与したかを検証できなくなってしまいます。複数の要素の組み合わせを同時に検証したい場合は、ABテストではなく多変量テストを用います。
最適なABテストツールを導入しよう
最適なABテストツールを選択するには、まず導入目的を整理したうえで「どのような機能が必要か」を明確にすることが大切です。複数のWebサイトを運営しているのであればドメイン数の制限がないものを、担当者にノウハウがない場合は専門知識を要しないものが便利です。
ここで紹介した選定ポイントを踏まえ、自社サイトの改善に役立つABテストツールを見つけてください。
ABテストツール 2選「特徴」と「活用事例」
1.Butterfly
サービス名 |
Butterfly |
キャッチフレーズ |
ワンランク上のA/Bテストツール |
サービス概要 |
既存のWebサイトにおいて流入からCVまでのプロセスで分析・ABテストができるプラットフォームです。 |
向いてる形態 |
BtoB/BtoC |
機能一覧 |
・Story機能 |
価格 |
・Butterfly 50,000円 / 初期費用 |
運営企業 |
|
サービス詳細 |
2.Visual Website Optimizer
(参照元:https://www.assion.co.jp/lp/05b/)
サービス名 |
Visual Website Optimizer |
キャッチフレーズ |
価格と機能で選ぶA/Bテストツールなら断然VWO! |
サービス概要 |
お客様が十分に活用出来るまで専任コンサルタントが徹底的にサポートします。直販だからできる手厚いサポートで、顧客満足度100%のA/Bテストツール。 |
向いてる形態 |
BtoB/BtoC |
導入社数 |
約 400 社 (2021年02月07日時点) |
機能一覧 |
・簡易テスト作成 |
価格 |
・通常プラン 150,000円 / から月額 |
運営企業 |
|
サービス詳細 |