インターネットを介して、さまざまなアシスタント業務を行うのが「オンライン秘書」です。仕事の生産性を高めるためにオンライン秘書を利用する企業・個人事業主は増えており、需要の増加にともなって、現在では多種多様なサービスが提供されています。ここでは、オンライン秘書を比較選定する際のポイントや利用時の注意点を説明します。
オンライン秘書を比較選定する際のポイント
オンライン秘書を比較選定する際、検討しておきたいのは次の4つのポイントです。
- 依頼したい業務に対応できる人材がいるか
- 自社に近い規模・業種の導入実績はあるか
- セキュリティ管理体制は適切か
- 料金体系は予算に合っているか
各項目を詳しく見ていきます。
依頼したい業務に対応できる人材がいるか
オンライン秘書を利用する際、まず確認したいのは「依頼可能な業務の範囲」です。オンライン秘書の基本サービスはスケジュール管理やメール対応、各種手配などの秘書業務ですが、ほかにも以下のような業務に対応しているところもあります。
- 経理サポート業務
- 人事サポート業務
- 営業・マーケティングのアシスタント業務
- Webサイト運用のサポート業務
どのようなスキルを有する人材がいるかはサービスによって異なるため、自社が依頼したい業務にマッチしているところを選定しましょう。
自社に近い規模・業種の導入実績はあるか
オンライン秘書サービスの質・スキルは、実際に利用してみないとわからないため、導入実績が豊富なところを選ぶというのもひとつの方法です。提供会社によってはホームページに導入事例を掲載しているので、オンライン秘書をどのように活用しているかを知る手掛かりになります。自社に近い規模・業種の導入実績があれば、依頼したい業務内容のノウハウがある可能性が高いといえるでしょう。
セキュリティ管理体制は適切か
秘書・アシスタント業務では企業の機密情報を取り扱うことがあるため、選定時はセキュリティ管理体制についてもチェックしておきましょう。
以下のような対策が講じられていれば、情報漏えいのリスクが低く、安心して仕事を任せることができます。
- 情報セキュリティポリシーがある
- 契約時に秘密保持契約(NDA)を締結する
- 情報管理教育が徹底されている
- 使用する情報処理端末に適切なセキュリティ対策が施されている
- 業務専用のPCアカウントを使用している
料金体系は予算に合っているか
オンライン秘書の料金体系は月額制が一般的です。1カ月あたりの実働時間によってプランが分かれているところが多く、20時間・30時間・50時間などの選択肢があります。業務対応時間や、6カ月契約・12カ月契約など契約期間に縛りがあるサービスもあるので注意が必要です。
オプションサービスがある場合は料金を確認し、依頼したい業務の範囲・期間・予算にマッチしている提供会社を選定しましょう。
課題別に見たオンライン秘書の向き・不向きの傾向
どのようなオンライン秘書を選ぶべきかは、自社が抱える課題によっても変わってきます。以下に課題・ニーズ別の向き・不向きの傾向をまとめたので、参考にしてください。
課題・ニーズ |
向き・不向きの傾向 |
---|---|
新規顧客が増えているものの、定型的な業務が多く、営業戦略や提案内容を練る時間が圧迫されている |
営業アシスタント業務にも対応しているオンライン秘書であれば、取引先とのアポ調整や、企画書や見積書・請求書の作成、顧客情報の管理などをサポートしてもらえる |
WebサイトやSNSの運用をサポートしてくれる人材がほしいが、フルタイムでは雇用できない |
Webの知識・スキルがあり、Webページの編集やSNSの運用などができる人材がいるオンライン秘書が適している |
オフィスで行う事務作業を代行してほしい |
オフライン業務にも対応しているオンライン秘書であれば、オフィスに出社して資料の整理・ファイリングや契約書の製本、郵送物の発送業務などを代行してもらえる |
依頼する業務では機密情報を取り扱うことがある |
厳格なセキュリティ管理体制を敷いているオンライン秘書であれば、情報漏えいのリスクが少ない |
どのように業務をサポートしてもらえるのかイメージしきれていない |
契約前に無料トライアルを利用できるオンライン秘書が適している |
サービスの質が低かった場合、コストが無駄になるので導入に踏み切れない |
サービスに満足できなかった場合、代金を返金してもらえるオンライン秘書が向いている |
オンライン秘書を利用する際に注意すべき点
オンライン秘書を利用する際は、以下の2点に留意しましょう。
担当スタッフとのコミュニケーションは丁寧に
担当秘書とはメールやチャットによるやりとりが多くなるため、言葉足らずな伝え方をすると誤解が生じ、仕事の質に悪影響を及ぼす可能性があります。メールやチャットで仕事の依頼・指示を出すときは、具体的にわかりやすく伝えるように心がけましょう。
込み入った内容のときはWebミーティングを行うなど、状況に応じたコミュニケーション方法をとることをおすすめします。
自社にノウハウが蓄積されない
オンライン秘書に特定領域の業務を丸投げすると、自社にその領域のノウハウが蓄積されなくなります。オンライン秘書に依頼するときは、その点を考慮して業務を切り出しましょう。
最適なオンライン秘書を見極めよう
オンライン秘書を選定するときは、まず依頼したい業務を明確化し、その業務に対応しているサービスかどうかを確認するのが先決です。実績が豊富でセキュリティ管理がしっかりしている提供会社であれば、サービス品質・安全性の面でも安心できます。ここで紹介したポイントを参考に、最適なオンライン秘書を見つけてください。