アプリユーザーの特性や利用状況に関するデータの収集・分析ができるアプリ解析ツール(アプリ分析ツール)。アプリ市場の競争が激化している昨今、リリース後のアプリ改良に欠かせないツールとなっています。記事では、アプリ解析ツールを導入する利点や期待できる効果、機能について解説します。

アプリ解析ツールの導入を検討している方は以下の記事も参考にしてください。

アプリ解析ツール 5選|比較・選定ポイントとおすすめ「アプリ分析ツール」の特徴や活用事例

アプリ解析ツールとは

アプリ解析ツールとは

 

アプリ解析ツールとは、モバイルアプリのユーザー属性や行動データを収集・分析するツールです。自社アプリが「どのような人に利用されているか」「アプリ内でどんな行動がとられているか」を把握し、アプリの運営・改善に役立てることができます。

 

市場のニーズが多様化・細分化し、多種多様なアプリが提供されるなか、自社アプリをユーザーに継続利用してもらうには、リリース後の改善が欠かせません。データ収集・分析・改善のPDCAを回すことが、競合アプリとの差別化やユーザーのロイヤルティ(愛着・忠誠)の向上につながります。

 

アプリ解析ツールを活用すれば、ダウンロード後のユーザー行動をさまざまな切り口で分析でき、改良すべき点を把握しやすくなります。

アプリ解析ツールで実現できること

アプリ解析ツールで実現できること

 

アプリ解析ツールはアプリマーケティングの強化に役立ちます。導入により実現できることを3つ挙げます。

アプリの分析・効果測定

アプリビジネスを成功させるには、KPI(重要業績評価指標)の設定が欠かせません。アプリ解析ツールを用いれば、ダウンロードしたユーザーの流入経路やCV、アプリの利用状況を把握でき、KPI運用がスムーズになります。また、市場データを提供しているツールもあり、自社のポジションを確認することも可能です。

 

  • アプリの利用状況を測定
  • 広告効果を測定
  • 市場データ・競合データの収集

 

ユーザーの行動分析

アプリの改善ポイントを洗い出すには、ユーザーの行動分析からニーズを抽出する必要があります。アプリ解析ツールを用いれば、ユーザーの属性や行動情報を細かくつかむことができます。

 

  • ユーザーの属性・行動情報を測定

 

優良顧客の囲い込み

ユーザーにアプリを使い続けてもらうには、個々のユーザー特性やニーズに合った施策を投入することが大切です。アプリ解析ツールを用い、特定の属性・行動パターンによってターゲットを分類すれば、セグメントに応じてアクションをカスタマイズできるようになります。プッシュ通知やメッセージ配信ができるツールも提供されており、ユーザーの次の行動を効率的に促進します。

 

  • セグメントによるロイヤルティ分析
  • プッシュ通知やSNSとの連携によるキャンペーン実施

 

アプリ解析ツールの導入で得られる効果

アプリ解析ツールの導入で得られる効果

ユーザーの満足度向上

ユーザーフレンドリーでないアプリはユーザーにストレスを与え、早期離脱や他社アプリへの乗り換えを招いてしまいます。広告やキャンペーンで新規ユーザーを増やしても、ダウンロード後の満足度が低ければユーザーは定着してくれません。

 

アプリ解析ツールを活用して施策のクオリティが高まれば、ユーザーの使い勝手が向上し、満足度アップにつながります。同時に、リテンション率(継続率)の向上も期待できます。

 コンバージョン率の向上

ユーザーの満足度が高まり、アプリに対するロイヤルティを醸成できれば、商品購入や課金に至りやすくなります。ユーザーがアプリを認知し、ダウンロードしてから購入・課金に至るまではさまざまなプロセスがあります。アプリのクオリティが低ければ、ユーザーに購買行動を促せません。

 

アプリ解析ツールを用いれば、コンバージョンに至るユーザーの行動分析や離脱したユーザーの特性などを把握でき、施策の精度を高められます。

 意思決定スピードの向上

アプリ解析ツールを導入すれば、アプリの改良にまつわる意思決定をスピーディーに実施できるようになります。

 

解析ツールにはさまざまな機能が搭載されており、自動的にデータを抽出します。リアルタイムな分析が可能になるため、課題把握から改善まで速やかに実行でき、ユーザーの離脱防止につながります。クラッシュなどの不具合が発生した際も、迅速に対処できます。

 マーケティング効率アップ・コスト削減

アプリ解析ツールによってユーザー関連のデータ収集・分析が自動化されれば、アプリ運用のPDCAがスムーズに回り、マーケティング業務の効率化が図れます。効果測定の仕組みがないと、やみくもな広告投下による新規ユーザー獲得や矢継ぎ早なアプリ開発に注力しがちで、過剰なコスト増を招くことがあります。

 

アプリ解析ツールを用いれば、アプリを随時アップデートしながら効率的・効果的な運用ができるようになり、コスト削減が期待できます。

アプリ解析ツールの機能一覧

アプリ解析ツールの機能一覧

 

アプリ解析ツールの主な機能を以下にまとめました。 

 

機能

内容

アクセス分析

アプリのアクティブユーザー数(DAU/MAU)やイベント別の実行回数などを計測

セグメント分析

利用しているOS・バージョンや日時などでユーザーを分類する

ヒートマップ分析

画面のどこがクリック・タップされているかを可視化する。クリック頻度・エリアからユーザーの興味・使い方を把握できる

LTV分析

ユーザーがアプリで課金する金額や購入頻度・期間を計測する

レベニュー分析

ユーザー一人当たりの購入回数・売上や課金ユーザーの売上・購入回数など売上関連の詳細分析ができる

クラッシュ分析

アプリ内のクラッシュを自動的に発見し、発生した時間・ページ・バージョンなどを分析する

プッシュ通知分析

プッシュ通知の開封数・開封時間を計測する。プッシュ通知を受け取った後のユーザーの利用状況・利用頻度などを分析できるツールもある

広告効果測定

広告経由でアプリにアクセスしたユーザーの流入経路やコンバージョン率などを測定する。広告の費用対効果を測るために用いられる

A/Bテスト

UI(ユーザーインターフェース)や機能など特定要素を変更したAパターン・Bパターンを用意し、成果の違いを検証する。3パターン以上で実施する場合もある

コホート分析

特定の時間やアクションのリピート状況・コンバージョン状況を計測する

リテンション分析

ユーザーの継続率を計測する。ページ閲覧や商品購入などのイベントトラッキングと組み合わせて相関分析ができるツールもある

ファネル分析

会員登録や商品購入など、各プロセスにおける離脱状況を計測する

 

どの機能が搭載されているかは、ツールによって異なります。1つのツールに全機能が網羅されているとは限らないので選択時は注意しましょう。

アプリ解析ツールで施策の精度を高めよう

アプリ解析ツールを利用すれば、アプリが「誰に・どのように使われているか」が把握でき、ユーザー特性に応じた施策を打ちやすくなります。施策の精度を高め、リテンション率やコンバージョン率を向上したい場合は、自社アプリに適したツールを選んでアプリビジネスを成功に導きましょう。

 

アプリ解析ツールの導入を検討している方は以下の記事も参考にしてください。

アプリ解析ツール 5選|比較・選定ポイントとおすすめ「アプリ分析ツール」の特徴や活用事例