与信審査や請求書作成・送付、代金回収など一連の請求業務を代行する「請求代行サービス(請求代行会社)」。請求代行会社や掛売代行と呼ばれることもあります。多種多様な特徴を持つ請求代行サービスがあるため、自社に適したサービスを選ぶことが重要です。ここでは、請求代行サービスを比較選定する際のポイントや利用時の注意点を説明します。
また、導入実績の多い代表的な請求代行サービス(請求代行会社)をご紹介します。実際に利用する企業の活用事例も交えながら、サービスの強みや特徴の解説を行います。自社の課題や目的に照らし、適切なサービスを見つけてください。
請求代行サービスの比較方法・選び方
請求代行サービスを比較選定する際のポイント
請求代行サービスを選定する際にチェックしておきたいのは、以下の4つのポイントです。
- サービスの提供範囲は自社のニーズに合致しているか
- 与信審査のタイミングは自社の取引パターンに合っているか
- 取引限度額は自社の取引規模に合っているか
- 料金体系は予算に合っているか
各項目を詳しく見ていきます。
■サービスの提供範囲は自社のニーズに合致しているか
請求代行のサービス内容は各社異なるため、まずは自社が外注したい業務がサービスに含まれているかを確認しましょう。一般的な請求業務には以下のものがあります。
- 与信審査、与信管理
- 請求書の作成、発行、送付
- 入金管理
- 代金回収、督促
上記すべてを一括代行するサービスと、請求書作成・発行のみに対応しているところがあるため注意が必要です。
■与信審査のタイミングは自社の取引形態に合っているか
請求代行会社が取引先の与信審査を実施するタイミングは、「取引開始前」と「取引ごとに毎回」の2パターンに大別されます。
取引開始前のパターンでは、事前に与信審査を実施すれば取引ごとに都度審査を行う必要がないため、継続的な取引が見込まれる場合に適しています。取引ごとに審査を行うパターンは、単発取引の顧客が多い場合に向いています。与信審査のパターンが自社の取引形態に合っているサービスを選びましょう。
■取引限度額は自社の取引規模に合っているか
取引限度額(与信上限枠)も代行会社によって異なるため、あらかじめチェックしておく必要があります。1社あたりの限度額が300万円のところもあれば、2,000万円まで増枠可能なサービスもあります。限度額が自社の取引規模にマッチしていないと業務が滞る可能性があるため、慎重に選定しましょう。
■料金体系は予算に合っているか
請求代行サービスの料金は以下の項目に分けることができます。
- 初期費用
- 月額費用
- 取引ごとの事務手数料
初期費用と月額費用は無料のところもありますが、ほとんどのサービスでは取引ごとに事務手数料が発生します。事務手数料は請求書1件あたり〇円と固定料金を設定しているケース、取引額の数%と料率を定めているケースがあります。料金体系を確認して概算を出し、自社の予算に合っているサービスを選定しましょう。
課題・ニーズ別に見た請求代行サービスの向き・不向きの傾向
どのような請求代行サービスを選ぶべきかは、自社の課題によっても変わってきます。以下に課題・ニーズ別の向き・不向きの傾向をまとめました。
課題・ニーズ |
向き・不向きの傾向 |
---|---|
中長期的に継続的に取引をする顧客が多い |
取引開始前に与信審査を実施する請求代行サービスであれば、注文ごとに審査を行う必要がないためスピーディに取引ができる |
今後、取引規模が拡大する可能性がある |
与信上限枠が大きく、取引実績に応じて増枠してもらえる請求代行サービスが適している |
個人事業主やスタートアップ企業の与信に不安がある |
個人事業主や創業間もない企業に対する与信にも対応している請求代行サービスが向いている |
代金の未回収・貸し倒れによる損失を回避したい |
代金保証がある請求代行サービスであれば、未回収の取引があった場合に顧客の代わりに代金を支払ってもらえる |
自社の基幹システムを活用しながら請求業務を効率化したい |
API連携に対応している請求代行サービスであれば、自社システムのデータを取り込んで請求業務の自動化を推進できる |
請求代行サービスを利用する際に注意すべき点
請求代行サービスを利用するときは、以下の2点に留意しましょう。
■取引先にあらかじめ説明しておく
請求代行サービスに請求業務を委託すると、取引先に代行会社から請求書が届くようになるため、事前に説明しておかないとトラブルに発展する可能性があります。請求フローや請求書のフォーマットなどについて、これまでと変わる点・変わらない点を丁寧に説明し、了承を得ておくようにしましょう。
■代金回収状況をこまめに確認する
請求代行サービスに代金回収業務を任せきりにすると、実際に滞りなく代金を回収できているか自社からは見えにくくなるため注意が必要です。請求代行会社と定期的にコミュニケーションをとり、取引先の状況や入金状況を随時確認するようにしましょう。
自社にマッチした請求代行サービスを見極めよう
請求代行サービスを比較選定する際は、サービスの提供範囲・与信審査のタイミング・取引上限額が自社のニーズや取引規模にマッチしているかを確認しましょう。そのうえで、料金が予算に収まるかをチェックすれば有力候補を絞り込めます。
ここで紹介した選定ポイントを参考に、自社に適した請求代行サービスを見つけてください。
請求代行サービス 3選「特徴」と「活用事例」
1.企業間決済サービス「Paid(ペイド)」
(参照元:https://paid.jp/)
サービス名 |
企業間決済サービス「Paid(ペイド)」 |
キャッチフレーズ |
ビジネスが止まらない企業間決済。手間もリスクも不要 |
サービス概要 |
業界トップクラスの導入実績。企業間決済(掛売り決済/後払い/請求書払い)を誰でも簡単に導入できます。業界・業種を問わず掛売り取引を可能にし、与信管理から代金回収まですべての請求業務を代行。さらに、取引先が未払いだった場合も代金を100%お支払いします。 |
向いてる形態 |
BtoB |
導入社数 |
約 4000 社 (2021年02月04日時点) |
導入企業の傾向 |
個人事業主から大企業までを対象とするBtoBサービス提供企業 |
価格 |
・利用料金・支払い条件 価格はお問合せください |
運営企業 |
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サービス詳細 |
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サービス資料 |
導入した企業の声
株式会社コタム 企画制作部 部長 松田 純也様 デザイナー 佐藤 英子様:
導入目的は、口座振替の手続きに手間がかかっていたため。Paidを活用することで、請求をほぼ自動化することができ、大幅な業務削減につながっています。
2.NP掛け払い
(参照元:https://np-kakebarai.com/)
サービス名 |
NP掛け払い |
キャッチフレーズ |
請求書払いの手間と不安から解放します。 |
サービス概要 |
NP掛け払いは未回収保証型の請求書払い代行サービスです。 |
向いてる形態 |
BtoB |
機能一覧 |
・NP掛け払いの機能 |
価格 |
・初期導入費用 0円 / 初期導入費用 |
運営企業 |
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サービス詳細 |
3.MF KESSAI
(参照元:https://mfkessai.co.jp/kessai/top)
サービス名 |
MF KESSAI |
キャッチフレーズ |
与信から入金確認まで請求業務はすべておまかせ |
サービス概要 |
企業間決済に必要なプロセスを代行し、事業をさらに前へと進めます。 |
向いてる形態 |
BtoB |
機能一覧 |
・高通過率の与信審査 |
価格 |
・初期導入費用 0円 / 初期導入費用 |
運営企業 |
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サービス詳細 |