日々の予定管理を効率化できるスケジュール管理ツール(スケジュール管理ソフト)。スケジュール調整や共有といった基本機能のほか、プロジェクト管理ができる多機能なタイプも提供されています。メリットの多いツールですが、種類の多さから選定が難しいことも事実です。ここでは、スケジュール管理ツールの比較選定ポイントと導入時の注意点を解説します。

また、導入実績の多い代表的なスケジュール管理ツールをご紹介します。実際に利用する企業の活用事例も交えながら、サービスの強みや特徴の解説を行います。自社の課題や目的に照らし、適切なサービスを見つけてください。

スケジュール管理ツールの比較方法・選び方

スケジュール管理ツールで実現できること

スケジュール管理ツールを比較選定する際のポイント

 

スケジュール管理ツール(スケジュール管理ソフト)の選定は、次の4点を意識して進めてください。

 

■ツールのタイプを決定する

スケジュール管理ツールに分類されるツールは多種類あります。大きくは次の3タイプに分けることができます。自社の使い方を想定したうえで、絞り込むとよいでしょう。

 

  • スケジュール管理特化型
  • 情報共有機能を強化したグループウェア型
  • タスク管理を強化したプロジェクト管理型

 

また、スケジュール管理ツールにはインターネット上で利用するクラウド型と、ソフトウェアをインストールするオンプレミス型があります。機能がシンプルなスケジュール管理特化型の大半はクラウド型ですが、多機能なタイプでは、クラウド型のほかにオンプレミス型も提供されています。

 

現在は、導入ハードルの低さや情報共有の利便性からクラウド型が主流です。一方、オンプレミス型は、カスタマイズ性やセキュリティ面での利点があります。自社の状況に応じて選択しましょう。

 

■機能を比較する

スケジュール管理ツールの基本機能は、スケジュール表の作成および共有です。グループウェア型やプロジェクト管理型など多機能なタイプは、提供元によって搭載されている機能が大きく異なります。各種サービスの機能を比較して、自社に適するツールを絞り込んでください。以下に主な機能例をあげます。

 

<スケジュール管理機能>

  • 複数のスケジュール表を作成・共有
  • 会議室や備品の予約管理
  • 共有範囲や閲覧権限の設定
  • リマインダー機能

 

<コミュニケーション機能>

  • チャット機能
  • ファイル共有

 

<プロジェクト管理機能>

  • タスク管理
  • ガントチャート機能
  • 複数プロジェクトの一元管理

 

■コストを比較する

スケジュール管理ツールの利用にかかるコストは、サービスにより大幅に変わります。各種サービスのコストを比較して、継続利用しやすいツールを選定してください。

 

スケジュール管理に特化したシンプルなサービスには、無料で利用できるものが多く見られます。ただし、無料のツールは広告が表示される場合があるのでご注意ください。

 

多機能なスケジュール管理ツールは基本的に有料です。クラウド型ツールの費用相場は、1ユーザーあたり月額200〜600円程度となっています。使える機能やストレージ容量などに応じて、段階的に料金プランが設定されているものもあります。

 

オンプレミス型ツールのコストには、ライセンス料やシステム構築費、保守管理費用などがあげられます。サービスによっては、年額制のサポート料金が別途発生します。

使いやすさを比較する

スケジュール管理ツールの選定において、必ずチェックしたいのが使いやすさです。試用期間や体験版を利用して、操作のしやすさや画面のわかりやすさなどを比較しましょう。無料で使えるサービスも導入前に使用感をチェックしてください。

 

ツールの使いやすさをチェックする際は、多くの社員に操作を試してもらいましょう。ITツールに馴染みの薄い社員にも感想を聞き、スムーズに利用できるサービスを選定してください。

課題・ニーズ別に見たスケジュール管理ツールの向き・不向きの傾向

課題・ニーズ別に見たスケジュール管理ツールの向き・不向きの傾向

 

スケジュール管理ツールの選定は、自社の課題を踏まえて進めることが肝要です。次の表を参考にして、自社に適するサービスのタイプを選定してください。

 

課題

向き・不向きの傾向

低予算で導入したい

・スケジュール管理に特化した無料または低料金のサービスを検討する

・機能を選んで導入できるクラウド型サービス(機能ごとに単価が設定されているサービス)が便利

スケジュール管理から情報共有まで一つのシステムで完結したい

・スケジュール管理や情報共有機能、プロジェクト管理機能をオールインワンで備えた多機能なサービスが適している

取引先や外部パートナーとの情報共有にも活用したい 

・ゲスト招待できるクラウド型のサービスが適している。ユーザーごとに適切な権限設定できるかも要確認

・オンプレミス型は不向き

コストを抑えつつ大人数で利用したい

・オンプレミス型サービス(エンタープライズライセンスのあるもの)が向いている

・大企業向けプランのあるクラウド型サービスも低コストに抑えやすい

自社のセキュリティ要件が厳しい / 外部サービスにデータを保存できない

・オンプレミス型サービスであれば自社のセキュリティ要件を担保しやすい

導入時に注意すべき点

(スケジュール管理ツール)導入時に注意すべき点

 

スケジュール管理ツールは、業務の効率化やミス防止に役立ちます。しかし、ツール導入以前に、スケジュール管理の基本を周知していなければ、運用時につまずくことが想定されます。うまくいかない要因は次の2つです。

 

  • 業務に必要な時間を把握していない
  • 業務の優先順位が人によってばらばら

 

スケジュール管理は、一つひとつのタスクにかかる時間を積み上げて成り立ちます。そのため、業務に要する時間を的確に把握していないと、効率的なスケジュール管理ができなくなってしまいます。また、業務の優先順位付けが人によってばらつきがある状態では、うまく進行できません。

 

ツール導入の効果を高めるには、スケジュール管理の基本についても理解を進めることが重要です。

目的に合ったスケジュール管理ツールを選ぼう

スケジュール管理ツールの選定では、導入目的を明確にした上で機能の比較を入念に行いましょう。継続的に利用するツールとなるため、費用対効果の面でも十分に検討する必要があります。サービス導入フェーズでは、必要に応じてスケジュール管理のルールを定めるなど、人によってばらつきが出ないよう配慮することも大切です。以上を踏まえた上で、具体的なサービス選定を進めてください。