アアキテクトデエタラボ株式会社の温浴状態監視IoTシステム「ココチー」は、温泉設備のデータをIoT機器によって収集しリアルタイムで可視化することによって、温泉・温浴施設管理におけるさまざまな課題を解決するサービスです。
ココチーにおいて収集したデータを送信する仕組みには、「MEEQ」を採用いただきました。同社代表取締役で、エンジニアでもある中村さんに、お話をお聞きしました。
ココチーを運用するなかでの悩みの1つとして、温泉によっては、データ送受信に必須の電波が「圏外」になってしまうということがあります。温泉は山あいにあり、携帯電話の電波が届きにくいところも少なくありません。そこで、3キャリアに対応した「MEEQ」の利用を開始。安定した通信が可能になり、これまでよりもサービス提供範囲を広げることができました。
ココチーは温泉の状況をIoT機器とクラウドでモニタ-し、2分に1回というリアルタイムで源泉や浴槽の温度、設備の状態などを可視化するサービスです。多くの施設ではスタッフが源泉や浴場まで出向いて確認していますが、時間を要する業務の1つとなっています。また、別の業務に時間をとられたスタッフがもし確認をし損ねることとなれば、温泉としてのサービス低下や顧客満足度の低下に直結してしまいます。IoT機器で監視業務をサポートすることで、業務効率化とともに、本来の業務である温泉や温浴施設のサービス向上に集中できます。
その遠隔監視に重要なのが通信ネットワークです。今や都市部では携帯電話が圏外になることは稀で、携帯電話会社(キャリア)による通信状況の差もほとんどなくなってきていますが、山間部では事情が異なります。
温泉は携帯電話の基地局から陰になる場所も多く、通信電波状況は良好とは限りません。また、サービスの仕様上、端末には固定IPアドレスが必要という制約もありました。そこで、これまでは、エリアが広いと認識されている特定のキャリアのネットワークを使ったMVNOによるデータ通信サービスを利用しておりました。しかし、施設の場所によっては電波が届かず、対応できないことが悩みの種でした。通信ができなかったために温泉・温浴施設からのサービス導入の依頼を断ったり、計測設備から離れたところにアンテナやルーターを設置して長いケーブルを引き回したりしたこともありました。
キャリアの選択肢が1つしかないことの弊害は他にもありました。通信ができずに依頼を断ったり、計測設備から離れたところにアンテナやルーターを設置して長いケーブルを引き回したりしたことも。
他のキャリアが使えれば解決するのに。 そう頭を悩ませていたところへ、電波状況の悪い場所に監視システムを導入したいという問い合わせが入りました。その場所は別のキャリアならば電波状態が良好ということが分かっていた中村さんは、キャリアを問わずに固定IPアドレス運用が可能なサービスを探し始めました。
その条件を満たすMEEQを知った中村さんは、すぐに契約して別キャリアのSIMをオーダー、SIMを装着した無線ルーターを現地に持ち込み、無事サービスを提供できました。導入にあたってはまったく困ることはなかったといいます。
中村さんは「MEEQはオンライン広告で知り、電波が入ると分かっていた別のキャリアのSIMカードもラインアップにあったので、即、契約しました。かなりの山奥でも、何かしらの携帯電話は通じています。大手3キャリアのSIMがどれでも選択できることは非常に助かります」と話します。
引き続き、これまで通信状態があまりよくなかった場所の機器のSIMを変更することもご検討いただいています。