NTTの通信インフラを支えるシステムインテグレーター
NTTコムウェア株式会社(以下、同社)は、売上高2,125億300万円、社員数5,303名(いずれも2011年3月末現在)、という大手システムインテグレーターである。NTTの通信インフラやサービスをシステム面から支えてきた同社は、長年にわたって蓄積した高い技術力とノウハウを、NTTグループ内外の様々な企業・団体に提供している。
同社の中で、情報セキュリティ分野を専門としているのが、セキュリティソリューション事業部(以下、同事業部)である。同事業部では、顧客に対して、個人情報を保護する端末制御ソリューション、情報漏洩を防止するシンクライアントソリューション、内部統制に欠かせない認証管理・ID管理ソリューション、米国SOX法対応のため監査証跡記録と証跡管理を行うログ管理ソリューションなど、コンサルティングから開発構築、維持管理、運用支援までを含めトータルにセキュリティソリューションの提案を行うとともに、社内の情報セキュリティ対策の整備と立案も担当しており、この社内での取り組みをもとにした顧客提案を行えることが、同事業部の大きな強みとなっている。
同事業部が社内の情報セキュリティ対策を進める過程で顕在化してきた課題の1つが、大容量のファイルを送受信する仕組みの整備であった。ユーザー数が5,000名を超える同社では、メール1通当たりの添付ファイルサイズを制限している。そのため、顧客向け提案書やログファイルなど、ファイルサイズの大きなデータを送受信するには、メールの分割送信や、オンラインストレージを利用していた。しかし、こうした方法では、利便性や情報セキュリティ面での問題があり、同事業部はファイル転送システムの導入でこの課題を解決することにした。