本記事では、株式会社シーラベルが主催する『DX事例合同ウェビナー』のレポートをお届けします。
2020年12月16日に開催した5社合同ウェビナーのテーマは、『マーケティングのDX成功事例』。
登壇3社目のサービスは、ECサイトを売上改善に導く商品検索サービス『ポップリンク』と『ポップファインド』です。ベンダーのビジネスサーチテクノロジ株式会社の中西彩華氏に、プロダクトの特徴と、ザボディショップジャパン株式会社の活用事例をご紹介いただきました。
CV率アップにつながるサイト内検索
中西氏:
弊社は社名に「サーチ」とありますように、検索サービスを提供している会社です。主に、企業サイト向けのサイト内検索や、ECサイト向けの商品検索サービスを提供しています。
弊社サービスの導入企業数は現在800社以上となっております。もしかしたら、皆さまもECサイトや企業サイトの検索で、弊社サービスをご利用いただいたことがあるかもしれません。
(ビジネスサーチテクノロジ株式会社の中西彩華氏)
ECサイトでの商品検索利用の実態
まず、ECサイトでの商品検索利用の実態についてお話しさせていただきます。弊社で一般のEC利用者を対象にアンケートを実施したところ、「オンラインショッピングでサイト内検索を利用するか」という設問に対し、9割の方が「利用する」と回答しました。
さらに、「購入目的でサイト内検索を行った際に、商品が見つからなかったことがあるか」という設問に対しては、9割の方が「見つからなかった経験がある」と回答しました。
また、「検索で商品が見つからなかった場合、どのような行動をとりますか」という設問では、「他のECサイトで買う」「諦める」「店舗で買う」など、8割以上の方がそのサイトでの購入をあきらめて離脱していることが分かりました。
ECサイトに限らずコーポレートサイトにおいても、必要な情報が見つからない検索はお客様の満足度低下につながってしまいます。
弊社では、商品が見つからずに離脱しているこの8割の方を購入につなげることが、売上を改善する上で重要だと考えています。
ECサイトにおける検索の重要性
次に、ECサイトにおける検索の重要性について。ECサイトで検索を行う方は、もともと購入したい商品がはっきりしている「目的買い」の方が多いです。検索の利用者はサイト全体の訪問数のうち10%程度でも、コンバージョン率はサイト全体と比較して5倍という数値も出ています。
資料の表にある通り、Googleアナリティクスの数値では、「Visit With Site Search(サイト内検索を利用)」した場合、1セッションあたりのコンバージョン率が高くなっています。
つまり、コンバージョン率が高いサイト内検索ユーザーを的確に商品や求める情報に導くことが、売上アップ・CV率アップへの近道になると言えます。
『ポップリンク』/『ポップファインド』の使い方
CVページに最短で導く『ポップリンク』
次に、今回の事例でも導入いただいている検索サービスの『ポップリンク』と『ポップファインド』をご紹介します。
こちらは、検索サジェストのポップリンクです。検索窓に数文字入力すると、検索窓の下に候補語を表示します。さらに、キーワードをタップすることで、関連する商品を画像付きでサジェスト表示します。
商品画像をクリックすると、商品ページに遷移します。直接商品ページリンクすることで、検索結果ページを経由することなく最短の操作で商品のコンバージョンページにたどり着くことができます。
商品をひと目で比較できる『ポップファインド』
次に、『ポップファインド』という検索サービスをご紹介します。キーワード検索を行うと、検索結果に該当する商品が表示されます。商品情報の下の「比較する」というボックスをチェックすると、左下に選択した商品が表示されます。さらに、「商品を比較する」のボタンを押すと、検索結果のウィンドウ上で選択した商品を比較することができます。
活用事例:ザボディショップジャパン株式会社
中西氏:
ザボディショップジャパン株式会社 E-commerce & CRMの斉藤様よりいただいたコメントをご紹介します。
斉藤氏:
本日は、ザボディショップの検索の取り組みについてお話しさせていただきます。
斉藤氏:
我々のブランドは1976年にイギリスで生まれました。現在は世界60カ国3,000店、国内100店舗を展開しております。主な製品は天然原料をベースとした化粧品で、ギフトなどにもよく利用されています。
私はECサイトの運営に約10年携わっています。現在は、ザボディショップの通販サイトの運営やアプリの開発、デジタル領域全般を担当しております。
サイト内検索を導入する前の課題
斉藤氏:
まず、サイト内検索を導入する前の2つの課題についてお話しします。
①カート標準搭載の検索機能の使いにくさ
標準搭載の検索機能だと前方一致でしか検索にヒットしませんでした。検索用のキーワードを頑張って登録しても、お客様から「検索が引っかからないんだけど」と問合せが来ていました。とはいえ、かなりのコストがかかる機能開発を行うわけにもいかず、頭を抱えていました。
② 検索対策にかかる工数のジレンマ
これは課題①から派生するもので、検索が前方一致でしかヒットしないため「どんなキーワードで検索されるんだろう」と考えながら必死に検索用のキーワードを登録していたのですが、非常に時間がかかります。しかも、コピー&ペーストで入れてしまうと関係のない商品も出てきてしまったり、どのキーワードで検索しても同じ検索結果になったりしていました。
選定理由
斉藤氏:
今回、我々が『ポップファインド』と『ポップリンク』を導入した一番の理由は、「私たちの要件にちょうど良かった」ということに尽きます。ザボディショップの場合は、マイナス1をゼロにするための導入です。前方一致で検索に引っかからないものを、検索できるようにするのが目的でした。
導入後の効果
斉藤氏:
こちらが、『ポップリンク』と『ポップファインド』経由のCV率や収益で、Googleアナリティクスの数字をベースにしています。
どちらもセッション数は全体の2%や0.7%と決して多くはないものの、収益はポップファインドが全体の7.5%、ポップリンクは6%と、セッションに対する収益は高いです。
コンバージョン率も、サイト全体と比較すると5~10倍です。
検索母数が少ないサイトでも、サイト内検索はしっかりと収益に貢献することがわかりました。我々もそうですが、「サイト内検索はあまり使われていない」という会社さんは多いかもしれません。ただ、サイト内検索を導入したことでしっかりと収益を作ることができています。
これからの検索活用
斉藤氏:
『ポップファインド』には、検索結果一覧にチェックを入れて「比較する」ボタンがあり、気になる商品を横に並べて比較できます。
現在の比較項目は、画像やレビュー評価、価格だけですが、化粧品は香りやテクスチャー、成分なども購買判断の重要な要素です。そのため、今後は比較項目を加え、お客様が気になる商品を比較して納得して買っていただける検索機能に改善したいと考えています。
検索対策の効率化に最適
斉藤氏:
最後に、『ポップリンク』や『ポップファインド』をおすすめしたいのは、我々と同じように、カート標準の検索機能をステップアップさせたい方です。
検索対策は真面目に取り組むと非常に時間がかかりますが、クローリングであれば導入も早く・コストも低く抑えることができます。検索対策を効率化したい方にぜひ使っていただければと思います。
中西氏:
弊社は、サイト内検索を通して、お客様の課題解決と、その先のサービスをご利用されるお客様の「便利」のために、色々なサービスをご提案しています。利便性向上や売上改善の課題がございましたら、ぜひご相談ください。
最後までご清聴いただきありがとうございました。
■登壇者
ビジネスサーチテクノロジ株式会社 中西 彩華
■事例紹介企業
ザボディショップジャパン株式会社
- 住所:東京都中央区
- 業種:商業(卸売業、小売業)
- ビジネス領域:スキンケア・化粧品
- 従業員規模:500~1000名
- HP:https://www.the-body-shop.co.jp/shop/