「クラウドバックアップ」や「バックアップアプライアンス」では、社内の各種データファイルやシステム環境を効率的かつセキュアにバックアップすることができます。本記事では、クラウドバックアップ/バックアップアプライアンスで実現できることや機能一覧、導入するメリット・効果を紹介します。

クラウドバックアップ/バックアップアプライアンスの導入を検討している方は以下の記事も参考にしてください。
クラウドバックアップ/バックアップアプライアンス 20選|比較・選定ポイントとおすすめ「クラウドバックアップ/バックアップアプライアンス」の特徴

クラウドバックアップ/バックアップアプライアンスとは

クラウドバックアップ/バックアップアプライアンスとは

 

クラウドバックアップ/バックアップアプライアンスとは、企業などが保有するデータを複製して保管するサービスです。データファイルの保管・共有を目的とするクラウドストレージサービスとは異なり、アプリケーションやOSなどのシステム環境も含めてバックアップすることが可能です。

 

クラウドバックアップとバックアップアプライアンスには以下のような違いがあります。

 

クラウドバックアップ

ベンダーが保有するクラウドサーバーに対象データを保管する

バックアップアプライアンス

バックアップをとるためのハードウェアとソフトウェアが一体化した装置(アプライアンス)を提供する

 

クラウドバックアップやバックアップアプライアンスを活用すれば、必要なデータを自動的にバックアップできるようになり、BCP対策の強化にもつながります。

クラウドバックアップ/バックアップアプライアンスで実現できること

クラウドバックアップ/バックアップアプライアンスを導入すると、以下の3つを実現できるようになります。

データファイルやシステム環境を自動バックアップ

クラウドバックアップ/バックアップアプライアンスでは、データファイルのほか、アプリケーション、OSなどのシステム環境を含めて自動的に複製・保管することができます。

 

バックアップ方法は以下の3種類に大別されます。

 

フルバックアップ

毎回、全データをバックアップ

差分バックアップ

初回フルバックアップ時から変更・追加されたデータのみ毎回バックアップ

増分バックアップ

前回から変更・追加されたデータのみバックアップ

 

スケジュール設定機能により、実行時間やバックアップの間隔を日/週/月単位で設定することも可能です。

バックアップ時に重複データを排除

デジタル化の加速に伴って企業でバックアップをとるべきデータは増大しており、同じデータを別々のサーバーに保管しているケースも少なくありません。その点、クラウドバックアップ/バックアップアプライアンスには「重複排除機能」が備わっており、バックアップ時に対象データを解析し、重複するデータを自動的に検出・排除します。これにより、データ転送容量や格納容量を削減することができます。

簡単な操作でデータを復元

クラウドバックアップ/バックアップアプライアンスでは、バックアップしたデータを簡単なクリック操作で復元することができます。元データが災害やサイバー攻撃の被害を受けてもすぐに復旧可能です。復元範囲を全データまたはファイル・フォルダ単位から選べる点も便利です。

クラウドバックアップ/バックアップアプライアンスの導入で得られる効果

クラウドバックアップ/バックアップアプライアンスの導入で得られる効果

 

クラウドバックアップ/バックアップアプライアンスを導入することで、主に4つの効果・メリットが得られます。

マンパワーやコストの削減

自社でバックアップ用のサーバー環境を一から構築する場合、多大なマンパワーとコストを要します。クラウドバックアップやバックアップアプライアンスでは、ベンダーが提供するクラウドサーバーやアプライアンスにデータをバックアップできるようになります。自社でサーバーの設計・開発や運用・保守を行う必要がないため、運用負荷や人件費を大幅に削減することが可能です。

バックアップ作業の効率化

バックアップ作業を自社で行う場合、システム担当者が付きっきりで対応することも少なくありません。クラウドバックアップやバックアップアプライアンスを導入すれば、社内のあらゆるデータやシステムのバックアップを自動化することができます。簡単なクリック操作でデータを復元できるものも多く、手間のかかるバックアップ作業を効率化できます。

BCP対策の強化

社内のサーバーにデータをバックアップしている場合、地震や火災などが起こったときに元データとバックアップデータを同時に消失するリスクがあります。クラウドバックアップでは遠隔地にあるデータセンターにデータを複製・保管できるため、災害時でも短時間で復旧することが可能です。バックアップアプライアンスにおいても、クラウド環境にデータをレプリケーション(複製)するサービスを利用することでBCP対策(事業継続計画)を強化できます。

ランサムウェア対策の強化

コンピューターウイルスの一種であるランサムウェアは、同一ネットワーク上の端末や接続した端末のデータすべてに感染するため、ネットワーク対応HDD(NAS)や外付けHDDなどでは対処できません。クラウドバックアップでは社内ネットワークと切り離された環境でデータを保管するため、ランサムウェアの影響を受けません。バックアップアプライアンスにおいても、暗号化やレプリケーションによってデータが堅牢に保護されます。

クラウドバックアップ/バックアップアプライアンスの機能一覧

クラウドバックアップ/バックアップアプライアンスの主な機能を以下にまとめました。

 

機能

内容

バックアップ

自動または手動で対象データを複製・保管する

スケジュール設定

自動バックアップするスケジュールを設定する

重複排除機能

バックアップ時に重複するデータを自動的に排除する

復元機能

バックアップしたデータを復元する

検索機能

バックアップしたデータを検索できる

セキュリティ機能

・データ暗号化

・ユーザー管理

・常時モニタリング

・ログ管理

・サイバー攻撃対策

 

どの機能が搭載されているかはツールによって異なります。選択の際は注意しましょう。

クラウドバックアップ/バックアップアプライアンスを活用しよう

業務プロセスのデジタル化が進む昨今、バックアップをとるべきデータファイルやシステムは増える一方です。クラウドバックアップやバックアップアプライアンスを導入すれば、自社でサーバーを構築・運用する必要がなくなるため、バックアップの工数やコストを削減できます。遠隔地のクラウド環境をバックアップ先に選ぶことができるため、BCP対策やランサムウェア対策としても効果的です。

 

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